【現地コラム】宮城県・仙台⑥
2011-07-01 更新
東北地方を中心に、各地に大きな爪あとを残した「東日本大震災」。現在も避難生活と懸命な復興活動が続いていますが、現地コラムとして各地の現状などを定期的にお届けします。
宮城県・仙台
第6回 明日から、また
4月7日深夜の最大余震「震度6強」。
自宅は、3月11日以上の散乱状態。
ほとんどの地域で停電の中うちの町内だけ電気が付き、TVから情報を聞けたのが不幸中の幸いでした。
各地の地震状況・津波警報が出た為、またしても家族の安否確認。
割れた物、床にこぼれた物を片付け、家族の無事が確認できて、床についたのは深夜3時。
店の状態が気になってなかなか寝れませんでした。
翌早朝、ほとんど寝てない状態で店へ向かうと、途中の道路はまたもボコボコ。建物が倒壊していたり壁が崩れていたりと、明らかに昨日までの景色と変っていました。
多分、改修工事が追いついていないところの震度6強で、さらに被害が大きくなってしまったんだと思います。
店に着くと、駐車場のブロック塀はさらに崩れ、道路から駐車場が10㎝下がり、駐車場と建物が10㎝下がって、トータル20㎝地盤沈下していました。
ビルは亀裂だらけで、店の入口のコンクリート部分はメチャメチャ。
ドアの鍵が壊れ、窓の鍵も壊れて開いたまま・・・
店内は前回以上にグッチャグッチャで、壁は亀裂だらけ。柱が天井に突き刺さっていました。
せっかく片付けたのに・・・。
停電の為、店は真っ暗。停電になると水道も止まるので、急いで給水。
少しずつ前進していた気がしていた自分と現実とのギャップで空しくなり、掃除する気力がなくなってしまい、入口付近の明るいところだけ片付けて、この日は家に戻りました。
また震災直後の生活になるんだろうか。
物不足の不安から、食糧調達・ガソリン調達に走りました。
慣れてきたボランティア活動にも行けず、日々、家と店を片付ける毎日。
サーフィンしたいな~。
気付けば、震災から1ヶ月半以上経っていました。
思い切って日本海の友人へ電話してみると・・・
波があるから、是非来てください!との事。
嬉しくてお店のクラブ員を誘って日本海へ向かいました。
久々の海・久々の再会で嬉しいのと同時に、津波の事が気になってしまう自分。
津波がきた時の避難方法を聞いてから着替えて海に入りました。
4月の日本海はとても冷たかったけど、久々のパドリングは本当に気持ち良かったです。
手こずりながらのサーフィンだったけど、とっても楽しくて!
一瞬だけ震災の事を忘れて、楽しい一時を過ごす事ができました。
ありがとう!
そして、また来ようね!と話しながら運転していた帰り道、宮城県に入った途端、車にあるオービスの警告が鳴らなくなりました。
被災地へ戻って来たんだな~と改めて思い知らされたこの瞬間、現実に引き戻され、気持ちが沈んできたけど・・・
悩んでいた事、落ち込んでいた事に対して、今やらなきゃいけない事、微力ながら自分に出来る事がなんとなく見えてきて
明日から頑張ろう!
きっと頑張れる!
そんな気持ちになってきました。
...続く
--------------------宮城県仙台市若林区
Japss surf shop
熊谷素子
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