『Quiksilver Pro NewYork』 オーウェンvsケリー再対決の結果は?
2011-09-10 更新

現地時間9月9日、ASPワールドツアー第6戦『Quiksilver Pro NewYork』が終了。
ハリケーン・カティアからのスウェルで公式3-5ftレンジの十分なサイズ。
前日までの不安定な風に変わって朝からオフショアでクリーンなフェイスとなった会場のロングビーチは、ファイナルデイにふさわしいグッドコンディションに恵まれていました。
ファイナルはSFで今イベント唯一のパーフェクト10を叩き出したケリー・スレーター(USA)と昨日までのハイエストスコア保持者オーウェン・ライト(AUS・写真上)のカード。
前戦のタヒチと同じ組み合わせとなり、ASP史上最高の優勝賞金30万ドルをかけて勝負!
序盤は一本目で7.00をスコアしたオーウェンが続けて長いレフトを綺麗にメイクして9.23。更に8.00を重ねて主導権を握ります。一方のケリーは中盤にフローターを上手く利用して8.00を返しますが、バックアップスコアが見つけられず、ラスト数分にはサーフボードを真っ二つに折ってしまうハプニングも...。
ラインナップに一人残されたオーウェンはタイムアップを待つばかり。最後はジェットスキーと共にギャラリーで埋め尽くされたビーチに戻り、初優勝の喜びを味わっていました。
表彰台でのインタビューでは、「ケリーとのファイナルはオレの念願。先週のタヒチも最高の気分だった。すでにケリーはリベンジの準備を開始していると思うよ(この時、ケリーはシャンペンシャワーをオーウェンにかける仕草をしていた)。ロングビーチの皆に感謝したい。なんて素晴らしい場所なんだ。見てよあの波!クイックシルバーにも感謝している。最高のおもてなしと30万ドルをありがとう!コーチにもお礼を言いたい。ここまで色々なことがあったけど、一緒に優勝を目指して頑張ってきたね。ホームにいる友人、家族の皆。メッセージを受け取ったよ。最後に父。ここにいて欲しかったけど、また今度だね。あなたのサポートには本当に感謝しているよ」とコメント。

ワイルドカード時代からケリーキラーと呼ばれていたオーウェン。2010年にルーキーとしてデビューした後はその名称も影を潜め、タヒチではファイナルでケリーと対戦しながらも僅差で敗退。
しかし、すぐに訪れた次のチャンスを逃さずに掴んだのは、大物の証拠と言えるでしょう。
タイトル争いでも5位から一気に2位にアップし、シーズン2年目にしてワールドチャンピオンの可能性が見えてきました。
ちなみに今シーズン優勝した選手を上げるとケリー、ジョエル・パーキンソン(AUS)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)など、全てナチュラルフッター。
オーウェンはグーフィーフッターとして初めて今シーズンのタイトルを獲得したことになります。
タヒチでのバレルセッション、ニューヨークでのエアリアルセッションと僅か2週間の間に全く違う波質で行なわれた2イベントで39歳とはとても思えないような驚くべきライディングを披露してきたケリー。
ライバルが早々と姿を消す中でも粛々とラウンドアップを重ね、出身地フロリダから近いニューヨークの人々を魅了。久々に家族の前で活躍を見せていました。
「大きなスウェルにオフショア。先週無かったものが、一気にやってきた感じだね。オーウェンの初優勝にはオレ自身もストークしているんだ。おめでとう!イーストコースト開催も本当に嬉しい。明日は最も勇敢な消防士と警察官とで一緒にサーフィンしようと思う。かつてない程の素晴らしいケアをしてくれたクイックシルバーの皆には本当に感謝しているよ」とケリー。

SFでスコアしたパーフェクト10に関しては、「最初は明らかにタジの勝ち(序盤はタジが9.3、ケリーが9.07をスコアしてヒートが進行)だった。波は良かったし、その中でもベストなレフトの波を狙っていたよ。タジが優先権を持っていたけど、あまり関係は無かった。もう、あの時点で運を天に任せていたからね。ボードを掴むことも考えず、回転を加えたんだ。結局、上手くやってのけた。前半のヒートを考えると9ポイント台は確実にもらったと思ったさ。あの瞬間は興奮した。まだ着地した時の感覚が残っているよ」とコメント。
ケリーが10ポイントを出した波はライトで、フロントサイド・ノーグラブ・アーリーウープの1アクションオンリー。
今イベントは難易度の高いエアリアルなら僅か1アクションでハイスコアが出るジャッジでしたが、対戦相手のタジはもちろん、本人でも10ポイントが出るとは思っても見なかったでしょう。
優先権を持っていながらケリーに波を譲ったタジは、「あの波は8ポイントも出ないと思ったから行かせたんだ。それがケリーの人生で最高のエアー。あれを決められたら、お手上げだよ」と苦笑いしていました。
これでワールドツアーは前半戦が終了。ASPからワールドランキング上位選手との入れ替えが発表され、後半戦のファーストイベント、『Hurley Pro』に突入!
次の舞台はカリフォルニアのトラッセルズ。9月18日〜28日に開催されます。
ASPワールドツアー第6戦
『Quiksilver Pro NewYork』結果
1位 オーウェン・ライト(AUS)
2位 ケリー・スレーター(USA)
3位 タジ・バロウ(AUS)、アレホ・ムニーツ(BRA)
5位 ジャドソン・アンドレ(BRA)、ジョシュ・カー(AUS)、ヘイター・アルヴェス(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
2011年ASPワールドツアー
『Quiksilver Pro NewYork』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 34,950pt
2位 オーウェン・ライト(AUS) 31,900pt
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 30,200pt
4位 ジョーディ・スミス(ZAF) 27,000pt
5位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 26,750pt
『Quiksilver Pro NewYork』公式サイト
http://www.quiksilverpro.com/(PC用)
『F+ SURF』では、独自のコンテストレポートや、日本語字幕付きASPオフィシャル動画が見れます。
(BCMスマフォ会員は無料)
photo: ASP Covered Images
⇒「コンテストリポート」一覧へ

