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ASPワールドツアー第10戦『Rip Curl Search』終了!

2011-11-08 更新
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ワールドツアーとして唯一のモバイルイベント。毎年素晴らしいブレイクを世界中からサーチしてくれている『Rip Curl Search』が現地時間11月7日に終了しました。

今シーズンの舞台は昨年のプエルトリコから一転して夏でもフルスーツが必需品のノースカリフォルニアのサンフランシスコ。猿の惑星・創世記(ジェネシス)の舞台にもなった豊かな街と美しい自然が見事に融合されたこの土地で、世界のトップ34プラス二人のワイルドカードが戦い、期間中はケリー・スレーター(USA)が最終戦を待たずに前人未到の11回目のワールドタイトルを獲得。
冬の北西ウネリにも恵まれ、ファイナルデイは公式3-5ftレンジの十分なサイズにクリーンなフェイス。イベント中を通して最も良いコンディションとなり、後半戦からのルーキーにして早くも1勝を上げているガブリエル・メディナ(BRA)とベテランのパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)が最後の二人に選ばれました。

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(ガブリエル・メディナ)


ファイナルは、ガブリエルが序盤にバックサイドでパワフルなビッグターンを重ね、7.50と9.00を早々とまとめてパーコをコンビネーションスコアに追い込みます。
パーコは6.90を返してコンボは逃れたものの、ガブリエルとは対照的にリズムに乗れず、時間だけが過ぎていきます。
結局、最後まで二人の差は縮まらず、トータル16.50 vs 10.90の大差でガブリエルが今シーズン2勝目を飾りました。

「凄い嬉しいよ。ワールドツアーで2度も優勝出来るなんて、素晴らしいことだからね。今はツアーを楽しんでいる。特に作戦は無く、小さくまとめず、パーコとのファイナルを素晴らしいものにしたかった。彼は大好きなサーファーだよ」と表彰台でのインタビューに答えたガブリエル。

ローテーションと呼ばれる回転系のエアリアルを武器に勝ち上がってきたガブリエルでしたが、ファイナルでは別人のようにエアリアルを封印して違う一面を披露。MCがまるでロブ・マチャドみたいと表現するほど彼のターンは美しく、パワフルでした。

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(ジョエル・パーキンソン)


17歳のガブリエルにしてみれば、QFで対戦した39歳のケリー、SFで対戦した40歳のテイラー・ノックス(USA)は、父親でも不思議ではない年齢。グロム時代から憧れてきたスーパーヒーローでもあります。
SFでテイラーを僅差で抑えた後のインタビューでは、「本当にハッピーだったし、自信にも繋がったよ。テイラーにケリー、二人との対戦はハードだったけど、勝ててストークしている。厳しい戦いになるのは分かっていたから、オレの全てを出し尽くしたよ。最後の波が大きな助けになったと思う。コンディションは良いね。寒いけど、とても楽しいし、ファイナルもベストを尽くすよ」と話していたガブリエル。

同世代のサーファーがジュニアイベントを戦っている中、すでに世界最高峰の舞台にいること自体が凄いことですが、そこで早くも2回も優勝出来たのは本人が一番驚いていることでしょう。
ファイナル前のウォーミングアップでは、縄跳びを使用して汗を流していた姿が印象的でした。

ケリーのワールドタイトルが決定してしまった今、他の選手達に残されている目標は1イベントでの優勝しかありません。
ベルズ戦での優勝以来、表彰台から遠ざかっていたパーコはシーズン後半でやっと手に入れた優勝のチャンスを目前で逃してしまいました。
「見事な勝ち方だったね。オレの方は良い波を見つけることが出来なかったのさ。ガブリエルはイベントを通して凄いリップをしていたし、彼には素直におめでとうと言うよ。彼は大きな可能性を秘めている。これから数年、将来を見届けるのが楽しみだね。サンフランシスコの人達には感謝したい。素晴らしい時間を過ごせたよ」とパーコ。

トータルランキングでは4位から2位にアップして3連覇を果たしたトリプルクラウンに挑みます。

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トリプルクラウンの最終戦はワールドツアーの最終戦でもあるハワイのパイプラインを舞台にした『Billabong Pipe Masters』
世界で最も権威があり、キング・ケリー(写真上)が大事にしているイベントでもあります。
QFで敗退した後のインタビューでも、「すでにパイプに焦点を移したよ。パイプで勝つのは最高なんだ。フィル・ロバートが制作するトロフィーは毎年素晴らしいし、ジェリー・ロペスが削り、ジェフ・ディヴァインの写真とフィル・ロバートのペイントが施された特賞のサーフボードは驚くべき作品さ。オレからすると、その二つはサーフィンがもたらすプライスレスな物だと思う。サーフィンの歴史の一部とも言えるよ。オレは3年前に手にしたことがあるけど、翌年にはタジ(バロウ)に奪われ、昨年はジェレミー(フローレス)に負けてファイナルで戦うチャンスさえ無くなってしまったんだ。またチャンスが巡ってきたらエキサイトするよ」と話していました。

なお、トリプルクラウンの前哨戦、4スター『HIC Pro』は現地時間11月6日に終了。ここでもガブリエルと同じ17歳のエゼキエル・ラウが活躍し、優勝を手にしています。
トリプルクラウンの初戦6スター『Reef Hawaiian Pro』は11月12日〜23日にハレイワ・アリイビーチパークで開催され、11月末のプライム『Vans World Cup of Surfing』、最終戦『Billabong Pipe Masters』と繋がります。

もちろん、BCMでもフォローしていくので、お楽しみに!

ASPワールドツアー第10戦
『Rip Curl Search』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 テイラー・ノックス(USA)、アレホ・ムニーツ(BRA)
5位 キーレン・ペロー(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、ブレット・シンプソン(USA)、ジョシュ・カー(AUS)

2011年ASPワールドツアー
『Rip Curl Search』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 63,350pt
★ワールドタイトル確定
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 48.600pt
3位 オーウェン・ライト(AUS) 47,900pt
4位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 43,700pt
5位 タジ・バロウ(AUS) 42,200pt

『Rip Curl Search』公式サイト
http://www.live.ripcurl.com/?search2011(PC用)

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photo: ASP Covered Images