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『Rip Curl Search』2日目 ケリーのワールドタイトル確定!

2011-11-03 更新
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サンフランシスコのオーシャンビーチで開催中のASPワールドツアー第10戦『Rip Curl Search』は2日続けてヒートが進行。
現地時間11月2日にはR3のH10まで終了し、早ければ残り1日でイベントがフィニッシュする可能性が出てきました。

この日のハイライトは速報でもお伝えした通り、ケリー・スレーター(USA)の11回目のワールドタイトル確定。
舞台となったオーシャンビーチのコンディションは公式3-5ftレンジ。オフショアで綺麗に整った波は、ビーチブレイクながらバレルもあり、パーフェクト。

ケリーが今イベントでタイトルを確定する条件はR3のラウンドアップ。相手はオージーのダニエル・ロスでした。
このヒートの主導権を握ったのは一本目で目の覚めるようなパワフルなターンを決めて7.70をスコアしたダニエル。
ミドルスコア止まりのケリーに対して後半には6.70のバックアップスコアを重ねてケリーとの差を広げます。
しかし、会場の雰囲気は明らかにケリーの逆転を信じたムードで、レフトの波に鋭いリップを繰り返し7.53を返すと、ラスト数分にはライトの波でビッグターンを重ね、フィニッシュまでキッチリとメイクして7.60で逆転に成功!
ダニエルは次に入ったレフトの波でバレルを狙いに行くものの、出口は見つからず...。
11回目のワールドタイトルはケリーの18番と言える大逆転劇で決定させました。

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(ヒート前の両者)

沢山のファンやメディアに囲まれ、鳴り響くケリーコール。星条旗と共にステージまで担がれ、まずはガールフレンドのカラニと熱いハグを交わし、大勢の関係者、友人などと喜びを分ちあったケリー。
コンテストは一時中断され、ワールドタイトル獲得のセレモニーが行なわれました。

まずはダニエルとのヒートについて、「激しいヒートだったね。決して楽ではなかったよ。今年はロシー(ダニエル・ロス)と沢山対戦してきたけど、彼は本当に危険なパワーを持つサーファーなんだ。あのヒートの序盤は圧倒されたさ。レフトの波(7.53)は途中でウネリに戻ってしまう波だった。これじゃダメだと考え、ライトの波に狙いを変えたんだ。あの波(7.60)は良い感じにフェイスが張っていたから、これは十分だろうなと思ったよ」とコメント。

すでに終了した9戦中、5回ファイナルまで進み、3回の優勝。それもタイトルを確定させた場所が初の自国(北米)であるのも特別なことと言えるでしょう。

「これは驚くべきことさ。2日前は波が小さくて風も悪かった。オレは招かざる客なんじゃないかなと思ったよ。昨日から波が良くなって、今日もまるでフランスのような良い波だよね。タイトルに関してはストレスを感じていたから、やっと終わってホッとしている。とても充実していたし、個人的にも満足さ。もちろん、嬉しいよ。オレは人生をサーフィンや、コンテストに捧げている。一年間毎にワールドタイトルを狙い、それが報われたんだから、本当に満足しているよ。
アメリカで手に入れたことも意味があるよね。ここは凄い良い人達ばかりで、タイトルが決定した時はローカルもストークしていた。特別な時間を過ごせたよ。暖かく、オフショアに程良いスウェル。誰かのおかげなのかな。アンディかもね...」とケリー。

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(トップ34が円になりA.Iに敬意を表する)

そう、11月2日はA.Iことアンディ・アイアンズの命日。ケリーがタイトルを決定した日がアンディの一周忌なのも不思議な話...。
「これも運命なのかなって色々考えてしまうよ。なぜ、アンディの命日にチャンスを与えたのかな?とかね。オレにとっては、どのタイトルよりも特別なものになった。彼との記憶を辿り、彼のことを考える特別な日さ。彼のことを思い、ストーリーを書いたこともある。今こそ、それを思い返すべきだね」とこの件について話していました。

1992年、20歳の時に最年少でワールドタイトルを獲得してから19年間、真のライバル関係となったのはアンディのみ。かつては口もきかないような仲だった二人が親友になったというエピソードもあり、突然のアンディの訃報にどれだけケリーが苦しんだかは計り知れません。

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通算48勝を上げているケリーですが、『Rip Curl Search』での優勝経験は無く、地球をモチーフとしたトロフィーは持っていません。
11回目のタイトルを獲得した今、次のターゲットはサンフランシスコでの優勝に絞られてきました。
「今度の焦点はここでの優勝さ。一年のゴールは完了したね。これでリラックスしてサーフィンが出来るよ。こんな良いコンディションにビーチには沢山の観客。最高さ。凍えるような寒さにオンショアだと思っていたんだから、それが外れて驚いているよ」とケリー。

毎年聞かれる引退説に関しては、今回もハッキリとしたコメントを残さず、「39歳という年齢は若いと考えているんだ。以前は30歳が頂点だと思っていたけど、今は違うよね。オレのサーフィンだって今までで最高のレベルにあるし、まだまだいけそうな感じがする。そもそも年齢については考え過ぎないようにしているけどね。残りのシーズンはハワイでリラックスして過ごそうと計画しているんだ。2012年のことはそれからだね」と話していました。

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話をコンテストに戻すと、R3のH10を終了した時点で勝ち上がっている選手は、マット・ウィルキンソン(AUS)、テイラー・ノックス(USA)、キーレン・ペロー(AUS)、ガブリエル・メディナ(BRA)、ミゲル・プーポ(BRA)、オーウェン・ライト(AUS・写真上)、アレホ・ムニーツ(BRA)、ブレット・シンプソン(USA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)です。

世界最大の波情報サイト「Surfline」によると、4(金)にはソリッドな北西ウネリが入る予報。R3のH11からはそのタイミングで再開することが予想されます。


『Rip Curl Search』公式サイト
http://www.live.ripcurl.com/?search2011(PC用)


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photo: ASP Covered Images