日本沿岸域学会参加
2005-07-21 更新
去る、7月8日金沢工業大学において「日本沿岸域学会2005」なる研究討論会へ参加した。沿岸域管理・沿岸侵食問題・住民合意形成・海岸ゴミ・環境教育・海浜地域づくりなどのテーマセッションだけの参加ではあったが、一言で表すとまさしく「我々サーファーのステージであるサーフポイントにまつわる興味深い発表の場」であった。学者・専門家・コンサルタント・地域活動家の方々の視点での海浜環境の変化は、サーファーが、感じている環境変化と幾分も変わらず、その具体的な問題や研究内容を論文という形で正確に表現しているのである。ひとつひとつのセッションは、個別化され、その調査研究は、細部にあたり論理的に確信をついていたのであった。さらにまとめられた個別の内容の最終地点は、「日本の沿岸は病んでいる」ということが結論づけられていたのだ。漁港防波堤の延長工事による海浜侵食は言うまでも無く、中央部の侵食に対しての「イタチゴッコ的工事」。生態系を大きく変えてしまう防災工事によるテトラポットの投入。漂流物のプラスティックス化は、歯止め無く増え続けるありさまであり、小魚や鳥の胃の中へ蓄積された魔物は、もはや食卓寸前にまで襲いかかる勢いである。
つまり、コンクリート化・プラスティックス大量消費時代が地球上いたるところで行われ産業のトップとして君臨し、「化石燃料奪い合い戦争」の原因まで造っているのではないかと最悪なシナリオまで想像してしまう訳である。
また、内湾・干潟などの閉鎖性水域などの埋め立てによって、植物プランクトンの異常増殖が海底に過剰な有機物を供給し、貧酸素水塊を形成し、富栄養化問題に拍車をかけ、水産業には大きな影響を与えていることは事実なのだ。
SFJ的感覚からすれば、この沿岸域学会研究討論会での公聴を受け、さらに研究調査し、SFJが考案する海浜環境の提案または、SFJ的ブルーツーリズムの提案を論文としてまとめて、発表できるくらいの存在にならなければいけないと確信したのであった。さらなるステップアップのためにもこのような学会へ出向き勉強していきたいものである。
SFJ代表 守山倫明