ASPワールドツアー第8戦『Quiksilver Pro France』スタート!
2011-10-06 更新

2011年のASPワールドツアーはいよいよ後半戦。キング・ケリー・スレーター(USA)がカレントリーダーの座を守り、11回目のワールドタイトルの可能性を濃厚にしてヨーロッパレッグのファーストイベント『Quiksilver Pro France』が現地時間10月5日にスタートしました。
会場のフランス南西部・ホセゴーの「LA GRAVIERE」は公式3-5ftの十分なサイズ。独特の不安定な波質に振り回されたヒートが目立った中、H3のミック・ファニング(AUS・写真上)、ブレット・シンプソン(USA)、ティアゴ・ピレス(PRT)のカードは最もハイレベルな戦いに!
このクロスゲームを制したのは、序盤に8.83。終了間際に9.37をスコアしたミック。
「ヒートの最後は凄い興奮したよ。ブレットは素晴らしかったね。彼は始めに8ポイントと7ポイントを出してリードを握っていたし、絶好調な感じがした。彼が刺激を与えてくれたおかげで最後は思いっきり攻めることが出来たんだ。あの波(最後の9.37をスコアしたバレル)は、ダブルアップしてきたから、テイクオフした瞬間に猛スピードで突っ走った。最高のラインを得て、メイク出来た時はストークしたよ」とヒートを振り返ったミック。
ミックが乗った最後の波。テイクオフ直後からライトのバレルに包まれ、ロケットのようなスピードで駆け抜けるとクローズアウトする前に姿を現し、ミックにしては珍しく腕を天に向けておどけたパフォーマンスを披露。
今シーズンはイベント毎に色々なボードをテストしているミックですが、この日乗っていたボードは「LA GRAVIERE」の波にフィットしていたようです。
「フランスでは波に合わせて自分を変えないとダメなんだ。とてもコンディションが変わりやすく、様々な表情を持っているからね。今はサイモン・アンダーソンが削ってくれた最高のボードを手にして良い感じでサーフィンが出来ているよ。しばらく波は続きそうだし、次のヒートも楽しみさ」と話していました。

過去最高の波となったタヒチでのイベントは、多くの負傷者を出していました。
その中の一人、ジョーディ・スミス(ZAF・写真上)はタヒチの後、NY、CAと2戦欠場をしてやっとこの舞台に帰ってきました。
5.20を含むトータル10.10と決して良い数字ではありませんでしたが、復帰後の最初のヒートを上手く勝ち上がれて一安心。
「復帰出来たのは嬉しいけど、まだ75パーセントの回復。ボードに腹這いになる姿勢や、パドルしている時は痛みがあるんだ。でも、早く海に戻りたくてね。この場所にいることを何より大切にしたい。復帰後の最初のヒートで勝てて嬉しいよ」とジョーディ。
タヒチ戦終了後に2位だったランキングは第7戦を終了した時点で8位までダウン...。
その件については、「怪我で休んでいた辛い時期に世界中の人から励ましてもらったんだ。みんなに大きな感謝をしたいよ。ランキング2位(タヒチ戦終了後)の位置にいながら、2戦も続けて指をくわえて見ていなければいけなかった気持ちは、今までの人生の中で最も辛かった。だからここに戻れたことに興奮しているし、これからも前向きに行きたいね」とコメント。
コンペティション一筋で人生を歩んできたジョーディにとって、怪我よりもタイトルレースから脱落してしまったことの方が辛かったようです。

今イベントにはもう一人復帰した選手が登場。今シーズン、第1戦から7戦までキャンセルしていたデーン・レイノルズ(USA・写真上)が久々に革新的なライディングを披露。
R1は惜しくもオーウェン・ライト(AUS)に抑えられたものの、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)とのR2は8.23を含むトータル14.06で快勝し、R3進出を決めました。
7戦中、3戦で優勝を上げて11回目のワールドタイトルも秒読み段階になってきたケリー。
フレッド・パターチア(HAW)とワイルドカードとのH6は波数が少なく、苦戦を強いられていましたが、なんとか切り抜けてR3へコマを進めました。
「まるで悪夢のようだったよ。あの波だったら、負けても驚きはしないね。ハイタイドに近く、決してコンテスト向けの波ではなかったんだ。フランスでは、こういう厳しいヒートも覚悟しなければいけない。良い時もあれば、悪い時もあるのさ」と苦笑いしながらインタビューに答えていたケリー。

ケリーからタイトルを奪い取れる可能性があるのは、今のところオーウェン・ライト(AUS)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)の4人。
但し、残り4戦で2回以上の優勝とケリーを上回る成績が必要とかなりタフな条件付きです。
ネクストコールは現地時間10月6日の午前8時(日本時間の同日午後3時)で、コンディションが良ければR2のヒート4、ジョシュ・カー(AUS) vs ティアゴ・ピレス(PRT)のカードから再開します。
ちなみに今年のフランス戦は10周年記念。アメリカやオーストラリア、ブラジルなどとは違う独特の形でサーフィンカルチャーが定着しているフランス。ビーチで観戦しているガールズ指数は高く、若い選手達はヒートに集中するのが大変だとか!?

『Quiksilver Pro France』公式サイト
http://quiksilverlive.com/profrance2011/(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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