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ASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro』終了!

2012-04-06 更新
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オーストラリア・ビクトリア州のベルズビーチで開催されていたASPワールドツアー第2戦『Rip Curl Pro presented by Ford Ranger』が現地時間4月6日に終了。
今イベントは初日からクラシックなコンディションに恵まれ、全く波に困ること無く4日連続ヒートが進行し、最高の舞台の上で様々なドラマが生まれていました。

開幕戦を制したタジ・バロウ(AUS)が前日のR3で敗れた一方、トップシードの選手が順当に勝ち上がり、世界を代表するスター選手が勢揃い。波数は少なかったものの、素晴らしいコンディションが続き、通算51回目の『Rip Curl Pro』ファイナルデイは贅沢づくし。
コンテストディレクターのダミアン・ハードマンも今年はストレス無く指示を出せたことでしょう。

ファイナリストに選ばれたのはQFで9.17、SFでは9.93のハイエストスコアを叩き出したケリー・スレーター(USA)とSFで親友のジョエル・パーキンソン(AUS)とクロスゲームを演じたミック・ファニング(AUS)の二人。
ミックに関しては2010年から3年連続ファイナル進出となり、ベルズとの相性の良さを示していました。

ファイナルで最初に飛び出したのはミック。スムースに乗り繋ぎ、インサイドセクションでエアリアルを決めて9.10をスコア。これで余裕が生まれたミックはプライオリティを上手く利用しながら慎重にセットを選び、パワフルなターンを重ねて8.60のバックアップスコアを手に入れ、早くもケリーをコンビネーションに追い込みます。
一方のケリーはリズムが掴めず、前半はワイプアウトを繰り返しますが、中盤にはテイクオフからトリミングして高さのあるローテーション(回転系のエアリアル)を決め、僅か1マニューバーでパーフェクト10!
ここからは両者共に火が付き、ケリーが8.07を出せば、ミックが9.70。すぐにケリーが8.07を返すなど、興奮せずにはいられない内容でした。
ラスト10分。セットが止んだ時点でミック18.80、ケリー18.07のトータルスコア。ケリーが逆転に必要な一本は8.80。
5分を切ったところでケリーは再度ローテーションをメイクしますが、高さが足りず...。
僅か3本で18.80をまとめたミック(写真下)が2010年のフランス戦以来の優勝を決めました!

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「超興奮しているよ!ケリーが10ポイントを出した一か八かのエアーの時は、またかよ!って思ったけど、自分も波に乗ってやり返してやった。あれはストークしたね。言葉が出ず、ただ興奮していたよ。これ以上の喜びは無いさ。ギャラリーも含めて歴史に残る素晴らしい舞台になった。このイベントでは2位が続いていたけど、やっと優勝出来たんだ。最高の気分さ!」と久々の優勝に興奮気味だったミック。

2001年、まだワイルドカード時代にベルズで初優勝を決めて世界中の注目を浴びたミック。
オーストラリアの先住民・アボリジニのメイクをして10年振りに表彰台でトロフィーのベルを鳴らす姿は見ているファンも興奮させるような喜びようでした。
「久々の優勝にストークしている。ジョエル、ジョーディ、そしてケリー。強敵揃いのツアーでは勝利を手にするのも簡単では無いさ。惜しいところまでは行くんだけどね。特にジョエルに負けることが多かったけど、今日は勝ったよ」

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今イベントは1973年から3年連続『Rip Curl Pro』を制し、70年代前半のサーフィン界に多大な影響を与えたオーストラリアが誇るレジェンド、MPことマイケル・ピーターソンのメモリアルイベントでもありました。
MPとミックは同じゴールドコーストをホームとするため、悲しみの深さは計り知れません。

「考えると泣きそうだったよ。ファイナル前は裏の方に座って観客とも距離を置いていたんだ。静かになりたい時もあるのさ」とミック。
ファイナル前、ケリーが直前に選手控え室から出てきたのとは対照的にミックは早々とゲッティングする位置で待機し、静かにストレッチをしていたのが印象的でした。

今回の優勝で開幕戦13位の穴を埋めて一気に3位へランクアップしたミック。
「開幕戦はしくじった。調子は良かったけど、あと一つ何かが足りなかったのさ。ヘッドホンを外して、もっと楽しい時間を過ごすとかね」と吹っ切れた表情で話していました。

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ファイナルではイベント唯一のパーフェクト10を僅か1マニューバーでメイクしてギャラリーのボルテージをMAXにしていたケリー。今回メイクしたローテーション(写真上)は高さに前方への空間移動がプラスされ、また新境地を開いたなと感じさせるド迫力。
2010年、同じ場所でミックと対戦した時のように逆転は出来なかったものの、今回の2位でカレントリーダーの座をタジから奪い、12回目のワールドタイトルに向けて歩き出しました。

ファイナル終了後のインタビューでは、「とにかく動き回って追いつくことを考えていたよ。彼は辛抱強く波を待つ作戦だった。彼が最初の波を手に入れた後、話しかけたんだけど、相手にしてもらえなくて頭に来たんだ。それから大きなローテーションを彼の前でやったのさ。逆転は出来なくても、エキサイトしたね。彼が9や8ポイントをその後に出しても、オレは自分のやり方でチャンスをモノにしたかったのさ。最後は波が来なくなって苦戦を強いられた。それは仕方ないけどね」とミックとの勝負を振り返っていました。

なお、メンズのイベントは終了したものの、ウィメンズはQFから先が残っています。
ステファニー・ギルモア(AUS・写真下)、カリッサ・ムーア(HAW)を筆頭に最近のウィメンズのレベルは非常に高くなっているので、ぜひライブ中継をチェックしてみて下さい!

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ネクストコールは現地時間4月7日の朝7時00分(日本時間の同日6時00分)で、30分後にスタート予定。

ASPワールドツアー第2戦
『Rip Curl Pro』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 ケリー・スレーター(USA)
3位 ジェレミー・フローレス(FRA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)
5位 オーウェン・ライト(AUS)、ジョシュ・カー(AUS)、カイ・オットン(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)

2012年ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 13,200pt
2位 アドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 12,000pt
3位 タジ・バロウ(AUS) 11,750pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 11,750pt

『Rip Curl Pro』公式サイト
http://live.ripcurl.com/?bells2012(PC用)

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photo: ASP Covered Images