タイ経由でスンバワへ
2004-08-25 更新
One Earth Vol.10---------------
前回まではニアスについて書かせてもらいました。さて今回から2回に渡って、同じインドネシアでもスマトラ島のはるか南、ロンボク島のとなりにあるスンバワ島にトリップしたときのお話をさせていただきます。
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僕はスリランカでサーフブランドとショップを営んでいる。毎年4月末、僕のいる島の南西部のトップシーズンが終わる頃には、スリランカを離れてアジアを一ヶ月ほど旅してから日本に一時帰国するようにしていた。
数年前の4月には、タイを経由してスンバワ島を目指した。タイに到着したのは4月10日。贅沢な話だが、半年もスリランカの海岸にいたので、たまには少し海から離れてみようと思い、首都のバンコクから北へ夜行バスで12時間かけ、タイで第二の都市・チェンマイに行ってみた。第二の都市といってもバンコクとは違い、少し町を離れればすぐに緑豊かな田園風景がひろがる。またここは山間民族の暮らす山々も近いため、トレッキングの玄関口としても有名だ。
2日間ほどかけて古寺や山々を探索し終わって、夕方街中へ散歩に出かけると、通りでいきなり水鉄砲の打ち合いが始まった。僕も水を思いっきり掛けられたので、訳も分からぬまま、みやげ物屋で水鉄砲を買って応戦した。戦いはどんどんエスカレートしていった。宿のおばちゃんに訊いて見ると、これは「ソンクラン」別名「水掛祭り」といって、タイの旧正月を祝う行事とのこと。これを目当てにやって来るツーリストも沢山いるらしいのだ。
もともとは、正月に僧侶の体を清めるために頭から水をかける、というのが起源のようだ。タイには3回のお正月がある。まずは1月1日。続く2月には中華正月。そして昼と夜の長さが大体同じになる4月13日もお祝いの日、といった具合。北タイやカオサンロードなどの観光客の集まるところでは、毎年この水掛け合戦がとても盛り上がるようだ。
この祭りが始まったお陰で、移動もろくにできなくなった。なにしろ、パトロール中の警察官やスーツをバシッと着たビジネスマンまでもが、頭からバケツで水を掛けられていたくらいだ。童心に戻れる良いチャンスだから、機会があったら是非行ってみてもらいたい。
こんなハプニングがあって一週間ほどチェンマイに缶詰になったお陰で、やはりまた海が見たくなってきた。バンコクに戻って、2日後のバリ行きのチケットを買った。
バリは前にも来ていたし、物売りと喧騒に少しうんざりしていたので、クタのロスメンにチェックインしてすぐにスンバワ行きのエアーチケットを買いに行った。運良く翌朝のフライトが取れた。飛行機が小さいので、サーフボードがあるなら早めにチェックインするようにと言われた。言われたとおりにフライトの2時間前にチェックイン。あとで聞くと同乗者の何人かはサーフボードを積んでもらえず、別便で後から送られたボードが到着するのに2日も待つことになってしまったらしい。無事にスンバワ島のビマに到着すると、早々と客引きたちが空港の周囲に群がっている。なんか騙されそうな雰囲気だったが、他になす術もなく、とりあえずの値段交渉してレイキーピークへと向かった。ビマからポイントまでは3時間ほどかかる。バスの中で隣に座った日本人と仲良くなった。40過ぎで大阪人のこのKさんは、カウボーイハットにギターと数本のサーフボード持ってきていた。スンバワには数回きているらしい。僕の方はというと、ボロボロの5'11のみだった。スリランカのような南国でサーフしていると、半年でサーフボードがダメになってしまうのだ。僕たち一人旅チームは、同じ宿をとることにした。(続く)
*次回はいよいよスンバワでのお話です。お楽しみに!