「バリ島マデウィ」2025年トリップリポート(WSMコラム)
2025-08-21 更新

日本人サーファーにとって馴染み深いサーフトリップ先と知られているインドネシアのバリ島。
世界的に物価高となっている現在、物価が安いと言われていた中南米を昨年から今年の頭にかけて旅していると、日本より物価が高いと思うシーンが多々ありました。
そんな中、今なお物価が安いと感じられるのがインドネシアであり、バリ島のクタなどでは一泊1000円台であってもプール付きの宿に滞在できるほどです。
そんなバリ島には数々のワールドクラスのサーフスポットが点在していて、バリ島最長レフトハンダーとし有名なマデウィへと先月行って来ました。
バリ島北西部に位置するマデウィは、繁華街のクタからだと車で2時間半ほど。
波はレフトのポイントブレイクとなっていて、全てのセクションが繋がるとロングウェイブとなります。

初めてのサーフスポットに行く前は、多くのサーファーがポイントガイドや波情報を確認すると思います。
なのですが、事前に調べた情報と実際の現地情報が異なる事は多々あります。
そんな情報の一つが風予報。
風予報に関しては多くのサーフスポットで、実際の予報とは全く異なることがありました。
異なる時の典型的な例としては、「朝一から風が強くてコンディションが悪い」となっているのに無風などと逆パターンの例。
この例が顕著なのは、インドネシアのサーフシーズンである乾季(4~10月)の時です。
マデウィでも当てはまり、マデウィは季節風が吹き始めるお昼以降でも、それほどフェイスが乱れることなくサーフ可能な日が多かったです。
つまり、風に強いサーフスポットであり、乾季と雨季問わずマデウィに通っているサーファーがいて、雨季でも風に関しては全く問題ないので年中サーフ可能と口にしていました。
これはポイントブレイクと言うスウェルがポイント(岬)を回り込む点に起因している可能性が高いかなと思います。
これまでに見てきた多くのポイントブレイクが風に強かったので。

話を戻し、インドネシアは乾季の季節風が東寄りという事で、文字通りに受け止めると西向き沿岸は、乾季はオフショアとなります。
しかし、実際には海風の影響もあってかサイドショアとなったり、季節風が入るとかなりフェイスが乱される場所もあります。
チャングーなんかが該当しますね。
先ほどポイントブレイクだから風に強い可能性があると言及しましたが、ポイントブレイクの特徴としてピークからショルダー方向に向けて強いカレントが発生しているブレイクが多いです。
なのですが、マデウィの場合は8~10フィートの予報の時でも、ミドルセクションのカレントは強くなったものの、アウトはそこまでカレントが強くなかったのが印象的でした。
しばらく波待ちしていれば時おりピークに戻るパドルバックが求められますが、ピークに戻るのがキツイというレベルではなかったので。

さて、マデウィは悪評としてTシャツを買わされると言う慣習が今なお残っていましたが、波に関しては一般サーファーにとってはかなり良いと感じました。
そのため手頃なサイズ予報の日には朝一からとんでもない数のサーファーが入っていましたが、入る時間帯をずらしてお昼過ぎには貸切で楽しめたりもしました。
一般的なサーフスポットのお昼過ぎと言えば風の影響でフェイスがガタガタになっているケースも多いですが、そこは風に強いマデウィだからこそ狙える時間帯と言えます。
他には、周辺にもサーフスポットはあるでしょうからローカルにガイドを頼んでサーフスポット開拓など、ポテンシャルの高さを実感できるサーフエリアでした。