ASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro』終了!
2011-04-25 更新

ASPが発足する以前、まだナット・ヤングやマイケル・パターソン、サイモン・アンダーソン、マーク・リチャーズなどが全盛期の頃からオーストラリア・ビクトリア州のベルズビーチで毎年開催されている『Rip Curl Pro』は今年が50周年。
これだけ文明が発展してもこの土地の自然、波は変わらず、クラシックデイのベルズは世界中のサーファーを魅了し続けています。
現地時間4月24日に終了したASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro』は50周年に相応しい素晴らしいコンディションに恵まれていました。ファイナルデイも歴史に残るような名勝負が繰り返され、パーコことジョエル・パーキンソン(AUS・写真上下)とミック・ファニング(AUS)が最後の舞台に残りました。
ファイナルで主導権を握ったのは、パーコ。ヒート開始直後に独特のリラックスしたスタイルで大きなマニューバーを描き、8.53をメイク。更に7.60を重ねてミックをコンビネーションスコアに追い込みます。ミックは後半にインサイドまでキッチリつないで7.93を返しますが、時すでに遅し...。
パーコは最後の波で今イベントで唯一のパーフェクト10を叩き出し、まさに50周年記念の優勝に花を添える形で最高のフィニッシュ!
「オレにとってミックはこのイベントで見本になるサーファーだったし、勝つのは難しいと思っていたさ。二人共、最初に良い波を手に入れて先行するゲームプランは一緒だったと思う。最初の一本目はスルーして次の波は同意の上で手に入れた。8pt台のスコアを出しても油断は出来ないから、ずっとプレッシャーを与える必要があったよ」とファイナルを振り返ったパーコ。
パーコ自身、通算10回目の記念すべき優勝がベルズの50周年にあたり、感無量の面持ち。
「これは素晴らしいことだよ。優勝、それも50周年だからね。いつもよりも一層嬉しいし、特別なことさ。それに最高の波だった!こんな良いベルズで最後にやったのは記憶にないくらい。今は興奮し過ぎて事実を受け止められていないよ」と話を続けていました。

2009年に足首を負傷し、2010年のシーズン前半にそれが悪化してワールドタイトル争いから遠ざかってしまったパーコでしたが、2010年のトリプルクラウンでは復帰直後にも関わらず、タイトルを獲得。2011年の開幕戦は9位と成績が振るわなかったものの、今回の優勝で一気に2位にランクアップ!
「もう完璧。足首を痛めた2009年以前よりも調子が良い感じがするよ。最高のボードも手に入れたし、残りの試合が待ち遠しくて仕方ないね」と最後にコメントを残していたパーコ。
まだ気は早いですが、今イベントは念願の初タイトル獲得に向けて大きな一歩になったと言えるでしょう。
パーコのサーフィンが柔ならミックは剛。スピーディかつパワフルなライディングはビーチを埋め尽くした沢山のギャラリーとPCの前でライブ観戦していた世界中のASPファンを魅了していました。
ハイエストスコア&ハイエストヒートスコアのトップ10を見ても、ミックとパーコが独占。
最後はパーコに軍配が上がりましたが、今イベントでのミック(写真下)の存在感は強烈でした。

「厳しいファイナルだったね。彼はあっと言う間にヒートを決めてしまった感じかな。逆転するには波も時間も足りなかった。他の選手のことは考えないで、波をキャッチしてスコアを出すだけだから、仲間との対戦でも大して関係無いよ。負けてもちょっとショックが少ないくらいかな...。これで火が付いた。今年はやってやるぞ〜」とファイナル終了に話していたミック。
開幕戦を13位と不本意な成績で終わらせたミックは6位にランクアップして、次に繋げています。
R5から始まったファイナルデイ。全てのカードが目の離せない展開でしたが、その中でもQFのH2、ケリー・スレーター(USA)とアドリアーノ・デ・スーザ(BRA・写真下)の勝負は会場を大きく沸かせていました。
序盤からのデットヒートに変化を与えたのは、8.67をスコアしたアドリアーノ。ケリーにとって逆転に必要な8pt台は1チャンスあれば十分でしたが、全ての運はアドリアーノに傾いており、最後にダメ押しの9.33を叩き出したアドリアーノがコンビネーションスコアでケリーを撃沈。

「ケリーとのヒートでは良いリズムを刻めたけど、ジョエルとの勝負では波を見つけることが出来なかった。あのベルを鳴らしたかったのに、ガッカリだよ。オレのヒーローであり、10Xワールドチャンピオンのケリーを倒せた点は素直に喜んでいるさ。正直、波に助けられて次のラウンドに進めた形だけど、それは誰にだってあることだから...。次はオレのホーム、ブラジル戦。自国の誇りを賭けてオレとジャドソン(アンドレ)が良い成績を残せれば良いね」とアドリアーノ。
前日よりサイズアップした6-8ftレンジのパーフェクトなベルズの波に大きなボトムターン、えぐるようなトップターンとフローしていくアドリアーノのライディングは2008年からキープしている世界のトップ10のランクを証明するクオリティの高さでした。
オーストラリアレッグを終了してカレントリーダーはケリー、それをパーコ、ジョーディが追う形になっています。次の第3戦は舞台をブラジルのリオデジャネイロに移動し、5月11月〜22日に開催されます。
ASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro』結果
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
2位 ミック・ファニング(AUS)
3位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)
5位 オーウェン・ライト(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、クリス・デヴィッドソン(AUS)、ジャドソン・アンドレ(BRA)
2011年ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 15,200pt
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 14,000pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 13,000pt
4位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 10,500pt
4位 ティアゴ・ピレス(PRT) 10,500pt
『Rip Curl Pro』公式サイト
http://www.live.ripcurl.com/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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