「アルガンベイ2011年夏②」
2011-08-27 更新
目を覚まし、腕時計に目をやると、すでに8時になっていた。バルコニーに出ると、涼しい海風が気持ち良い。
沖に目をやると、頭サイズの波がブレイクしているのが見える。
8月のヒッカドゥワはオフシーズンのため、絶えずサイドからの風が吹いている。
波のササクレがキラッと太陽に反射してとても綺麗だ...。
今日は少し風が緩い。その気になればサーフィンは出来そうな感じだ。
完全に目が覚めたところで階段を降りて1Fに行くとローカル達が集まっていた。
「ハルさん、久しぶり!」と次々に声を掛けてくれる。
30分もすると5人、6人と人数が増え、その内、誰かがビールやウィスキーを持ってきて朝から宴会が始まった。
”波乗りをしよう”などという考えはすっかりどこかに消えて、みんなでグラスを鳴らし合っていた...。
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ここヒッカドゥワには、奥さんが日本人のローカルが何人もいる、その内の4組は日本で生活していたが、今は奥さんを連れて故郷に戻り、レストランやゲストハウスを経営している。
僕が出会った頃、少年だった彼らも今では家族を持ち、すっかり大人になっている。
宴会は夕方までずっと続いた。
マンボを始め、懐かしいメンバーが揃い、ヒッカドゥワで彼らと過ごし、毎日目の前のポイントで波乗りを楽しんだあの頃へ僕の頭の中はタイムスリップしていった...。
夜中の12時、酔っぱらった僕がしつこく誘った甲斐あって、ローカル数人がアルガンベイに一緒に行くことになった。
南西部のヒッカドゥワの反対側にあるアルガンベイはこの時期ドライシーズン。朝夕は無風で波が良い。
酔いが覚めないまま出発すると、15分ほどで意識が遠のいた。次に意識が戻った時には既に朝を迎えていた。
ポートビルの町を過ぎ、大きな橋に差し掛かると遠くの方でスープになった波のラインが規則正しく重なっているのが見えた。
アルガンベイのメインポイントの波に僕の胸は躍った...。
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ゲストハウスに到着すると、仲間のサナが出迎えてくれた。彼は日本にも数回遊びに来ていて、千葉の海で僕と良く一緒に行動を共にするローカル一番の波乗り好きだ。
朝食を済ませると、すぐにメインポイントに行こうと誘ってきた。今回は航空会社のサーフボードチャージが片道2万円と言われたので、ボードを持たずに来た。
サナにボードを借りてトランクスに着替えると、早速ポイントに向かった。
ゲストハウスから3分ほど歩くと、頭サイズの波が延々とブレイクし続けている。
海には30人ほどのサーファーがいる。初日ということもあって様子見にピークは避け、少し後方のポジションで波を待った。
ピークでは波の取り合いが激戦化しているが、しばらく待つと、僕の所に波が回ってきた。
ウネリが僕の体を持ち上げると、スローモーションのようにボードが進み始めた。一回一回ターンする度にショルダーが出来てくる。ボードは更に加速を続けセクションを超えていく。100m位走った所で波は消え、ライディングが終わる...。
この波に乗るために世界中からサーファー達がやってくる。
緩みっぱなしの顔で再び元の位置に戻り、新しい波に乗る。ピークで波を乗りまくっているサナはストール&チューブや一本の波で360°を5回するなど、まるでサーカス団のような波乗りをしていた...。
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今回のOne Earthはここまで!
次回の展開をお楽しみに!