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ASPワールドツアー第5戦『Billabong Pro Teahupoo』終了!

2012-08-31 更新
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現地時間8月27日、ASPワールドツアー第5戦『Billabong Pro Teahupoo』が終了。
歴史的なビッグスウェルに恵まれた昨年に比べ、1週間以上レイデイが続くなど今年のタヒチ・チョープーは気まぐれな海の女神に振り回された感じでしたが、最後は公式4-6ftレンジの素晴らしい舞台が整い、選手達をストークさせ、ライブ中継を通して世界中のASPファンを魅了してフィニッシュ!

昨年のタイトルホルダー、ケリー・スレーター(USA)はR3でワイルドカードのリカルド・ドス・サントス(BRA)にラスト数分で大逆転をくらってしまい、敗退。タイトル争いでも2位から4位に転落...。

ファイナルはカレントリーダーのミック・ファニング(AUS・写真最上部)とパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)が対決。
主導権を握ったのは序盤に9.50と8.87をスコアしたパーコ。パーフェクトなチョープーのバレルを深い位置から綺麗に抜けて今シーズン初の優勝に向けて大きなアドバンテージを得ていました。
ミックとパーコ。同じゴールドコースト出身でグロム時代から競い合ってきた大親友、MCが言うところのクーリーキッズのベストフレンドに余計な駆け引きは必要無く、両者共に最高の舞台でどれだけ自分の限界に迫れるかの勝負。

パーコの先制攻撃を横目にミックは落ち着いて波を待ち、後半に9.37をスコアしてコンビネーションを抜け出すと土壇場で9.50を重ね、僅かにパーコを上回り、逆転!
ミックがトータル18.87 vs 18.37でクロスゲームを制し、ベルズに続き今シーズン2勝目を上げました!
「ファイナルは35分と十分。あとはどの波を選ぶかの勝負だと思っていたよ。チョープーの波はオンとオフがあるから、勝つには辛抱強さが大切。たった2分で二つの10ポイントを出すことも可能なんだ。だから、ファイナルは冷静になるべきだった。ジョエルはここではもちろん、全てにおいて最高のサーファーさ。最初は彼のリードで始まったけど、オレは自分のゲームプランに徹するだけだったね。ヒートの半ばで良いスコアを出した後、プライオリティは彼に移った。でも彼が選んだ波よりも、次にオレが乗った波の方が良かったみたい。あれは素晴らしい感じだったし、勝負の決め手にもなった。ストークしているよ」とファイナルを振り返ったミック。

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オージーでタヒチ戦を制したことがあるのは1999年のオッキーことマーク・オキルーポのみ。
ミック(写真上)が二人目のタイトル獲得ということになります。
「オレのキャリアの中でチョープーは特別な場所だし、この波では特に向上を目指しているよ。以前にもファイナルまで残った経験はある。今回は優勝を手に入れ、大きな自信になったさ。それに残りのシーズンに向けて最高の位置につくことが出来た。強敵揃いのゲームだから、まだ勝負は分からないけどね」

カレントリーダーの座をキープしつつ、前戦のフィジーよりも2位との差を広げて挑むシーズン後半。
2度のワールドタイトルを手にしたことがあるミックにとってここから先の方が重要な戦いになることは十分に承知していることでしょう。
ちなみにミックが今イベントで主に使用していたボードは6’0のクワッド。
ケリーが流行らせたと言われている短いボードにクワッドという形は特にバレル勝負で真価を発揮するのだとか...。

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実力的にはミックに決して引けをとらないパーコ(写真上) 11年のキャリアでは怪我を除くと常にタイトル争いに絡んでいますが、一度も頂点に立ったことはありません。
世代交代の波が押し寄せている12年目の今年。初のワールドチャンピオンに向けて早く1勝が欲しいところです。
「35分の内の残り4分まではオレのものだった。嫌な負け方だけど、ミックの責任ではないしね。彼が今イベントのチャンピオンだってことは認める。チョープーの要注意人物だってことも証明されたんじゃない?」とパーコ。

今回の結果によって3位から2位にランクアップし、後半戦に入ります。
「ファイナル進出は今年2回目。他にも結果は残しているし、残りのイベントも強さを維持出来ると思っている。今回のことは忘れて、次のトラッセルズに集中するよ」といつものように落ち着いた表情で話していました。

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今イベントで最も注目されていた選手の一人、ノースショアの神童、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW・写真上)はSFまで進出。
最後は波運にも見離されてパーコに抑えられたものの、SFでは完璧にバレルの中に姿を消し、ホワイトウェーターからマジックショーのように姿を現し、パーフェクトに近い9.67をスコア。
「セミファイナル進出だけでもストークしているよ。本当はファイナルまで進みたかったけど、あのヒートは波数が少なく、為す術がなかった。私達に波や場所を提供してくれたタヒチの人達には感謝の気持ちで一杯さ。とても美しい場所で、ずっと離れたくない気分だよ」とコメント。

第3戦のブラジルでの優勝を始め、開幕戦を除くとコンスタントに結果を残しているジョン・ジョンはトータルでも3位にアップしており、まずまずのシーズンを送っています。
トラッセルズ、ヨーロッパレッグ、サンタクルーズ、パイプラインと続く後半戦。
ミックやパーコにとってケリーより怖い存在になる可能性も十分にありそうです。

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なお、2010年にこの世を去り、彼自身タヒチでの最後のイベントを優勝で飾ったA.Iことアンディ・アイアンズに敬意を表して作られたスペシャルな賞、『Andy Irons Forever Award』には12年の歴史で初の2年連続ワイルドカード。
更にケリーとタジ・バロウを倒してQFまで進んだブラジリアンのリカルド(写真上)が受賞。
「アンディはヒーローだったよ。この賞は優勝するより嬉しいかも。彼はオレにインスピレーションを与えてくれ、サーフィンする意味を教えてくれたのさ。彼の家族から贈られた賞...。これ以上の光栄はないね。感謝するよ」と今は亡きアンディにまで届くようなビッグスマイルでインタビューに答えていました。

次のASPワールドツアーはカリフォルニア・トラッセルズに舞台を移動して行なわれる第6戦『Hurley Pro』
9月16日〜22日に開催されます。

ASPワールドツアー第5戦
『Billabong Pro Teahupoo』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 オーウェン・ライト(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
5位 リカルド・ドス・サントス(BRA)、CJ・ホブグッド(USA)、ジェレミー・フローレス(FRA)、ガブリエル・メディナ(BRA)

2012年ASPワールドツアー
『Billabong Pro Teahupoo』終了後のランキング
1位 ミック・ファニング(AUS) 34,750pt
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 31,700pt
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 27,450pt
4位 ケリー・スレーター(USA) 25,450pt
5位 タジ・バロウ(AUS) 24,950pt

Billabong Pro Teahupoo』公式サイト
http://www.billabongpro.com/tahiti12(PC用)

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photo: ASP Covered Images

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