【現地コラム】宮城県・本吉④
2011-09-22 更新
東北地方を中心に、各地に大きな爪あとを残した「東日本大震災」。現在も避難生活と懸命な復興活動が続いていますが、現地コラムとして各地の現状などを定期的にお届けします。
宮城県・本吉
第4回 サーフィン自粛解除から先
震災の日より、約4ヶ月。
サーファー達による海底(海中)捜査は約3週間、のべ50人が参加。
波乗りはしないで、レポートを積み重ねていきました。
水中カメラで撮影した海中にはウニやあわび、ネウ(アイナメ)も泳いでいて瓦礫は一つもなく、危険なのは震災後にインサイドへ転がってきた(?)テトラ。
毎回のように警察、地元漁協、海上保安庁へ入水の連絡、海中捜査にサーファーが協力ということを連絡してきました。
また、海上保安庁との話し合いの後、サーファー向けに「海の安全教室」を開いてもらい、各自の危機管理や避難経路の意識共有。
その後に支所へ要望書を提出し、当地方のサーフィンは自粛解除となりました。
ただし地域振興会からの要請で海中捜査は継続。調査レポートも継続し、のべ200人が自書。
駐車場は津波浸水区域でないところに策定。避難経路は自ら看板を掲げました。
そうして、来る10月2日(日)。
復興イベントの開催と合わせて、「気仙沼市長杯 本吉サーフィンコンテスト」の開催が決定しました。
今年で27回目となる本コンテストは毎年小泉ポイントで行われていましたが、その小泉ポイントは津波で壊滅。
しかし震災後の4月頃、本コンテスト継続の話は本吉総合支所産業課へ打診はしていました。
6月に気仙沼市長とお会いしたときも「市長杯継続」ということも報告していました。
ただし場所は登米沢海岸、まだサーフィンは自粛していた時です。
見通しはつかず、市からの返答を待つ間、当地方では誰一人としてサーフィンはしませんでした。
瓦礫撤去、ビーチクリーン、百か日の献花黙祷、海中捜査に協力。
自粛解除の要望はコンテストのためでもありました。
気仙沼地方では3つの海水浴場が壊滅。観光関連は大打撃です。波があればサーファーが来ると今までの経緯をみれば観光協会などは理解してくれています。
ただし多くの方々が犠牲になった海ですから、サーファー以前に社会人として、一人の人間として鎮魂・慰霊し、そして今まで以上にモラルの向上などを考えなくてはならないと思います。
地元の方々の多大なるご協力があり、現在は大会の準備を進めています。
地域の復興と活性化も考え、地元とサーファーの交流として成功を願い、今後も多くのサーファーが訪れるきっかけになれば幸いです。
...続く
--------------------宮城県気仙沼市本吉町
かぶとむしsurfshop
鈴木優美
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