『Billabong Azores Island Pro』終了!C.Jカムバックへの第一歩!
2011-10-02 更新

ASPがワンランキングシステムになってから以前よりも更に重要になっているプライムイベント。
今シーズンは11イベント用意され、すでに終了している8戦の大半をTOP34のメンバーが制し、記憶に新しいハンティントンビーチでの『Nike US Open of Surfing』ではケリー・スレーター(USA)が39歳とは思えないアグレッシブなライディングで優勝を飾っていました。
ワールドツアーがヨーロッパレッグに入る直前の9月27日からスタートした『Billabong Azores Island Pro』にもティアゴ・ピレス(PRT)、カイ・オットン(AUS)、ヘイター・アルヴェス(BRA)、ブレット・シンプソン(USA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)などの強豪がエントリー。
現地時間10月1日にファイナルが行なわれ、C.J・ホブグッド(USA・写真上)がネイト・ヨーマンズ(USA)を終了直前に逆転して優勝を決めました!
「ラスト5分は信じられない展開だったね。最初の30分はヨーマンズに波を持っていかれてしまい、オレは3ポイント台止まりだった...。頭を抱えながら、このコンディションは肉体的にも精神的にもテストのようなものだと感じていたんだ。どの波が良いか、悪いかなんて分からなかったよ。それでも諦めずに前を向いてやり続け、気が付いてみるとリードして終了していたのさ」とファイナルを振り返ったC.J。

会場となったポルトガル・アゾレス島の「Sao Miguel」は公式3-4ftレンジとサイズは十分だったものの、強いオンショアの影響でプライムイベントのファイナルに相応しい波とは言えませんでした。
ファイナルをリードしたのはネイト。スコアを伸ばせないC.Jを尻目に前半に6.00。中盤に7.00を重ねて勝利への地盤を固めていきますが、ラスト5分からC.Jが猛チャージ!トリッキーなエアーを組み入れたライディングで9.03を返して一気にネイトとの差を縮めます。ラスト2分、次の波でネイトは8.33をスコアして再び差を広げるものの、C.Jは最後の波で完全にフィンを抜き切ったパワフルなスナップを披露して8.50。この一本で逆転に成功し、タイムアウト!
1999年から12年間続いていたワールドツアーのキャリアを今シーズンの後半戦前に行なわれたカットオフで失ってしまったC.Jですが、プライムイベントに参加しているということは、まだカムバックの意思があるということ。
その件については、「カムバックを追い求める場合。上手く成功出来れば良いけど、無理して追い続けるのは必ずしも良いとは思わないんだ。深い穴にハマってしまうこともあるからね。それでもオレ自身はカムバックを狙ってサーフィンを続けると思うよ(笑)」とコメント。
32歳のC.Jにとって、ここ数年で急速に変化しているエアリアルに対してハイスコアが出やすいジャッジングシステムは重荷と言えますが、逆に考えるとこの部分だけをクリアに出来ればタヒチ、ハワイなどのビッグウェーブを得意とするC.Jには全く弱点が無くなることになります。
コロヘ・アンディーノ(USA)とのQFでチャレンジしていた回転系のエアー(写真上)はスピード・高さ共にクオリティは高く、成功率さえ上がればC.Jの大きな武器になりそうです。

最後はC.Jの大逆転劇の引き立て役になってしまったネイト(写真上)でしたが、久々の表彰台では笑顔が絶えませんでした。
ファイナル終了後のインタビューでは、「最悪な展開だった。まさかあんなことになるなんて...。残り2分の時点でかなり厳しかったのさ。後から考えるとオレが乗ってしまえば良かったんだよね。彼はあの状況で最大限のことをしていたよ。最後に乗らせてしまった波で彼がエアーをするのを見ていたし、観客が大騒ぎしているのも聞こえた。それでも2位になれたし、長い間上がっていなかった表彰台にはストークしているよ」と話していました。
5200ポイントを手に入れたネイトはワールドランキング54位まで上昇し、次は2009年に優勝経験があるカリフォルニア・サンタクルーズのスティーマーレーンでのプライム『O’Neill Coldwater Classic』に挑みます。
なお、今イベントにエントリーしていた4人の日本人の結果は、辻裕次郎、田嶋鉄兵、大澤伸幸がファーストラウンドのround of 96で敗退。
round of 96を2位で通過した大野修聖も次のround of 48でパトリック・グダスカス(USA)などに抑えられてしまい、良い結果は残せませんでした。
『Billabong Azores Island Pro』結果
1位 C.J・ホブグッド(USA)
2位 ネイト・ヨーマンズ(USA)
3位 ジェイ・クイン(NZL)、ティアゴ・カマラオ(BRA)
『Billabong Azores Island Pro』公式サイト
http://www.aspeurope.com/events2011/azores/index.php(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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