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『Rip Curl Pro』3日目も素晴らしいコンディションでオン!

2012-04-05 更新
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現地時間4月5日、オーストラリア・ビクトリア州のベルズビーチで開催中のASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro presented by Ford Ranger』は3日続けてヒートが進行。

今年のベルズは非常に波に恵まれており、この日も絵に描いたような美しいライトのラインナップが健在。
一見するとメローに見えるベルズの波ですが、サーフボードが簡単に折れるほど南極海の低気圧から運ばれる南西よりのウネリは見た目以上にパワフル。上手くてなづけさえすれば、ビックなマニューバーでもエアリアルでも何でも可能な夢のような舞台の上で世界のトップサーファー達が素晴らしいパフォーマンスを披露。
おまけに今年は水着で過ごせる(基本的にベルズで波が良い時は寒い)ほど過ごしやすく、イースターホリデーを利用して集まった沢山のギャラリーにも最高のイベントになっているようです。

イベント3日目、R3のハイライトは過去に4度もこの場所で優勝したことがあるケリーとビクトリア州を代表するローカル、 ニック・マスクロフト(写真最上部)のH6。
序盤はニックがサーフボードを折ってしまい、その隙にスコアを重ねたケリーが主導権を握ります。ケリーは中盤に6.83、後半に7.77をスコアしてリードを広げますが、R1でタジ・バロウ(AUS)、コロヘ・アンディーノ(USA)を相手に大逆転劇を演じたニックの実力がここでも発揮され、パワフルなラインを刻み、ラスト5分で9.50を叩き出して逆転に成功!
更にケリーはボードを折ってしまい、残り時間は僅か。明らかにニックに有利な展開ながら、これで終わらないのがケリーの強さ。過去に何度も同じような場面を切り抜けているのを知っているケリーのファンにしてみれば、逆に勝負が面白くなったと’ニヤリ’としたことでしょう。
新しいボードを手にし、ジェットスキーの助けを借りて急いでピークに戻ったケリー。逆転に必要なスコアは8.07。
終了間際にテイクオフしたケリーはこれ以上ない深いボトムターンの後、全てをリップにぶつけるように力強いターン。ファーストマニューバーを完璧に成功させ、インサイドまで繋げるとローテーションをメイク。
最後のスコアが出るまで時間がかかり、ジャッジが出した答えは9.23!
ニックも素晴らしい戦いぶりでしたが、今回はケリー(写真下)の方が一枚上手だったようです。

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「最後の波はフィニッシュまで決められてハッピーだったよ。ニックとは長年にわたって良い戦いをしてきた仲だし、もし、彼が勝っても素晴らしいヒートだったと言えるね。気持ちを入れ替えて前向きな考えで戦ったんだ。序盤はセットが止んでしまって、彼がボードを折った時も、それをチャンスとして活かせなかった。中盤で得た良いスコア(7.77)の波もフィニッシュを上手くメイク出来なくて、彼が戻ってきて逆転されちゃったのさ。最高の波を手に入れて有効活用という形が出来なかった。でも、ラッキーなことにラスト8秒前に一本乗ることが出来たんだ。カーブからスタートして最後はリップから完璧に飛び出し、良いクッションに着地出来たよ。これはいけるな!と思ったね。彼の活躍にはストークしている。凄い良い奴だし、みんな応援しているんだぜ」とヒートを振り返ると同時にニックを讃えていたケリー。

1994年の優勝を皮切りに通算4回もベルズでの『Rip Curl Pro』を制しているケリー。
ツアーで最も歴史がある今イベントは誰もが特別に思い、表彰台でトロフィーのベルを鳴らすことはサーファーとしての名誉でもあります。

先日亡くなったMPことマイケル・ピーターソンはベルズでのイベントに初めて『Rip Curl Pro』の名前が付いてから3年連続(1973〜75年)優勝しており、今シーズンはMPのメモリアルイベントとして選手達は腕に黒い紋章を付けて海に入っています。
MPが活躍した70年代前半はケリーが生まれた時期。時代が違うといえども’強過ぎる選手’としてケリーとMPは重なる部分もあります。

「マイケルが亡くなってから1週間が経ったんだね。このイベントは彼に捧げられ、オレ達は黒い紋章を付けている。誰が優勝しても大きな意味があると思うよ。オレはベルズで4つのタイトルを持っている。20年かかったかな。良い形でここまで来たけど、ジョエル(パーキンソン)を始め、強敵は多かったよ。ニックもその一人。彼は良い波を選び、最高の演技をするんだ」とケリーは話していました。

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逆転劇と言えば、R3のH9、ガブリエリ・メディナ(BRA・写真上) vs C.J・ホブグッドのカードもこの日の大きな話題でした。
中盤〜後半にかけて8.60と7.00を重ねて主導権を握っていたガブリエル。ラスト数分でプライオリティを持ちながらも波を譲ってしまい、その波でC.Jが8.93をスコアして逆転!
前日、まだツアーには学ぶことが多いとコメントを残していたガブリエル。勝てるヒートを落とした代償は大きく、ヒート終了後もしばらくラインナップに佇んでいたのが印象的でしたが、この負けを無駄にせず、次に繋げて欲しいと思います。
なんと言ってもガブリエルはまだ18歳なのです。

R3が終了した後は3人ヒートのR4が行なわれ、オーウェン・ライト(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、ミック・ファニング(AUS)、パーコことジョエル・パーキンソン(AUS)が1位通過でQF行きを決定!
残りの選手はR5の敗者復活戦を戦うことになります。

なお、パーコはR3でハイエストスコア9.87&ハイエストヒートスコア18.94を手に入れ、『Rip Curl Pro Gold Pass』を受賞。過去にサイモン・アンダーソン、ラビット・バーソロミュー、トム・カレン、マイケル・ピーターソン、サニー・ガルシア、オッキー、ケリー・スレーターなどが受賞した名誉あるこの賞。
5回のファイナル進出、3回の優勝が決め手になったそうです。

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同時開催のウィメンズはR3が終了し、タイラー・ライト(AUS)、マリア・マニュエル(HAW)、カリッサ・ムーア(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)がR4をスキップしてQF進出を決めています。

ネクストコールは現地時間4月6日の朝7時00分(日本時間の同日6時00分)で、30分後にスタート予定。

『Rip Curl Pro』公式サイト
http://live.ripcurl.com/?bells2012(PC用)


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photo: ASP Covered Images