『Billabong Pro Rio』は今年もブラジリアンが制した!
2011-05-21 更新

ブラジル・リオデジャネイロで開催されていたASPワールドツアー第3戦『Billabong Pro Rio』は4日連続でヒートが進行し、現地時間5月21日に終了。
会場の「Barra Da Tijuca」は2-3ftレンジで、前日同様にレフトが中心のトリッキーなコンディション。そんな中、ファイナリストに選ばれたのは、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA・写真上下)とタジ・バロウ(AUS)でした。
ファイナルではタジが一本目の波で7.00をスコアしますが、すぐにアドリアーノが6.50を返し、中盤に8.00、後半に7.63と順調にスコアを重ねていきます。アドリアーノがライディングを始めるとビーチに集まった熱狂的なファンが大きな声援を送り、1アクションの度に再び声援が鳴り響いていたのが印象的でした。結局、タジは逆転に必要なスコアを出せず、アドリアーノの優勝が決定!
嬉しさのあまり、アドリアーノはビーチに上がった時にすでに男泣き...。インタビューでも涙を流しながら、「今の気持ちを伝えられる言葉が見つからないよ。まずはオレを毎日プッシュしてくれたマネージャーに感謝したい。彼無しでこの結果はあり得ない。そして、ファンの皆さん。最初から最後まで応援してくれてありがとう。ブラジリアンがこのタイトルをキープ出来て本当に嬉しいよ!」と優勝の喜びを表していました。

昨年のブラジル戦は、ルーキーのジャドソン・アンドレが優勝を決め、その影で苦戦していたアドリアーノ。すでに2009年にスペインで初優勝は成し遂げていたものの、自国ブラジルでの優勝は特別。17歳からツアーにデビューして24歳でやっと達成出来た喜びは一生忘れられないでしょう。更に今回の優勝でカレントリーダーの座も手に入れ、次のJ-Bay戦に挑みます。
「タイトルを考えるには、まだ時期が早過ぎるし、次のJ-Bayでも自分をプッシュし続けるよ。ツアーにはケリーを始め、素晴らしいサーファーが沢山いて長い間ひしめきあっているんだ。オレなりにベストを尽くすだけさ」と意気込みを語っていました。
早々とR3で敗退したケリー・スレーター(USA)、ジョーディ・スミス(ZAF)に加えてQFではジョエル・パーキンソン(AUS)まで姿を消してチャンスが巡ってきたタジ(写真下)でしたが、ギャラリーの大半を味方につけたアドリアーノの前に決め手を失ってしまい、今シーズン2度目の2位に...。
「良いスタートを切ったとも言えず、ファイナルはかなり失速してしまったね。アドリアーノの駆け引きが勝り、2本の良い波を手に入れた。オレの方は波を見つけることが出来なかったよ」とタジ。さらに「今は正直、凄い落ち込んでいる。いずれは笑顔が戻ると思うけどね。2位が2回って良い結果だけど、2回共ファイナルで負けたくなかったよ。負けるなんて考えてなかった」と悔しそうにファイナルを振り返っていました。

オーストラリアレッグではトラブルに巻き込まれ、膝の怪我にも悩まされてしまったジェレミー・フローレス(FRA)でしたが、今イベントでは序盤から凄まじいチャージを披露してラウンドアップを重ね、今年最高位となる3位。
ヒート終了後には、「やっと万全の身体に仕上がって気分も上がってきた今年最初のイベントだから、やる気は満々だったよ。静養にトレーニング、出来ることは全てやったさ。結果にも満足。イベント中は厳しい波だったけど、2〜3回だけ良いターンをすればスコアは出たからね。ハッピーだけど、セミファイナルではもう少し波に乗れたら良かったかな」とコメントを残していました。
ツアーで一番のいぶし銀サーファー、ビード・ダービッジ(AUS)もオーストラリアレッグは本来の実力が発揮出来ずに低迷していましたが、QFではジョシュ・カー(AUS)をコンビネーションスコアに追い込むなど、調子が上がってきました。トータルでもトップ10圏内に入り、昨年は3位に入ったJ-Bayで更に上を目指したいところでしょう。
「波は最悪だったけど、アドリアーノは会場のファンから沢山のエネルギーを注入してもらって闘志を燃やし続けていたね。もし、4ポイントで逆転出来るって把握していたら、違うアプローチをしたと思う。今年最高の3位を手に入れて自信はついた。勝ち方の感覚も取り戻してきたし、この勢いでJ-Bayも頑張るよ」とビード。
全11戦で争われる2011年のASPワールドツアー。次の第4戦は、舞台を南アフリカのJ-Bayに移動して7月14日〜24日に開催される『Billabong Pro』です。
ASPワールドツアー第3戦『Billabong Pro Rio』結果
1位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
2位 タジ・バロウ(AUS)
3位 ジェレミー・フローレス(FRA)、ビード・ダービッジ(AUS)
5位 ボビー・マルティネス(USA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ジョシュ・カー(AUS)、オーウェン・ライト(AUS)
2011年ASPワールドツアー
『Billabong Pro Rio』終了後のランキング
1位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 20,500pt
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 19,200pt
3位 ケリー・スレーター(USA) 16,950pt
4位 タジ・バロウ(AUS) 16,500pt
5位 ジョーディ・スミス(ZAF) 14,750pt
『Billabong Pro Rio』公式サイト
http://aspwtrio.com.br/(PC用)
photo: ASP Covered Images
⇒「コンテストリポート」一覧へ

