旅の醍醐味は移動にあり!?
2011-08-01 更新
前回ウエストジャワの旅のコラムを書いていてふと思った。最近は交通事情が便利になって、どこに行くのも時間が短縮された。
先日テレビを見ていたら、2時間ちょっとでフランスに行ける時代が近い将来に来るとか。。。
これは100年前なら、船で1ヶ月以上も掛かった道のりだそうだ。
サーフトリップも、バリやハワイなどは身近になり、日本を出発してから10時間も経たないうちにサーフィンができる。
僕が子供の頃に比べても、かなりのところに短期間で旅ができる様になった。
しかし、旅はその道中が良い思い出になったりする事が良く有る。
ハプニングや、わざわざ遠回りをするような行動で、思いがけない運を手にしたことも有る。
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10年前に行ったニアス島は、スマトラのメダンから乗り合いバスに乗って7時間、シボルガという波止場から一晩フェリーに乗り、更にラグンダリーベイまで乗り合いのバスで4時間、やっとの思いで、辿り着いたマシンブレイクだった事を思い出す。
こんなところまでサーファーがやってくるのか?と思うほどの遠さだったが、目的地に辿り着いたときの感動と、その道中は今でもハッキリと覚えている。
小さなバスのルーフにサーフボードを、交渉して積んでもらった後、すし詰め状態の乗り合いバスの中で、隣に座っていた少年がいきなりゲロを吐いたこと(泣)。。。
フェリーの中で、やたら視線を感じるので顔を上げると、こちらをガン見していたオバチャンと目が合い、ニタッと微笑んでくれたものの、その薄気味の悪さ。。。
また、ニアスからの帰りのバスの中で知り合ったドイツ人、フランス人サーファーと仲良くなって、メダンの街で夜通し遊んだこと。
中米コスタリカに最初に旅したときも、LA→デンバー→サンホセと飛行機を乗り継ぎ、空港でレンタカーを借りて海の方角だけを聞き、ひたすら車を走らせ辿り着いた、ポイントの名前も未だに分からない最高のビーチブレイク。
国内のサーフトリップでも一番の思い出は、高速を使わない日本半周の旅。
車に寝泊りしながら一日2.000円予算の九州への旅は、沢山の仲間と知り合え、日本とは思えない波に何度も巡り合った。
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お金を出せばその分、時間が短縮でき、なんのトラブルもなく予定通りに目的地に着くのは当たり前。
でも、僕は、その真逆があっても良いと思っている。
レールの上を走らない旅は、未知のサーフブレイクを発見するときもある。
今思えばかなり無謀だったが、スリランカに初めて行ったときに、ホテル周辺の海岸線をレンタカーでくまなくチェックした。
その頃ほとんど知られていなかったと思われるメリッサを見つけてサーフしたり、マータラ近辺にも未だにサーフされていないポイントを沢山見付けた。
たった8日間の旅だが、少し違ったアレンジをしただけで、もの凄く内容の濃いものとなった。
更に、レンタカーを借りている変った日本人ということが、マンボーとの出会いになり、スリランカにショップを出すまでに至った訳だから。
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僕は特に英語が得意だった訳でもないし、サーフィンも普通レベルの極平均的なサーファーだと思う。
ただ少しだけ旅が好きだっただけだろう。。。
しかし、今の僕の様に生活に追われる人から見れば最大の贅沢は、お金を使う事では無く、時間を使う事かも知れない。
また、台風時のサーフィン同様に、自己責任の下とは言え、何かトラブルを起こしてしまえば、そうも行かない現実と、社会からの批判も有る。。。
更に、ただ単に良い波でサーフィンしたいだけの人には、旅はその目的のための手段に過ぎず、安全に/確実に/早く目的地に到着してサーフィンできればOKと言うのが多数派かも?
人それぞれ価値観が違い、色々な考え方が存在する。
だから僕の価値観を皆さんに押し付けるつもりは当然ありません。
ただ、僕のような楽しみ方を皆さんの選択肢の一つとして、頭の片隅にでも置いて欲しかった/知って欲しかっただけです。
各々の価値観とタイミングで想像してみて頂ければ幸いかと。。。
ただし、実行に移す時は、くれぐれも慎重に。
そんなこんなで、サーファーにとって嬉しい夏が始まっています。
最後に、
みなさんにとって思い出になる夏休みとなります様に(祈)。