ASPワールドツアー開幕戦『Quiksilver Pro』終了!
2011-03-10 更新

オーストラリアのゴールドコースト・スナッパーロックスで開催されていた『Quiksilver Pro』は現地時間3月9日にファイナルデイを迎え、2011年シーズン最初の勝者が決定!
QFからスタートしたこの日は、クリーンでハイスコアも出しやすいグッドコンディションで、ファイナルまで勝ち上がってきたタジ・バロウ(AUS)に関しては全てのヒートで9pt台をスコアして驚異的なライディングを披露していました。
一方、ケリー・スレーター(USA)もキラ時代から4度も優勝をしているこの土地での経験を生かして安定感のある勝ちを重ね、2008年以来3年振りに開幕戦でのファイナル進出。
夕方に行なわれたファイナルは残念ながら風の影響が入った難しいコンディションに...。
そんな中、ケリーは早々と5pt台を2本まとめて主導権を握ります。中盤は両者共にテイクオフを繰り返すものの、スコアが延びる波が入らず、タジの逆転には7.27が必要というシチュエーションでヒートが進行。
残り時間数分、タジはファイナルで一番の形良い波をキャッチして全力でアクションを重ね、ケリーもその次の波でハードなターンを仕掛けます。
しばらく間が空いてからアナウンスされたタジのスコアは僅かに足りない7.17...。
この時点でケリー(写真上・下)のツアー通算46勝目が決まり、思わず天を仰いで喜びを表現していました。

「単純明快にスナッパーロックスでただ楽しんだだけさ。オレにとってコンテストはボーナスみたいなものだよ。彼女とクイックシルバーに感謝!」とケリー。さらに「誰もがこのイベントを楽しみにしている。だって良い波だもん。このイベントではタジが一番良かったんじゃない?オレとのヒートでは9ポイントが出なかったけどね」と表彰台でのインタビューに答えていました。
2011年に前人未到の10Xを達成したケリーは、引退も視野に入っていると以前にコメントを残していましたが、今回の優勝で話は振り出しに戻ったはず。ライディング、試合運び、精神面、ありとあらゆる部分で他の選手を圧倒しており、まだしばらくはケリーの時代が続くと感じさせた1戦でした。
今イベントのディフェンディングチャンピオンのタジ(写真下)にとって、唯一の誤算はファイナルの波の悪さだったのかも知れません。
『Quiksilver Pro』の直前に行なわれた4スター『Breaka Burleigh Pro』で優勝し、その調子を引き継いでのパフォーマンスは明らかに昨シーズンよりもパワーアップした印象でした。
「2011年のツアー、燃えてきた!とても楽しいイベントだったけど、残念ながら最後は波が悪くなってしまったね。少しスコアも足りなかった...。ケリーにはかなわないな〜。家を購入して張り切っているのかな(笑) 素晴らしいイベントだった。開催者にお礼を言うよ」とタジ。
1998年にワールドツアーの仲間入りをしてから常にタイトル争いに絡んでいるタジの実力はASPファンなら御存知の通り。あとは少しの運があれば、初のワールドタイトルの座に届くのではないでしょうか?

ジョーディ・スミス(ZAF)は2010年の『Quiksilver Pro』のファイナリストでしたが、2011年はあと一歩及ばず、SFではタジに大差で敗れてしまいました。
ヒート終了後には「いくら自分が調子良くても波が協力的でないことがあるのさ。タジは凄かったけど、オレにとっても良いスタートだと言えるよ。次のイベントも楽しみだね。スイッチを切り替えて出来る限りのことを行なうさ」とコメントを残していました。
ちなみに今イベントはオーストラリアのテレビ局でライブ中継を行なっていました。
日本では考えられないことですが、これがサーフィン大国オーストラリアの環境。イベント中は常に多くのギャラリーが集まり、サーフィンをスポーツエンターテイメントとして楽しんでいたのが印象的でした。
次の第2戦はベルズビーチに舞台を移動して4月19日〜30日のイースターホリデー期間中に開催される『Rip Curl Pro』です。
ASPワールドツアー第1戦『Quiksilver Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 タジ・バロウ(AUS)
3位 ティアゴ・ピレス(PRT)、ジョーディ・スミス(ZAF)
5位 ダスティ・ペイン(HAW)、マット・ウィルキンソン(AUS)、ブレット・シンプソン(USA)、アレホ・ムニーズ(BRA)
『Quiksilver Pro』公式サイト
http://www.quiksilverpro.com.au/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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