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日本の海岸の将来

2005-05-27 更新
5/14(土)に茨城の大洗でS.F.J主催のサーフシンポジウムが行われました。内容は京都の八丁浜と千葉の鴨川の事例。サーファーだけでなく、地元漁業者等、7名のパネラーを招いて行われた「これからの大洗の海を考える」パネルディスカッション等でした。

特に印象的だったのが、代表の守山氏による八丁浜の海浜工事の話。
工事が始まった17年前には、開発により地元の経済が潤おうならと住民は賛成(サーファー達は反対)していたが、いざ蓋を開けてみると、堤防等の人工物の投入による潮の流れの変化で、砂浜の浸食が進み、更に強いカレントが発生するようになった危険な海に訪れる人が急減。砂浜を戻すために多大な税金が幾度もなく費やされ、潤おうはずだった町が、逆に衰退。
そして、17年後に京都府より新たな整備事業の話が提案された時は、サーファーよりも住民からの猛烈な反対により、この計画は白紙に。住民はサーファー達が何故17年前に海浜工事を反対していたかをやっと理解してくれ、守山氏を始めとするサーファー達の思いが伝わったのです。
これは、全国各地で行われている同じような海浜工事にも良い刺激になると思いました。

一方、カリフォルニアのベンチュラでは、S.Fによる「ダムを撤去する」という大規模な運動が行われ、それが実現しました。もちろん、ダムを撤去する費用は莫大なものですが、長い目で見るとダムを残すよりも安くつくということです。
ダムというのは、本来は山から海へ流れ込むはずの水を止めている訳ですから、それに伴う土や砂利等の流れも止めている。つまり、近年進んでいる砂浜の浸食に多大な影響を及ぼしているのです。

日本でも熊本の荒瀬ダムが撤去されることになり、今後は全国各地の無駄なダムが撤去出来る可能性が広がりました。
また、2002年から海岸法の改正により、海浜工事には行政と住民との合意が必要になりました。

もし、貴方の良く行く海で疑問を感じるような海浜工事があったとします。
「しょうがないよ~」「関係無いよ、ダメになったら他の海へ行けば良いじゃん」等と考える前に、その海浜工事について少しでも興味を持って下さい。
そして、貴方の住んでいる場所の近くでS.F.J主催の催しがあった時は是非参加して見て下さい。大半は会員でなくても自由に参加出来ますし、参加費もフリーです。

その一歩がとても大切ですし、一人一人の思いが日本の海岸を変えることに繋がるのです。

これからの時代は、自然に手を加えてきた今までの開発から、自然のままに戻すという新しい発想の開発に変っていくことを心から願いたいです。

(文:BCMスタッフ・green)