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「ウエストジャワ 2011春⑥」

2011-06-30 更新
ジャワの地図を広げると、バツカラスから目的地のジョグジャカルタまでは数センチの距離。
ローカルに聞いても4〜5時間と言っていたのに、実際には10時間も掛かった...。
この旅の間、僕は運転手のジャルの隣に座り、カーステレオにiPodを繋げて選曲をして、いつしかみんなから「DJハル」と呼ばれるようになっていた。
英語も日本語も話さないジャルだが、僕の片言のインドネシア語が少し通じるようになっていた。

ジョグジャ(ジョクジャカルタの略)に着いたのは夜中。まだまだ通りには人の姿が見える。街もそこそこ大きい。
お腹が減ったので、屋台で食事を済ませ、僕らは行き当たりばったりでホテルを探すが、どこも閉まっている...。
このまま車中泊か?と思いつつ、最後に受け入れてくれたホテルは30ドルもするのにシャワーは壊れていて壁にはカビだらけ。更に通路の床には天井にあるツバメの巣から落ちた糞が散乱...。

久しぶりにすごい酷い部屋に泊まることになった。
ダニや南京虫にも効くと信じて、体中に虫除けをすり込み深い眠りについた。

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翌朝は運悪く曇り空だったので、遺跡からの御来光は拝めず、ゆっくりとプランパナン寺院(世界遺産)を見学した。
ジャワ島では、現在イスラム教が主宗教だが、その前はヒンドゥ教が広まっていた。
その当時のジャワ人達がバリ島に移住して、バリだけはその後もヒンドゥ教が主宗教になったという。

当たり前だけど、歴史が現在と紐付いるところが非常に興味深い。

ヒンドゥの寺院は、シバ神やガネーシャといった像が祀られ、寺院の形も独特で非常にカッコが良い。
現地のガイドさんの話しを聞きながら、寺院の外壁のレリーフを見ている内に、頭の中は1200年前にタイムスリップしていた...。
太古の人達や神々の声が聞こえてきそうだ。

プランパナンを堪能した後、ジョグジャから1時間ほど車で走ったところにある世界有数の仏教遺跡ボロブドゥール(世界遺産)にも足を運んだ。
少し贅沢に遺跡内にあるホテルにチェックイン。
天気が悪く夕陽が見れなかったので、翌朝は早起きをして遺跡の御来光を臨んだが、あいにくの曇り空...。
ヒンドゥのプランパナンに対し、こちらは仏教遺跡なので、仏陀の像があちらこちらに見られた。
発見されるまでのアンコールワット同様、1千年近くもの間、噴火した火山の灰と密林に埋もれていたミステリアスな遺跡だった。

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二日間、ジョグジャ遺跡を堪能した僕らは、ジョグジャの空港でアグースとジャルに別れを告げた。10日間もの間、沢山の冗談を言い合い、波や遺跡などの感動を分け合った大切な仲間。

通信が発達したとは言え、本当に別れるのは後ろ髪を引かれる...。

お互いの肩を叩きながら、「今度はスマトラに出掛けてみよう」と次なる約束をして、僕と了ちゃんはジャカルタを経由して成田に到着した。
成田から車で東京に向かう途中、アグースにお礼のメールを携帯から送るとすぐにメールが帰ってきた。

「ハルさん、了ちゃんありがとう。とても楽しかった。でも、まだ私はチマジャに着いていないねぇ」と...。
彼らの家路はまだまだ先のようだった。


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★ハルさんからのアドバイス★

■アクセス
バツカラスは、ジャカルタから車で12時間ほど掛かるため、短い滞在期間だと少し辛い。今回の旅は全工程で11日間だったので、一箇所2〜3泊を目安に移動を重ねた。移動手段は運転手付きのレンタカー。車と運転手代+彼らの宿泊や食事などの経費も払ったので、それなりの出費があったが、EUなどの先進国を旅することを考えれば許容範囲内だった。

■サーフボード
波の掘れ具合にもよるが、僕は普段自分の使っているボードサイズしか持っていかない。
今回は5’11のクワッドとスペアの6’0のトライフィンの2本を持参。

■必需品
インドネシアトリップ全般に言えることだが、怪我の時の抗生物質入りクリーム、蚊よけ、日焼け止めは最低限必要。
但し、忘れ物をしても大概の物は現地で買えるので、心配する必要なし。

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