『Quiksilver Pro NewYork』3日目は激しい空中戦！

ASP史上最高の賞金総額100万ドル、優勝賞金30万ドルがかかったワールドツアー第6戦『Quiksilver Pro NewYork』は3日目に突入！
会場のニューヨーク・ロングビーチはハリケーン・カティアの接近によってサイズアップ傾向の公式3-5ftレンジ(後半は更にアップ！)と十分なウネリがありましたが、まとまり無いトリッキーなコンディション。
ランプセクションを探してのエアリアルにハイスコアが出やすい展開となっていました。

R4のH2、ケリー・スレーター(USA)、ジョシュ・カー(AUS・写真上下)、ジャドソン・アンドレ(BRA)の’エアリアルトリオ’と呼んでも過言ではないほどバリエーション豊かな技を持つ匠達の対決は、この日のハイライトと言える素晴らしいショーでした。
序盤はケリーがアーリーウープをメイクして9.37。6.50のバックアップスコアで他の二人をコンビネーションに追い込みます。しかし、後半にジョシュが更に高度なバックサイド・ヴァーリアルで9.57を返すと続けてケリーを上回る高さのアーリーウープを綺麗に決めて9.70！
トータル19.27のハイエストヒートスコアを叩き出してQF行きを決定。
「自分でも信じられない！ヴァーリアルをやるつもりは無かったんだけど、あの後はそろそろオレの番だぜ！みたいな気持ちで、もう一本ガツンと飛んでみたのさ。更に良いスコアが出るなんて予想も出来なかった。ニューヨークのファンは本当にクールだし、ここで応援してもらえるなんて最高だね。ケリーに初めて勝ったヒートなんだ。かなり自信になったし、ストークしているよ」と激しい空中戦を制した感想を話していたジョシュ。

ジョシュは着地こそメイク出来なかったものの、他にも思わず声が出てしまうような難易度が高いエアーを連発し、ギャラリーの注目を独り占め。
QFではR5の敗者復活戦を勝ち上がってきたケリーと再対戦します。



この日、ジョシュを更に上回る今イベントのハイエストスコア9.80の保持者となったオーウェン・ライト(AUS)は、R3でC.J・ホブグッドを下し、R4ではジョエル・パーキンソン(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)を完璧に抑えてQFへ。
R3終了後のインタビューでは、「ここで結果を残さなければいけないC.Jとの勝負はハードになると予想していたさ。良いヒートを勝ち上がれて興奮している。オレ自身が波に恵まれたのに対して、C.Jが上手くリズムを掴めなかったことが勝因かな。楽しく、本当に良い時間が過ごせたよ」とコメント。

オーウェンもジョシュと同じくエアリアルを得意とする選手の一人。R3で9.80をメイクしたバックサイド・エアーリバースは対戦相手のC.Jの戦意さえも喪失させてしまう圧倒的な迫力でした。

今シーズンは第2戦の9位が最高位で、あとはR3止まりのC.Jはカットオフが決定。
2001年のワールドチャンピオンは10年後のニューヨーク、9.11の直前という人生の因果さえも感じるタイミングで初めてツアーから脱落という屈辱を味わうことに．．．。

「2001年のワールドチャンピオンを引退後に引きずるよりも、一人のキリスト信者として皆を愛し、楽しい時間を過ごしたと奴と思われたいね。皆が楽しいなら、オレの悲しみの日にはならないよ。波が上がって、あのヒートではオーウェンが爆発した。全てのことには理由がある。オレはこの素晴らしい一日を楽しんでいるよ。ここにいるだけで凄いことなんだ」と負けたヒート後でもインタビューに答える寛大さを見せたC.J。
双子のダミアンと共に一時代を築いたホブグッド兄弟。二人揃ってツアーで活躍する姿はもう見れないのかも知れません。
C.Jのヒート中にマイクを向けられたダミアンの横顔もどこか寂しさを感じるものでした。



ASPワールドツアー第6戦『Quiksilver Pro NewYork』はいよいよラストコールを待つばかり。
タジ・バロウ(AUS)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、ケリー・スレーター(USA)、ジョシュ・カー(AUS)、アレホ・ムニーツ(BRA)、ヘイター・アルヴェス(BRA)、オーウェン・ライト(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)の8人から勝者が選ばれます。

現地時間9月9日の朝6時30分(日本時間の同日夜7時30分)にコンディションの確認が行なわれ、30分後にスタートする予定です。
なお、公式サイトではASPジェネラルマネージャーの近江俊哉＆ニック・ミタによる日本語でのライブ中継が行なわれます。

『Quiksilver Pro NewYork』公式サイト
http://www.quiksilverpro.com/(PC用)

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photo: ASP Covered Images

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