ケリー&オーウェン 3戦連続ファイナルで対決!
2011-09-22 更新

後半戦のファーストイベントとなるASPワールドツアー第7戦『Hurley Pro』が現地時間9月22日に終了。
期間中はコンスタントに南〜南西のグランドスウェルが続き、玉石の上で規則的にブレイクするローワー・トラッセルズは世界のトップサーファーを決める最高のショーケースに!
ファイナルは過去4回もトラッセルズのタイトルを獲得しているケリー・スレーター(USA)と昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得してシーズン2年目は飛ぶ鳥を落とす勢いのオーウェン・ライト(AUS)のカード。
第5戦のタヒチから3戦連続で対戦している両者の成績は一勝一敗のイーブン。
ワイルドカード時代からケリーキラーとして知られていたオーウェンにとっては、更に名を上げる絶好のチャンス。
一方、ケリーにとっては記録という記録は全て塗り替えてきたプライドもあり、運命の対決とも言える3本勝負のラストは優勝で締めくくりたいところ。
ファイナル序盤の主導権を握っていたのはオーウェン。一本目で6.50をスコアした後、ケリーに7.67を返されるものの、すぐに7.37を重ねてリードし、ラインナップではケリーをピッタリとマーク。
中盤はケリーが6.00のバックアップスコアを手に入れてオーウェンとの差を縮め、後半には8.50を叩き出して逆転。
今イベントのクライマックスはこの後で、終了間際にライトのセットをキャッチしたオーウェンが8.87を返してリードを奪い返しましたが、その直後に入った波にケリーがテイクオフ。8.25が必要なシチュエーションの中、ローワー・トラッセルズに太いラインを刻み続け、そのままビーチへ。沢山の仲間が見守る場所でコールされたスコアは9.00!
ケリーは両手を高々と上げて(写真下)優勝の喜びを表現していました。

「オーウェンはタフだし、素晴らしいサーフィンをするね。彼には短所が無く、全ての場所で際立ったサーフィンをする。今週は沢山の奴が彼にやられていたけど、最後はラッキーにも逆転出来た」とケリー。
後半の逆転劇については、「最初のセットは彼に優先権がある中で手に入れた。次にオレが優先権を得た後は辛抱強く波を待ったんだ。最後の最後。まさかオーウェンが乗った後に波が入るとは思わなかったよ。ローワーズでのオーウェンとの対決は楽しかったね。素晴らしいサポートのおかげで最高の一週間になった。本当に面白かったよ」と話していました。
カレントリーダーのケリーは、2位のオーウェンとのポイント差を広げ、11回目のワールドタイトルが更に現実的になってきました。7戦目を終了した時点で3回の優勝と2位が1回。今シーズン優勝経験があるオーウェン、ジョエル・パーキンソン(AUS)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)が残り4戦で2回以上の優勝とケリーを上回る成績を出せなければ逆転は難しい計算です。

3戦連続でケリーとファイナルで対決。それも全てがクロスゲームというのは21歳のオーウェンにとって素晴らしい結果と言えるでしょう。表彰台での振る舞い方(写真上)も大分慣れてきて風格さえ漂っていました。
ファイナル終了後のインタビューでは、「このライバル関係を楽しんでいるんだ。3回ものファイナル全てが素晴らしかった。今日は最後にセットが入ってくれて嬉しかったね。結果、負けちゃったけど、あの逆転劇にはエキサイトしたよ」とコメント。
昨年はヨーロッパレッグ、ハワイ共にまずまずの成績を残しているため、表彰台でオーウェンの姿を見る機会はまだまだあるかも知れません。
今イベントのハイエストスコア9.80の保持者、ジュリアン・ウィルソン(AUS・写真下)はR5でエイドリアン・バッカン(AUS)、QFではジョエルを倒してSFへ。
QF終了後には、「昨日のヒートで火が付いたんだ。ジョエル(パーキンソン)に限ったことでは無いけど、実力を示せたのは嬉しいね。オレにとってジョエルやミックと対戦することは昔からの夢だったのさ。昨日は二人と対戦して自信が付いて今日の勝負に挑めたよ」と話していたジュリアンでしたが、オーウェンとのSF序盤でインターフェアを犯してしまい、残念ながら敗退。
ルーキーで3位は立派な成績と言えるものの、海から上がったジュリアンはサーフボードで自分の姿を隠すようにして退散していたのが印象的でした。

ガブリエル・メディナ(BRA)、ミゲル・プーポ(BRA)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)などの若いブラジリアンが注目された今イベント。そんな中、すでにベテランの部類に入る29歳のヘイター・アルヴェス(BRA)は着実にラウンドアップを重ねてキャリア初の3位に入賞。
「オレの人生を支えてくれている神に感謝する。オレにとって良い成績さ。アドリアーノは素晴らしいサーファー。彼のリップ、サーフィンは凄いよ。最高のイベントだったし、とても楽しい波だった」とコメントを残していました。
後半戦のファーストイベントが終了してツアーはヨーロッパレッグに入ります。
次の第8戦はフランス南西部に舞台を移し、『Quiksilver Pro France』が10月4日〜13日に開催されます。
ASPワールドツアー第7戦
『Hurley Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 オーウェン・ライト(AUS)
3位 ヘイター・アルヴェス(BRA)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
5位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョシュ・カー(AUS)、ミック・ファニング(AUS)、ジョエル・パーキンソン(AUS)
2011年ASPワールドツアー
『Hurley Pro』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 44,950pt
2位 オーウェン・ライト(AUS) 39,900pt
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 35,400pt
4位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 31,950pt
5位 ジョシュ・カー(AUS) 30,800pt
『Hurley Pro』公式サイト
http://www.hurley.com/hurleypro/(PC用)
『F+ SURF』では、独自のコンテストレポートや、日本語字幕付きASPオフィシャル動画が見れます。
(BCMスマフォ会員は無料)
photo: ASP Covered Images
⇒「コンテストリポート」一覧へ

