『Billabong Pro Rio』中盤戦は大波乱!
2011-05-20 更新

現地時間5月19日、ブラジル・リオデジャネイロで開催中のASPワールドツアー第3戦『Billabong Pro Rio』はR1〜R2が行なわれたレフトのポイントブレイク「Arpoador」からメイン会場のビーチブレイク「Barra Da Tijuca」に移動してR3からスタート。敗者が出ない3人ヒートのR4(1位はQFへ。2位と3位はR5の敗者復活戦へ)までのスケジュールが終了しました。
この日の「Barra Da Tijuca」は3-4ftレンジのサイズ。たまにライトが入るものの、基本的にはレフトを攻めた選手が多く、フォローなブレイクが中心。
この手の波に強いタジ・バロウ(AUS)、ダミアン・ホブグッド(USA)、ジェレミー・フローレス(FRA)などがラウンドアップを決める中、H6にケリー・スレーター(USA)が登場。愛弟子とも言えるボビー・マルティネス(USA・写真上)とクロスゲームを繰り広げます。
ヒート後半はボビーが主導権を握り、ケリーが逆転に必要なスコアは7pt台。残り時間僅かでケリーはライトの波にテイクオフ。小振りながらバレルをメイクしてギャラリーを沸かせますが、残念ながらケリーお得意の逆転劇にはならず...。
結果的には勝ち上がったボビーの方も、最後までひやひやだったのでしょう。
ヒート終了後のインタビューでは、ホッとした表情で、「良いレフトが割れていたよね。あえてライトに行ったケリーが何を見つけたのか心配だったよ。オレにはラッキーな部分もあって有利な展開だった。彼が優先権を持っている時に逆に良い波を乗ることが出来たりね。普段は彼がそれをやるんだけど、今回はその役をひっくり返したよ」とコメント。
ワールドツアーにデビューした2006年にトータル5位でルーキー・オブ・ザ・イヤーを手に入れたボビー。2009年まではトップ10圏内をキープしていましたが、2010年は20位。今シーズンも不調が続き、第1戦25位、第2戦13位でトータル22位とフラストレーションがたまるシーズンを送っています。
その件については、「この結果がシード権の助けになることを願うよ。今のところ、今年のベストな成績だしね。昨年も今年も苦戦している。厳しいヒートばかりだけど、それを言ったらキリが無い。波が厳しいこともあるし、波が良くても今度は相手との戦いが厳しくなる。簡単にはいかないよ...。出来ることは自分のベストを尽くすことだけさ」と話していました。

ケリー vs ボビーのカードの後も激しい勝負が続いたR3。H7のジョーディ・スミス(ZAF)とジョシュ・カー(AUS・写真上)もデットヒートとなり、序盤からリードを握っていたジョーディに対してライトの波でのエアリアルにこだわったジョシュがラスト数分でイベント中最大級の空中ショーを披露して7.93をスコア。
見事に逆転を決めてR4進出を決めました。
「ライトの波に焦点を当ててゲームプランを組み立てたんだ。ケリーが良い波に乗っていたし、たまに形良い波が来ていたからね。ジョーディはレフトを攻めていたけど、オレはライトの波に賭けて良い結果を得たのさ」とジョシュ。
ワールドツアーにセミリタイア宣言をしたこともあるジョシュですが、WQSからやり直してすぐにカムバック。それは彼のやりたいことが、まだこの場所に残っている証明とも言えます。
ビーチに集まったギャラリー、ライブ中継を通して世界中で応援しているファンもジョシュの表現力豊かなライディングに釘付けとなったことでしょう。

今イベントのタイトルホルダー、ジャドソン・アンドレ(BRA)はH11でミシェル・ボウレズ(PYF・写真上)に9.70&9.40、トータル19.10のパーフェクトに近いスコアを叩き出されてしまい、全く良い所を出せずに敗退...。
ミシェルに対してスコアが甘かった印象を受けたものの、結果は結果として受け止めるしか無いでしょう。
ジャドソンを下したミシェルは、「ホーンが鳴る前にヒートはスタートしていたんだ。オレとジャドソンは、すでにインサイドで波を狙ってたからね。一本目は思惑通りに良いスコアを手に入れて好調なスタートを切れた。それが9.70で、その後はエアーにトライしたんだけど、ボードが折れた!って思った。大丈夫だったけど、ビックリしたよ。9.40を手に入れた後はクローズアウトする波を数本乗っただけで、サーフィンにならなかったね」と話していました。
R4でまず勝利を収めたのはタジ・バロウ(AUS・写真下)で、ダミアン・ホブグッド(USA)とダニエル・ロス(AUS)に対してトータル18.40をスコア。
「良い気分で戦えたよ。こんな感じの波が続けば良い仕事が出来ると思うよ。まあ、簡単でも無いんだけどね。自信によって得られる成功もある。特にオレにとって自信を持つことは重要だし、難しい部分でもある。その自信が大きく膨れ上がった時でも、ただひた向きに戦うだけさ。こんなに長くツアーに残れただけでもヒートに勝ったようなもんだけどね」とタジ。

タジの勝利で会場が盛り上がった後、H2にはパーコ、ジェレミー、ボビーと華やかなメンバーが登場。このヒートは序盤に8.50をスコアしたジェレミーが中盤に8.03のバックアップスコアを重ねて2位のパーコに9.03の大差をつけて進行。しかし、最後の最後にパーコが9.73のハイエストスコアで大逆転!R1では波に見離された形で敗退してR2を戦うハメになったパーコでしたが、今回はキッチリと決めてQFへジャンプアップしました。
「もう一回敗者復活戦を戦わなくて良かったよ。あの時(R1で敗退)の結果が逆に幸運をもたらしたのかもね。自分の戦略が珍しく上手くいって気分は良いし、嬉しいね」とヒート終了後のインタビューに答えたパーコ。
タイトル争いをしているケリー、ジョーディがR3で敗れた今、一つでも順位を上げてポイントを積み上げたいところでしょう。
その件に関しては、「タイトルについて考えるには、まだ早過ぎる。まだ3戦目だから気にしてないよ。これがシーズン後半なら話は別だよ。どんな展開になるのか、まだ誰も分からないさ」と話していました。
その他にR4を1位通過してQF進出を決めたのはジョシュ・カー(AUS)とオーウェン・ライト(AUS)
ネクストコールは現地時間5月20日朝7時(日本時間20日夜7時)で、30分後にR5のH1から再開される予定。
ファイナルまで進む可能性が高いので、 お見逃しなく!
『Billabong Pro Rio』公式サイト
http://aspwtrio.com.br/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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