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イスラエルでサーフィン!

2005-03-18 更新
One Earth Vol.19
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旅の楽しみの一つとして新たな人物との出会いがある。

数年前スリランカのサーフポイントで、ひとりのイスラエル人と知り合った。彼の名前はハニ。イスラエルでは数少ないシェイパーの一人だ。サンディエゴで数年シェイプの技術を身につけたそうだ。彼のサーフィンやシェイプへの情熱に心打たれた僕は、ハニにボードを頼むようになった。
2004年の春、ハニは僕や僕の友人のオーダーしたボードを、わざわざハンドキャリーして来日してくれた。そして2週間、僕の家に滞在しながら東京ライフと千葉の波を堪能した。そして帰国の際、「今度はハルがイスラエルに来るんだぞ」と言った。「えっ?イスラエルへ行くの?」と思ったが、そのときには、そんなチャンスもきっとあまりないだろうと思い、とりあえず「サンキュー」とだけ言っておいた。

しかし、それから1年も経たぬ内に、ハニの言葉は現実になった。2005年1月の終わりに、僕はスリランカで2週間滞在した後、イスラエル行きのチケットを買った。僕にとって初めての中東行きである。
テルアビブの空港に着き、イミグレーションを難なくパス、荷物受け取りのところにいるおねーさんに声をかけられた。「何しに来たの?」「サーフィン。」「なんで冬にサーフィン?」・・・とそれからは質問責めである。もともとイスラエルに観光で来る日本人は少ないからなのだろう。しばらく問答が続いてからやっと解放された。
外へ出ると、ハニと彼女のヒラが迎えに来てくれていた。外は嵐のまっ只中で、海も大荒れ。クルマを走らせながら地中海の様子を覗った。地中海でのサーフは、去年のイタリアにつづき2回目だが、前回のイタリアはフラットだった。でも今回は期待できそう。ジャンクだが6ftくらいの大きな波が押し寄せている。
僕らはサーフポイントの目の前にあるハニの家に滞在した。それから2日間はいっこうに風が治まらずにノーサーフ。3日目ハニの家から1時間ほどクルマを走らせたところにある小さな湾の中でサーフした。バックドアというポイントで状態の良いときはホレたチューブが楽しめるそうだ。まだ風が強く決してよいコンディションではなかったが、オーバーヘッドの波を楽しんだ。僕が使ったウエットスーツは3mmフルスーツだったが、これ以上寒くなることはないらしい。
4日目はまた嵐になりノーサーフ、5日目にようやく風が落ち着き、ハニの家の前のポイントが良いコンディションになった。岸と平行に、沖に堤防が入っていて、堤防の切れ目に波が入ってくる。千葉でいう夷隅のようなブレイクだ。この時はレフトの地形が良く、サイズは頭位。ハニと数人の友人と2ラウンドサーフして、この日はクタクタになった。しかし風が止まると6日目、7日目にはまったくフラットになってしまった。

僕が海外旅行中にみるイスラエル人はたいていアグレッシブでイケイケな若者が多いのだが、実際に彼らの国を訪れてみると、決してそんな風には感じられなかった。イスラエルには兵役制度があって若いうちの数年間は兵隊にならなくてはならないのが理由かも知れない。僕が感じたイスラエルはアメリカのウエストコーストそのまま。地中海に添って作られた道路やショップ、人種も豊富、もうひとこと付け加えるなら《美人の宝庫》だと思う。
ハニの情報によれば地中海、とくにギリシャなどには、まだまだ未開発のポイントがたくさんあるらしい。いつの日にか是非訪れてみたいものだ。