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『Billabong Pro Santa Catarina』はブラジリアンが制した!

2010-04-30 更新
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今シーズンはASPワールドツアーのルールが改正され、前半5戦を終了した時点でトップ45から下位13人が除外。トップ32で後半の5戦を争うことになります。
そもそもワールドツアーの目的は1シーズンで一人のチャンピオンを決めること。その可能性が0に近くなる下位の選手を省いて無駄なコストをかけずに運用していく方針は時代にあった選択だと思います。
とは言え、サーフィンで生活している選手達にとっては死活問題。第5戦(今年はタヒチ)までは一つでもヒートを勝ってランキングを上げたいところでしょう。

そんな中で行なわれた第3戦『Billabong Pro Santa Catarina』が現地時間4月29日に終了。
舞台となったブラジルのサンタカリーナ・インビトゥバは決して良いコンディションではありませんでしたが、逆に多くの選手にチャンスを与え、なんと!20歳のルーキー、ジャドソン・アンドレ(BRA・写真上下)がファイナルでケリーを僅差で抑えて初優勝を決めました!
「まさにオレの夢そのもの。人生の全てを賭けてきたんだから...。ビーチで自分が勝ったことを聞いた時、特別な何かが舞い降りてきた感じだった。それを何と表現して良いかは分からないけどね。これは奇跡だよ!オレの人生、嫌なこともあったけど、こんな素晴らしいことも起こるんだ。全てに感謝したいよ」と優勝の感想を素直に言葉にしていたジャドソン。

R4終了後のリポートでもお伝えした通り、今イベントでのジャドソンの勢いは驚くべきものでした。
ミシェル・ボウレズ(PYF)とのQF、デーン・レイノルズ(USA)とのSFは共に僅差でしたが、確実に運はジャドソンに傾いていた印象。
ファイナルも、対戦相手のケリー・スレーター(USA)が最後のライディングでお得意の逆転劇を演じる寸前。僅かに0.40差でジャドソンに女神が微笑んだのです。
「ランキングにも大きな助けになったよ。トップ32に入ることはもちろん、J-bayとチョープーのシード権も得ることが出来たからね。ケリーについては、いつでもスコアを返される可能性があるから、早めにスコアを上げてプレッシャーを与えるように全力を尽くしたつもりさ」とジャドソン。
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ブラジリアンと言えば、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)のことを忘れてはいけません。ジュニアのタイトルを総なめし、10代の時にクオリファイを決めたアドリアーノは2008年からトップ10をキープ。2009年のスペイン戦で念願の初優勝を決めてブラジリアンで最もワールドタイトルに近い選手と言われています。
ジャドソンにとっても彼の存在は大きいようで、「昔からアドリアーノはオレのヒーローだったさ。ここ数年の彼にはプレッシャーも沢山あっただろうし、彼からは色々学ばしてもらっている。今年は刺激もされて、助けてもらうこともあるよ。自国を代表してここブラジルで優勝できたことは素晴らしい気分だね」と話していました。

ちなみにブラジリアンが自国で優勝を決めたのは1998年のピーターソン・ロサ以来のことです。

第2戦のベルズで優勝。今イベントで2位と確実にポイントを重ねてカレントリーダーの座に立ったケリー。2008年と2009年はミックとジョエルに主役を奪われていましたが、今シーズンは10回目のワールドタイトルに向けて有利な展開となってきました。
「ジェフリーズとタヒチの前に良い位置に来れたね。オレがリードするのは2年振りかな。悪い気はしないさ。全てのヒートを勝ちたいのは当たり前のことだけど、タイトルに関わっているミック、ジョエル、ジョーディたちよりは上だった。それに今日のジャドソンの優勝は特別なこと。多分、彼の人生で忘れられないような類いのものさ」と冷静にコメントを残していたケリー。

ジャドソンとのファイナルについては、「こんなコンディションの時に彼(ジャドソン)を負かすのは厳しい。セットを手に入れ、尚かつエアーを決めてもね。彼はこのコンディションでは無敵。みんなやられちゃったのさ。彼がチョープーやパイプラインみたいな場所でも良い演技が出来るかを見てみようぜ」と話していました。

次の舞台となる南アフリカのJ-bay『Billabong Pro』は、ケリーが過去4回も優勝した得意な場所。約2ヶ月半の休暇の後、7月15日〜25日に開催されます。

『Billabong Pro Santa Catarina』結果
1位 ジャドソン・アンドレ(BRA)
2位 ケリー・スレーター(USA)
3位 デーン・レイノルズ(USA)、オーウェン・ライト(AUS)
5位 ミシェル・ボウレズ(PYF)、C.J・ホブグッド(USA)、クリス・デヴィッドソン(AUS)、ロイ・パワーズ(HAW)

ASPワールドツアートップ5
1位 ケリー・スレーター(USA)21750pt
2位 ジョーディ・スミス(ZAF)18500pt
3位 タジ・バロウ(AUS)18250pt
4位 ミック・ファニング(AUS)15500pt
4位 ジャドソン・アンドレ(BRA)15500pt

『Billabong Pro Santa Catarina』公式サイト
http://www.aspworldtour.com/brazil/(PC用)

photo: ASP Covered Images

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