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「チマジャトリップ2012年春⑤」

2012-06-19 更新
今回のトリップは10日間の日程。早いもので、もうすぐ最終日を迎えようとしている。

最終日から数日前のこと。部屋にバイクで遊びに来ていたローカルが帰りにバイクごと目の前のあぜ道を踏み外して田んぼに落っこちた。
ゲラゲラ笑って二人でバイクをあぜ道に引き上げた時、バイクの後輪が僕の足の爪にヒット!
僕だけビールを飲んでいたが、酔いが一気に覚め、ついでに足の親指の爪をはがしてしまったのだ...。

これで最終日までは抗生物質の軟膏を塗ったティッシュをテープで指に巻くハメになった。
この絵に描いたような出来事は、10年経ってもきっと忘れないだろう。

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チマジャのサイズが段々と小さくなってきたので、今回の旅の最終日はウネリに敏感なサワルナポイントへ行くことにした。
朝からガイドのAgusをバイクの後ろに乗せ、サーフボード2本をキャリアに乗せて走り始める。

しばらく走ると峠道で道路に寝ている人がいた。

その時は随分と白い顔をしている人が道の真ん中で寝ているなと思った程度だったが、あとで後ろに乗っていたAgusが、「ハルさん。あれはDeadBody(死体)じゃない?」と一言。
Uターンするには行き過ぎていたのだが、考えれば考えるほど...。

チマジャからメインロードを約1時間走ってから、残りの30分は気を抜くと転倒するほどのガタガタ道。
最後に細いつり橋を渡って海岸線のヤブを走り、ようやくサワルナに到着する。
ポイントを目にすると、面ツルで胸から肩位のレフトが綺麗にブレイクしている。

しかも、ラインナップにはたったの3人。

先客が上手くローテーションで波を回しているので、30分位してから海に入った。
ラインナップに着くと先客が手を出さない波を沢山テイクオフできた。
サワルナの波は選ばないと途中でクローズアウトしてしまうが、ウネリの方向が合っている波に乗れれば、200m位のロングライドが楽しめる。

リーフで力もあり、ファーストターンから気持ちが良い。
サイズはすこし小さかったけど、ドルフィンの必要もなくラインナップに戻れるので、この日は4時間も入っていた。

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僕らが海から上がるとラインナップにいたオージーが後から上がってきた。
海の中でも波を譲り合ったりできるマナーの良い人だったので、ポイントの前のワロンで話してみた。

彼はウエストジャワが気に入って現地の女性と結婚までしてしまったそうだ。

彼女はイスラム教徒。結婚するには彼もイスラムに改宗しなければいけなかった。
40歳過ぎてから、しかも病院が無い場所でのトラディショナルな割礼の儀式がどれほど辛かったかを語っていた。
イスラム教のAgusと僕もその話にお腹がよじれるほど笑った。
全世界共通の下ネタから盛り上がった話は海から上がって2時間もの間、インドネシア語と英語のMixで、政治や、もちろんサーフィンの話まで尽きることが無く、そこにいた数名のローカルを含めて最高に楽しく盛り上がった。

ワロンのおばさんもご機嫌で、財布を忘れた僕達にも無料で焼き魚ご飯やココナッツをふるまってくれた。
こんな人達とも知り合える「サーフィン旅」とはなんて素敵なのだろうと思い、僕の最終ラウンドが終わった...。

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あとがき

コラムに付き合って頂いた読者の皆様、ありがとうございました!

今回の旅行ですっかりサーフィンのモチベーションが戻ったので、また練習して良い波に乗れるように頑張ろうと思います。
皆様も楽しい波乗りができますように。

追記:Agusは僕が帰国してから二日後、グランドスウェルが届いたこのポイントで6ftオーバーのチューブをメイクしたが、ワイプアウト時にボードが足にヒット。
僕の1話目と同じように数か月はサーフィンが難しいそうだ...。


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好奇心旺盛なハルさんの次のディスティネーションはまだ未定ですが、次回は写真付きでパワーアップしたストーリーをお届けできそうです。
じめじめした梅雨が終われば、楽しい夏が待っています。

みなさんも新しい旅に向かってみては?