ニュージーランド初開催のワールドツアーを制したのは？

全9戦で争われる2010年のウィメンズワールドツアーの前半戦はオセアニアが開催地に選ばれ、すでに終了した開幕戦と第2戦は女王ステファニー・ギルモア(AUS)が2連勝を決めて早くも4回目のワールドタイトル獲得に接近。
そして、第3戦『TSB Bank Women's Surf Festival』はASPワールドツアーではメンズ、ウィメンズ共に初（WQSは以前にあり）となるニュージーランドが舞台となり、現地時間4月16日に終了しました。

注目のステファニーはワイルドカードで出場したサラ・メイソン(NZL）にR3で敗退を喫してしまい、早くも姿を消すことに．．．。サラは続くQFでも同じニュージーランド出身のページ・ハレブを下し、大活躍。SFではカリッサ・ムーア(HAW)に抑えられたものの、15歳とは思えないしっかりしたラインは周囲に強い印象を与えていました。

ファイナルは17歳のカリッサと19歳のサリー・フィッツギボンズ(AUS)のティーンエイジ対決。会場のタラナキ・フィッツロイはヘッドオーバーのクリーンな波で、レフト中心。ワイド気味ながら十分抜けられるグッドコンディション！
始めにハイスコアを手にしたのはカリッサ。バックサイドでハードなリップを重ねて9.33をメイク。次の波ではサリーがアクションを重ねるものの、7.50とカリッサには及びません。カリッサは中盤に1本目を上回る9.83を出してコンビネーションスコアに追い込みます。
後半にはサリーがロングライドを決めますが、8pt台止まり．．．。
テイクオフからすぐの360°を取り入れるなど、バリエーション豊かなライディングを披露したカリッサが優勝を決めました！
「午後は最高のコンディションになって私の中にあるスイッチが入っちゃったわ(笑)。サリーには得意なマニューバーを入れやすい波を与えないようにしたのよ。全てのラウンドでハイエストスコアを出していたし、絶対に要注意人物。私的には調子がどんどん良くなって運が良くファイナルがピークだったみたい」とカリッサ。

今イベントのハイスコア並びにハイエストヒートスコアを改めて確認するとトップ10の大半をカリッサとサリーが占めており、いかにこの二人が強かったかが数字で分かります。
今シーズンからルーキーとしてワールドツアーを転戦しているカリッサですが、すでにワイルドカードでは大活躍しているため、御存知の方も多いはず。すでに終了した2戦は共に9位でフィニッシュして実力が発揮出来ていませんでした。
その件については、「スタートはダメダメだったわね。予想外のことが多くて対応出来なかった。ニュージーランドではやっと全てが上手く回って良い結果が出せたんだと思う。今年の目標達成に向けて一歩前進ね。次のシドニーが楽しみ！」と話していました。

今回の優勝でトータル6位にランクアップしたカリッサの目標は、もちろんワールドタイトル。
もしも、今シーズンに実現出来れば19歳の時にルーキーでタイトルを手に入れたステファニーの記録を上回ることになります。
まだ17歳のカリッサですが、BCM的には「あると思います」

すでにビッグスポンサーにサポートされているカリッサは、優勝賞金の15,000USドルをニュージーランドのサーフィンクラブに寄付すると発表。コンテスト以外でも大物振りを見せていました。

2008年にジュニアで最も大きなイベント『World Junior Champion』の優勝を手に入れ、2009年はワールドツアーのルーキーながら5位でシーズンをフィニッシュしたサリー(写真上)。初優勝こそお預けになりましたが、トータルではステファニーに続く2位とカリッサよりもタイトルに近い位置に接近。
「悔しい〜！でも、ファイナルのカリッサは手に負えなかったの。最高の波に興奮したヒートだったわね。がっかりだけど、良い結果が残せたわ」とサリー。さらに「今まででベストな成績だし、良い方向に向かっているのは嬉しいことね。サーフィンの調子は良い感じだし、スマートさも出てきて結果にも結び付いている。2位になれて素晴らしい気分。あとは数イベント後にステファニーを追い抜くのがゴールね」とコメント。

デビューから3年連続でタイトルを獲得しているステファニーの強さは誰が見ても異論は無いでしょうが、カリッサやサリーを始め、ココ・ホー(HAW)、ページ・ハレブ(NZL)など、若い世代の急激なレベルアップも忘れてはいけません。
また、今イベントではメディアに注目されなかったニュージーランドの波のクオリティが証明されました。ローカルの同意が得られれば、近い将来、メンズのイベントの候補地になる可能性もありそうです。

ASPウィメンズワールドツアー第3戦
『TSB Bank Women's Surf Festival』結果
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
3位 サラ・メイソン(NZL)、チェルシー・ヘッジス(AUS)
5位 メラニー・バーテルス(HAW)、ページ・ハレブ(NZL)、ソフィア・ムラノヴィッチ(PER)、シルヴァナ・リマ(BRA)

『TSB Bank Women's Surf Festival』公式サイト
http://www.nzsurffestival.co.nz/（PC用）

photo: ASP Covered Images

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