CWCは19歳のブラジリアンが制した!
2011-10-31 更新

サンフランシスコでのASPワールドツアー第10戦が控えていることもあり、通常のプライムよりも更に強豪揃いだった『O’Neill Coldwater Classic Santa Cruz』、通称「CWC」の最終戦が現地時間10月30日に終了。
舞台となったサンタクルーズはメイン会場となったスティーマーレーンを始め、リーフブレイクを中心に豊富なブレイクが点在。海面に浮かぶケルプ(海草)と豊かな自然、暖かい国から来た選手にとっては冷たい海水温も大きな特徴と言えるでしょう。
イベント期間中は前半に入ったウネリがダウン傾向となり、後半はスティーマーレーンからバックアップ会場のワッデル・クリークに移動してヒートが進行。
ファイナルデイもワッデル・クリークで行なわれ、QFではジョシュ・カー(AUS) vs ジョーディ・スミス(ZAF)という好カードも!
その他にも多くの素晴らしい対戦があり、ファイナリストにはワールドツアーのメンバー、ティアゴ・ピレス(PRT)とミゲル・プーボ(BRA)が選ばれました。
ファイナルは1本目で5.67をスコアしたミゲルがリード。続けて’ローテーション’と呼ばれる回転系のエアーを披露して僅か1マニューバーで8.50を叩き出し、早くもティアゴをコンビネーションスコアに追い込みます。
完全に自分のペースに持っていくことに成功したミゲルは水を得た魚の如く、中盤〜後半にかけてフリーサーフィンのようなリスキーなライディングを繰り返し、高さのあるエアーとローテーションを組み合わせ、9.33に9.60を重ね、トータル18.93でティアゴをねじ伏せて今シーズン2回目のプライムイベントでの優勝を飾りました。

「最高の気分だね!今日の波は凄いやりやすかった。ベストなサーフィンをするように心掛け、勝つことが出来たのさ。いつもここ(ワッデル・クリーク)と同じようなビーチブレイクでサーフィンしてきたオレにはラッキーだったと言えるよね。もし、レーン(スティーマーレーン)でやっていたら、違う結果になったかも知れないよ」とミゲル。
QFではサンタクルーズ・ローカルのナット・ヤングを相手に9.57を2本揃えてトータル9.14。先輩ブラジリアン、ウィリアン・カルドソとのSFでも勢いは止まらず、8.50を含むトータル15.33でファイナル進出を決めたミゲル。
ニュージーランド、スコットランド。そして、北米のサンタクルーズと3戦行なわれた「CWC」のシリーズチャンピオンの座も手に入れ、6500ポイントと共に90,000USドルのビッグマネーも獲得。
「このポイントはオレにとって大きな助けとなるし、残りのシーズンに向けて凄い重要な結果になると思うよ」とコメント。
19歳のミゲルは2011年のワールドツアー後半戦からルーキーとしてデビュー。すでに消化した3戦の結果は今一つ。同じブラジリアンの若手、ガブリエル・メディナ(BRA)の影に隠れていますが、今回のプライムで見せたバリエーション豊かなエアリアルを上手く利用出来れば、ツアーでの結果に結び付く日も遠い話では無さそうです。

2006年の6スター以来の優勝をあと一歩のところで逃したティアゴでしたが、今シーズンはワールドツアーでの成績が今一つのため、プライムでの2位は大きな結果と言えるでしょう。
ファイナル終了後のインタビューでも、「このコンディションでファイナルまで進めるとは思っていなかったから、とても嬉しいね。ミゲルのショーには脱帽だったよ。こんな波で彼に適う選手は、世界中を探しても中々いないと思う。2位という結果はワールドランキングの助けになるし、本当にハッピーさ」と話していました。
タヒチ戦で肋骨を負傷し、2戦連続で欠場を余儀なくされたジョーディ・スミス(ZAF)は復帰後初コンテストとなったフランス戦で3位に入り、ファン達を安心させていました。
残念ながらタイトルレースからは外れたものの、残りのイベントでは大柄な身体を活かしたパワフルなライディングを披露してくれることでしょう。
今イベントではワッデル・クリークのトリッキーなコンディションに手こずりながらも3位でフィニッシュ。
「自分のスポンサーのイベントだし、優勝を狙っていたよ。負けて悔しいね。今日の波は小さ過ぎて難しかったけど、それを言っても仕方無いさ」とジョーディ。
怪我の経過については、「完全に治るのは時間が掛かるみたい。1週間調子が良くても、次の週には悪くなったり、まだ上下があるんだ。医者が言うには、’まあ悪くないかな’って程度さ。1〜2ヒート、サーフィンするだけで凄い痛いこともあったけど、今はそれが無くなっているよ」と話していました。

なお、今イベントには大野修聖、辻裕次郎がエントリーしていましたが、大野修聖はRound of 96でジョーディ・スミス(ZAF)、ビード・ダービッジ(AUS)などに抑えられてしまい、3位敗退。
辻裕次郎は波数が少ない中、Round of 96でテイラー・ノックス(USA)、ゲイブ・クリング(USA)などを相手にヒート開始直後に5.67、後半に5.13をスコアして2位でラウンドアップを果たすものの、次のRound of 48では、ビードとティアゴ・ピレス(PRT)などを相手に3位で敗退。25位に終わっています。
今シーズンのプライムイベントはトリプルクラウンの第2戦となる『Vans World Cup』のみ。
11月25日〜12月60日に開催されます。
なお、11月1日からはサンタクルーズから北上したサンフランシスコでASPワールドツアー第10戦『Rip Curl Search』がスタートします。
『O’Neill Coldwater Classic Santa Cruz』結果
1位 ミゲル・プーボ(BRA)
2位 ティアゴ・ピレス(PRT)
3位 ウィリアン・カルドソ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)
『O’Neill Coldwater Classic Santa Cruz』公式サイト
http://www.oneill.com/cwc/SantaCruz.html(PC用)
photo: ASP Covered Images
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