『Volcom Fiji Pro』2日目 早くもパーフェクト10が出た!
2012-06-04 更新

現地時間6月4日、フィジー・タバルア島で開催中のASPワールドツアー第4戦『Volcom Fiji Pro』は2日目を迎え、敗者復活戦のR2、H1からH10までの10ヒートが進行。
公式4-6ftレンジと前日よりサイズダウンした「Cloudbreak」でしたが、形的には更に良くなり、10ポイントも飛び出すパーフェクトコンディションに恵まれていました。
H4でパトリック・グダスカス(USA)と対戦したジュリアン・ウィルソン(AUS・写真上)は一本目から深いバレルに包まれ、9.10をスコア。その直後には更に深い位置に入り込み、9.47。ヒート開始から僅か10分で18.57のハイエストヒートスコアをまとめてしまい、パトリックをコンビネーションスコアに追い込んで圧勝!
「コンディションは最高だね。本当にパーフェクトだよ。昨日は悪い時間帯に重なって不満だったんだ。今日は最初から良い波に乗れて好調なスタート。バックアップも文句無し。スコアが伸びて集中も出来たし、気分が良いね」
R1では不安定なウネリに悩まされてロースコア止まりだったこともあり、ジュリアンは上機嫌でインタビューに答えていました。
前日にもお伝えした通り、タバルア島でのイベントは2008年を最後に3年間スキップされていたため、今イベントで初めてこの波に乗ったという選手も少なくありません。
ジュリアンもその一人で、「ここでサーフィンするのはさっきのヒートで4回目かな。入る度に調子は良くなっているね。今まで何故この場所に来なかったのか、信じられないよ。ここではルーキーみたいなものだし、みんなと切磋琢磨している。とても美しい場所だし、島の人達も素晴らしい。最高の天候に波。良い時間を過ごしているよ」と笑顔でコメント。
ライブ中継の合間には選手のたまり場となっているレストランが映し出されるのですが、その度にまるでグロム時代に戻ったようにふざけてカメラにアピールする選手も。トランクス一枚で快適に過ごせ、目の前では最高の波に最高のショー。家族や彼女と一緒に滞在している選手も多く、ヒート以外はかなりリラックスしている様子。
MCに関しても他のイベントよりもテンションが高いのは、間違いなくこの素晴らしい環境のおかげでしょう。

この日、目立っていたのはジュリアンだけではありません。
ヤングブラジリアンの代表、ミゲル・プーポ&ガブリエル・メディナ(写真上)は得意のエアリアルが通用しない場所でも勝てることを証明するように「Cloudbreak」で最高のパフォーマンスを披露。
特にガブリエルが乗った一本目は完璧に潰されたと思うような奥深くから弾丸のようなスピードで姿を現し、今イベント初のパーフェクト10をスコア!
ヤディン・ニコル(AUS)に大差を付けてR3へコマを進めました。
「あれは最高だったよ。パーフェクト10を出してヒートにも勝てたことにストークしている。本当に楽しんでるよ。10を出した波に関してはメイク出来るか分からなかったけど、行っちゃえ〜って感じだったのさ。フィジーは2回目。次のスウェルが来るんだってね。今度はレストランツ(ビッグスウェルが入ると真価を発揮するレストラン前のポイント)が良くなるんじゃない?」とインタビューに答えていたガブリエル。
R3で対戦するブラジリアンの先輩、アレホ・ムニーツも前日に最高のバレルをメイクしていただけに、面白い勝負が期待出来そうです。

R1ではワイルドカードのミッチ・コルボーン(AUS)に主役を奪われたケリー・スレーター(USA・写真上)でしたが、R2ではローカルワイルドカードのイセイ・トコブを相手に危なげない勝利。
「アウトはメローな感じがするけど、いきなり6ftのセットが入ってくるんだ。イセイも良い波を掴んでいたね。でも、少し早かったのかな。まだまだアウトのエネルギーは凄いものがあるけど、ちょっと落ちてきたね。この手のコンテストでローカルを過小評価するのは危ない。いつもここでサーフィンしているんだから、どれがベストな波か分かるでしょ」とヒートを振り返ったケリー。
常にトップシードにいるケリーは早いラウンドでワイルドカードと対戦することが多く、2008年にはこの場所でのR1でイセイと対戦したことがあります。その時はケリーが1位通過でイセイは3位でしたが、今日のようなパーフェクトなコンディションでは波のセレクトによって大逆転の可能性も十分にあるのです。
そのことは過去何度もワイルドカードにやられた経験があるケリーが一番良く知っていることでしょう。

ジャワ島でサーフィン中に踵を怪我し、タバルア島で悪化したことを理由にブラジルでの第3戦をキャンセルしたケリー。その後はゴールドコースト(バーレーヘッズでバレルをメイクする姿を目撃されている)で調整をして乗り込んできましたが、R1ではワイルドカードのミッチ・コルボーン(AUS)の絶妙なバレルライドを前にR2行きを強いられた形でした。
その件については、「まだ100%回復とは言えないね。特に昨日は足に違和感があったんだ。でも、ラウンド1のミッチの前では言い訳にはならないさ。ベストな波に乗れるかどうかの勝負だし...。多分、次の大きなスウェルを待って数日間レイデイになると思う。スウェルが入る頃には足も良くなるだろう。7’6、8’6と長いボードの用意も出来ているよ」とコメント。
ちなみに2008年の今イベントを制したのはケリー。2005年にも優勝経験を持つこのブレイクで3度目のトロフィー獲得を成し遂げるのか?
ケリーのコメント通り、週末には20ftのジャイアントスウェルが届くことが予想されているため、コンテストディレクターの判断次第では歴史に残るイベントになりそうです。
ネクストコールは現地時間5日の朝6時30分(日本時間の同日早朝3時30分)で、2時間後に再開される予定。

『Volcom Fiji Pro』公式サイト
http://volcomfijipro.com/(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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