ニュージーランドで女王対決!?
2012-04-15 更新

メンズと違ってウィメンズのワールドツアーは7月に全てのスケジュールが終わってしまい、特に4月は3イベントが重なる忙しい月になります。
上旬に終わった第2戦のベルズに続き、ニュージーランドで第3戦『TSB Bank NZ Surf Festival featuring the Dow AgroSciences Pro』が開催され、現地時間4月14日にファイナルが終了。
開幕戦で優勝し、ベルズでもファイナルに進出したステフことステファニー・ギルモア(AUS・写真上下)が昨年のワールドチャンピオン、カリッサ・ムーア(HAW)を僅差で抑え、今シーズン2勝目を上げました!
「今のところ、私のキャリアの中で一番のシーズンだわ。3戦連続ファイナル進出よ。なんて、気持ちが良いのかしら(笑) ファイナルはどっちが勝っても不思議では無い本当にギリギリの争いだった。カリッサが凄いファーストターンの後、次のセクションに向かうのを見たの。もし、彼女が更にターンを重ねたら高いスコアが出ると確信していた...。今回は私に勝利が傾いて嬉しいわ」とファイナル終了後のインタビューに答えたステフ。

舞台となったニュージーランド・北島の西海岸、タラナキは過去3年間の歴史の中で最も良いコンディションに恵まれ、ファイナルデイも公式3ftのクリーンなファンウェーブ!
ステフ vs カリッサのファイナルも序盤からハイスコアが連発され、8.33を手に入れたステフが主導権を握りながらヒートが進行。カリッサも後半に8.23を返しますが、バックアップスコアが足りず、ステフが逃げ切る形で優勝。
僅か0.70差と言えば、いかに拮抗していたか分かると思います。
3戦中、2勝を上げてカレントリーダーの座もキープ。
次はオーストラリア・シドニー近郊のディーワイビーチで開催される第4戦『Commonwealth Bank Beachley Classic』に挑むステフ。
迷走していた昨年に比べると表情も全く違い、表彰台では自信に満ち溢れ、かつての女王の風格が戻っていました。

ステフが不調だった昨年、圧倒的な強さでワールドタイトルを獲得したカリッサ(写真上)でしたが、今シーズンは開幕戦5位、第2戦3位と彼女にしては勢いが無く、周囲を心配させていました。
今イベントでは惜しくも優勝を逃したものの、カリッサ節と呼べるメンズ顔負けのパワフルなライディングが随所に見られるようになっており、シーズン中盤〜後半は活躍が期待出来そうです。
「優先権を持っていても、乗らせてしまうことはあるわ。その波でまさか良いスコアが出るとは思わなかったけど、ステフはやってしまったの。決して、彼女を甘く見ていた訳では無いのよ。4回もワールドタイトルを獲得した彼女が復活するのは素晴らしいことだと思う。このイベントは大好き。最高のサポートチームに支えられ、この場所を愛しているわ。今はとてもストークしている。昨年と今年は違うし、全てのイベント毎に白紙に戻し、何か違う自分を出せるようにベストを尽くしているの」とカリッサ。
彼女にとってワールドタイトルとは一つの結果に過ぎなく、サーフィンを通して自分自身を成長させ、多くのハワイアンがそうしているように、人生を謳歌しているだけなのかもしれません。
同じポリネシア、ニュージーランドへのリスペクトも忘れず、昨年は優勝賞金の15,000USドルを地元のクラブに寄付するという大きな心も持っているカリッサですが、今年の8月にやっと20歳(まだ19歳!)という若さ。
10代前半の頃から世界の舞台で結果を残しているため、年齢以上の貫禄がすでに備わっています。

ツアーで唯一、ニュージーランド出身のペイジ・ハレブ(写真上)はステフとのSFでリードをキープしていたものの、最後に入ってきたセットで逆転されてしまい、地元でのファイナル進出はならず...。
「地元の声援を受けて、いつもより頑張っちゃった(笑) 息も出来ないくらい緊張していたの。深く息を吸ってリラックスし、海から向こうを見たら家族に友人、タラナキのみんなの姿が目に入ってきたのが嬉しかったわ。天気も良く、波も最高で素晴らしいイベントになった。セミファイナルでは最後のセットが入った時に優先権はステフが持っていたから、アウトに残されて彼女がリップしながらビーチに遠ざかっていくのを見ているしかなかったの...」とペイジはイベントを振り返っていました。

彗星の如く現れたニューフェイス、レイキー・ピーターソン(USA・写真上)はカリッサとのSFこそ敗れたものの、R2で今イベントのハイエストスコア9.85を手に入れ、QFではタイトルホルダーのサリー・フィッツギボンズ(AUS)を完璧に抑え、ギャラリーを熱狂させていました。
カリフォルニア・サンタバーバラ出身のレイキーは「リンコン」をホームブレイクとしており、スタイリッシュなライディングをベースにエアリアルやリバースを通常のマニューバーとして取り入れてきます。
まだ17歳の可能性を考えても、今一番の注目選手と言えるでしょう。
ヒート終了後のインタビューでは、「今シーズン最高の結果に残念なんて言葉はないわ。私にとって3位は凄い順位。波は超良かったけど、最後のヒートはリズムが崩れた。ポジショニングの問題もあったわね。自分のパフォーマンスに関して悪い部分は無く、ファイナル進出も惜しかったわ。カリッサ、ステフ、そして、サリー。彼女達と戦うと自分の能力も高まるから大好きよ。最高の波に恵まれたこのイベントにストークしている。こんなの滅多にないからね」と話していました。
次のASPウィメンズワールドツアー第4戦は4月18日〜23日に開催される『Commonwealth Bank Beachley Classic』です。
ASPウィメンズワールドツアー第3戦
『TSB Bank NZ Surf Festival』結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 カリッサ・ムーア(HAW)
3位 ペイジ・ハレブ(NZ)、レイキー・ピーターソン(USA)
2012年ASPウィメンズワールドツアー
『TSB Bank NZ Surf Festival』終了後のランキング
1位 ステファニー・ギルモア(AUS) 28,000pt
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 21,700pt
3位 カリッサ・ムーア(HAW) 19,700pt
『TSB Bank NZ Surf Festival』公式サイト
http://nzsurffestival.co.nz/index.html(PC用)
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photo: ASP Covered Images

