『Nike Lowers Pro』は今年もブラジリアンが制した!
2012-05-06 更新

現地時間5月5日、今シーズン3戦目となるASPのプライムイベント『Nike Lowers Pro』が終了!
舞台となったカリフォルニアのローワー・トラッセルズは初日からグッドコンディションに恵まれ、ファイナルデイは新しい南ウネリにも反応して公式3-5ftレンジの十分なサイズ。
玉石の上で割れる規則的な波はライト・レフト共にパーフェクト。
トップ34のメンバーを始め、オッキーことマーク・オキルーポ(AUS)、デーン・レイノルズ(USA)など、役者揃いの戦いでファイナルまで残ったのはガブリエル・メディナ(BRA)&グレン・ホール(IRL)の二人のグーフィーフッターでした。
30分ヒートのファイナルで最初に飛び出したのはガブリエル。レフトの波にフロントサイドでパワフルなターンを刻み、6.00をスコア。波をキャッチする時にグレンと激しいバトルとなり、グレンを倒す形でガブリエルはテイクオフしてライディングを続けましたが、インターフェアはコールされずヒートは続行。
ガブリエルはこのスコアを軸にローワー・トラッセルズをまるで自分の庭にあるスケートボードパークのように自由に駆け巡り、面白いようにポイントを重ねていきます。
一方、グレンはガブリエルとの接触が響いたのか、5pt台止まり...。
MCが「スーパーボーイ」と称したガブリエルの勢いも止められず、トータル15.67 vs 10.87でガブリエル(写真最上部)が今シーズン初優勝を決めました!
「これは特別な優勝さ。長い一週間だったよ。とても濃い内容だったし、これで自信を持ってブラジルに帰れるね」と大勢のブラジリアンサポーターに囲まれて表彰台まで向かったガブリエルはまず一言。

昨年はQFに残った8人の選手の内、6人がブラジリアン。優勝もまだ無名だった19歳のミゲル・プーボが手にしてビーチはリオのカーニバルのような盛り上がりだった今イベント。
今年は早い段階でブラジリアンがバタバタと敗退してファイナルデイまで残ったのはガブリエルのみでしたが、最後は2年連続ブラジリアンが勝利を得て再びカーニバルのような大声援が響き渡っていました。
「トラッセルズは大好きさ。こんな良い波はなかなか無いと思う。今は嬉し過ぎて適当な言葉が浮かばないんだ。ただただストークしているよ」とブラジリアンの中でも流暢な英語を操るガブリエルですが、さすがに18歳という若さと優勝直後ということで言葉には詰まっていた様子。
英語でのインタビューの後は母国ポルトガル語で喜びのコメントを発していたのが印象的でした。
ガブリエルはSFでイベント唯一のパーフェクト10をスコアし、ハイエストスコア&ハイエストヒートスコアの上位を独占。
「Facebook」を通してのファン投票によるMVPも2位のデーンに大きな差を付けて獲得。
今シーズンはワールドツアーで結果を残していないだけに、5月9日から母国ブラジルで始まる第3戦『Billabong Rio Pro』を直前に控え、大きな意味のある一勝になったと言えるでしょう。

数々のスター選手が登場していた今イベントで、まさにダークホースとなったグレン(写真上)
QFではジェレミー・フローレス(FRA)に圧勝。SFではジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を相手に見事な逆転劇を演じてファイナルへ。最後はガブリエルに抑えられたものの、プライムイベントで大きな結果を残しました。
「これがローワーズ。一日を通していつでもオン・オフがある。ここで勝つには運も味方に付けないとね。イベント前半はオレもラッキーだった部分があったよ。ガブリエルとのヒートは面白かったさ。序盤にインターフェアらしい場面があったけど、コールはされなかった。あれは正解。彼の方が上手かったし、勝って当然だよ」とグレン。
1月に中国の海南島で開催された4スター『Hainan Classic』では、アイルランド出身のサーファーとして最もグレードが高いイベントで優勝。今回は2位ながらプライムということで5200ポイント(4スターの優勝は1000ポイント)を獲得し、ワールドランキング17位まで上昇し、クオリファイ圏内に入ってきました。
「これは素晴らしい結果さ。現在のシステムだとプライムイベントで良い成績を残さないとクオリファイは出来ないからね。今回の結果でクオリファイに向けて良いポジションを得ることが出来たし、ホッとしている。今後もプライムは全て出場して確実にしたいよ」と話していました。

なお、トリプルクラウン出場に焦点を合わせて今シーズンは精力的に活動しているオッキー(写真上)は、前回のプライムイベント3位には及ばなかったものの、ベスト16まで残り、9位で2400ポイントを獲得。
ワールドランキング23位のポジションはトリプルクラウンの出場圏内となる96位以内に十分のため、年末は45歳オッキーの勇姿が見れるのでは?
次の注目イベントは5月9日〜20日にブラジル・リオデジャネイロで開催されるASPワールドツアー第3戦『Billabong Rio Pro』です。
ウィメンズと同時開催となるため、華やかなイベントになりそう!
プライム『Nike Lowers Pro』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 グレン・ホール(IRL)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、エイドリアン・バッカン(AUS)
『Nike Lowers Pro』公式サイト
http://www.nikelowerspro.com/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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