ASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro』終了!
2010-04-10 更新

ASP発足前の1962年からスタートし、ワールドツアーの中で最も歴史あるイベント『Rip Curl Pro』が今年もオーストラリアのビクトリア州で開催。
残念ながらクラシックなベルズは最後まで姿を現しませんでしたが、新しく採用されたジャッジクライテリアに合わせた選手達のサーフィンは世界最高峰のコンテストに相応しく、現地時間4月9日に素晴らしい戦いの末に幕を閉じました。
ファイナルデイは3-4ftレンジのクリーンなコンディションに恵まれたサブ会場のジョハナビーチで進行し、第1戦で優勝したタジ・バロウ(AUS)をSFで倒したミック・ファニング(AUS)と右足の負傷を抱えながら勝ち上がってきたケリー・スレーター(USA)が最後に対決。
両者共にスロースタートの中、均衡を破ったのはミック。肉眼では判断が難しいほどのハイスピードなアクションを連発し、7.17をメイク。更に4.83を重ねてケリーを追い込みます。
しかし、ラスト10分を切ったところでケリーが深いターンから回転を取り入れたエアリアルで8.93を返して逆転に成功。続けて8.10を出したケリーがミックを完璧に抑えてタイムアップ。
昨年のブラジル戦以来の優勝を決め、トータルでもタジに続く2位にジャンプアップしています。
「潮が上げてピークが奥にずれていたし、コブがあって飛ばされたほど。見た目よりも難しい波だった。5〜6本乗ってからやっと慣れてきたよ。8.93を出した波は着地した時にこけて片足が滑っちゃったんだ。あれは上手くリカバー出来たね。そして、すぐにパドルアウトして2本目に乗ったのさ」とケリー。
今回で通算42勝目と前人未到の記録を更新し続けているケリー。これでベルズでの優勝は4回目。優勝した者だけが許される表彰台でのベル鳴らしも慣れた様子で、インタビューでは、「ワクワクしてきた!ついさっき思い出したんだ。もしもオレが優勝したら原住民アボリジニの一族にトロフィーをあげよう!っていう約束をね。彼らに渡す前には、周囲のみんなにベルを鳴らさせてあげようとも考えているよ」とファンや地元の人々に気遣うコメントも残していました。
インタビュー毎に聞かれている10Xへの可能性については...。
「まだ長いシーズンが始まったばかりだけど、今回の成績でちょっと燃えてきたかも(笑)。ゴールドコーストでは調子が良かったのに結果を残せなかったから、ここで挽回出来て上手く修正出来た気持ちさ」と話していました。
R3終了後のインタビューで右足靭帯の炎症を発表していたケリーでしたが、ファイナルデイのサーフィンを見た限りでは、全く問題は無いようです。
昨年2度目のタイトルを獲得したミックは、初戦を9位でフィニッシュ。彼にとって決して良い成績ではありませんでしたが、今回の2位でトータル5位にランクアップし、3度目のタイトルに向けて着実に道を歩き始めています。
ファイナル終了後のインタビューでは、「2位でも凄いことだけど、やっぱり優勝が欲しかったさ。今回はリズムが合わなかった感じかな。ケリーは怪我をしても関係無く全てをこなしていたよ。地元の人々のおかげでイベントが成功したのは嬉しいし、ありがとうと言いたいね」とコメント。
R4でルーキーのジャドソン・アンドレ(BRA)、QFではジョエル・パーキンソン(AUS)を相手に素晴らしいヒートを繰り広げていたボビー・マルティネス(USA)でしたが、ケリーとのSFでは2.37のロースコア止まりで、実力を発揮出来ないまま姿を消すことに...。
「思うように出来ず、ハッピーとは言えないね。優勝したかった。もっと波に乗りたかったけど、その機会が無かったんだ。今までで最高のシーズンのスタートなんだけどね...。ん〜でも残念だった」とボビー。
ゴールドコーストでも3位だったボビーはトータル4位。トップ45の中でもトップレベルのシャープなバックハンドリップを武器に次のイベントでは更に上位を狙いたいところです。

第2戦を終了した時点でのカレントリーダーは、ゴールドコーストで優勝。今回3位に入ったタジ(写真上)です。昨年のパイプラインマスターズからWQSを含めて3連勝していたタジでしたが、今回は波に見離された形でフィニッシュ。
「3位でハッピー!何本かの波でミスをしたのは悔いが残るけどね。見た目よりも難しい波で、良い波だと思ってもコブにやられて”こんちくしょう”みたいな...。まあ、満足出来る良い成績だし、次が楽しみさ」とタジはヒート終了後のインタビューに答えていました。
オーストラリアレッグが終了し、次の戦いの舞台は南米ブラジルに移動。『Santa Catarina Pro』は2週間後の4月23日にスタートします。
『Rip Curl Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ミック・ファニング(AUS)
3位 タジ・バロウ(AUS)、ボビー・マルティネス(USA)
5位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ビード・ダービッジ(AUS)
『Rip Curl Pro』公式サイト
http://live.ripcurl.com/index.php?bellshome(PC用)
photo: ASP Covered Images
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