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『Billabong Pipe Masters』終了!

2011-12-11 更新
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今シーズン最大のモンスタースウェルがヒットしたバンザイ・パイプラインでスタートした『Billabong Pipe Masters in Memory of Andy Irons』は3日連続でヒートが進行し、現地時間12月10日に全てのスケジュールが終了。

ファイナルデイは公式4-6ftレンジとサイズダウン。ファイナルに近づくにつれてバレルになる波も少なくなっていましたが、QFでは11Xのケリー・スレーター(USA)と今イベントで2本の10ポイントライドを決めているローカルのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が壮絶なバトルを繰り広げるなど、見所は沢山あり、ビーチにも溢れんばかりのギャラリーが集まっていました。

ファイナリストはハワイアンを除くとイベント前半から一番のチャージを見せ、ミシェル・ボウレズ(PYF)とのSFではパーフェクト10をスコアしたキーレン・ペロー(AUS)とSFでケリーを倒したパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)の二人。
序盤はキーレンがパイプラインとバックドアを続けてメイク。7.00と6.17をまとめてリードを握ります。その後は小康状態のまま、いきなり雨と共に風が強まり、まるで嵐のようなコンディションに変化...。
すぐに雨は上がったものの、バレルになる波は少なくなり、パーコは4ポイント止まり。結局、逃げ切る形でキーレンがマスターズの栄冠、初のワールドツアー優勝を手にしました。
「昨年、ジェレミーに優勝を奪い獲られてから、やっと立ち直れたよ。ここに戻ってこれて嬉しいね。とても良い時間を過ごせたし、こんな素晴らしいイベントで今日まで残れて最高さ。驚異的な波だった。こんなパイプでサーフィンしたのは初めてだったよ。オレにとってはキャリアの頂点だと言えるね」とキーレン。

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(キーレン・ペロー)
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(ジョエル・パーキンソン)

昨年はジェレミー・フローレスを相手にコンビネーションスコアからラスト数分で大逆転という不運でパイプマスターの座を逃してしまったキーレン。
まさにリベンジとなった今年はリクオリファイのギリギリラインに立っていたこともあり、見ている方が怖くなるようなチャージを繰り返し、それが上手く結果に結び付いていました。
子供と共に表彰台へ上がり、独特のヒゲ面に優しそうなスマイルで素晴らしいイベントの最後を楽しんでいたのが印象的でした。

3年連続でトリプルクラウンを獲得したパーコでしたが、今年はあえてスキップして親友アンディ・アイアンズの故郷カウアイ島でリラックス。
アンディが天から見守る中、ファイナルの切符は手にしたものの、最後はキーレンの運が勝って優勝には一歩及ばず...。
「あれだけ沢山の選手を倒しても、最後に勝つべき相手に負けてしまう。だから優勝するって難しいんだよ。キーレン以外、勝利に値する者はいないと思う。彼は本当のパイプマスター、最高の選手さ。彼の優勝を心から祝うよ」とスポーツマンらしくキーレンを称えていたパーコ。

最終戦の結果を受けて2011年シーズンは総合2位でフィニッシュ。
来シーズンは初のワールドタイトル獲得に期待しましょう!

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事実上のファイナルと言えたQFのケリー・スレーター(USA・写真上) vs ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)のカード。
ケリーをコンビネーションスコアに追い込んで勝利したR4同様、ジョン・ジョンが順調にスコアを重ねて主導権を握ります。
ヒートが動いたのは後半。ジョン・ジョンがビハインドピークからバックドアにハードなドロップを決めてプルイン。フィニッシュまでメイクして9.70をスコアしてケリーをコンビネーションに追い込みます。
しかし、ラスト数分でケリーマジックと呼べる強烈な追い上げで9.70、7.83を続けて叩き出し、僅か0.83ポイント差でジョン・ジョンを上回り、ケリーがリベンジを達成!
最後のスコアをビーチに上がってから聞いたケリーは思わず天を仰いでいました。
このヒートは2011年のベストヒートと言っても過言では無く、見ている方も興奮せずにはいられない程でした。

残念ながらここで姿を消したジョン・ジョン(写真下)でしたが、トリプルクラウンの方はミシェル・ボウレズ(PYF)がSFで負けた時点で確定し、表彰台では2006年のアンディ以来、久々に戻ってきたハワイアンの栄冠に大歓声が上がっていました。
「この場所に立ててストークしている。オレはこの波と共に人生を送り、ずっとみんなを見てきた。タイトルを獲得出来たことはもちろん、これまで優勝してきたみんなと名前を並べられるのがとても嬉しいんだ。支えてくれた母親、パンチョ・サリヴァン、ジョン・ファイゼル(シェイパー)、全てのスポンサーに感謝しているよ」とトリプルクラウン獲得の喜びを語っていたジョン・ジョン。

世界で一番の波の目の前で育ち、その波が世界で一番得意のジョン・ジョンがトリプルクラウンの栄冠を手にするということは、ある意味とても自然なことなのでしょう。
ジョン・ジョンが子供の頃から見守っていたケリーも今後20年は彼がパイプを支配するだろうとコメントする通り、ジョン・ジョンのサーフィンは他を圧倒していました。

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『THE EDDIE 』を除き、これで2011年の全てのスケジュールは終了。
BCMでは2012年もASPを始めとしたコンテストをフォローしていくので、お楽しみに!

『Billabong Pipe Masters』結果
1位 キーレン・ペロー(AUS)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 ケリー・スレーター(USA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)
5位 ジェイミー・オブライエン(HAW)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、エヴァン・ヴァリエ(HAW)、ガブリエル・メディナ(BRA)

2011年ASPワールドツアー最終ランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 68,100pt
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 56,100pt
3位 オーウェン・ライト(AUS) 47,900pt
4位 タジ・バロウ(AUS) 45,450pt
5位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 44,950pt

『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
http://vanstriplecrownofsurfing.com/l(PC用)

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photo: ASP Covered Images

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