『Hurley Pro』は残り12人に絞られてきた!
2012-09-20 更新

現地時間9月19日、一日のレイデイを挟んでASPワールドツアー第6戦『Hurley Pro』が再開。
新しい南ウネリがヒットした会場のローワー・トラッセルズは公式4-6ftレンジ。日本サイズで表現するとカタ前後からセットでヘッドオーバーの十分なサイズ。
玉石の上で割れる波は相変わらず規則的で、世界最高峰のレースを競うには相応しいコンディションでした。
この日はマンオンマンのR3からスタートし、勝ち上がった選手は3人ヒートのR4へ。
R4は1位がQF、2位と3位が敗者復活戦のR5に進むシステム。
負けても次があることから選手達はリスキーなアクションを試みることが多いのですが、ここで1位通過するのとしないのではファイナルデイの疲労度とモチベーションが変わるため、熾烈な争いが起きることもしばしば...。
R4では全てがクロスゲームとなり、特にH1では序盤からリードを握っていたケリー・スレーター(USA)が後半にインターフェアを犯して敗退という珍しい場面も...。
このヒートはタジ・バロウ(AUS)がラウンドアップし、他にもエイドリアン・バッカン(AUS)、パーコことジョエル・パーキンソン(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW・写真上・下)が1位通過でQFへ。

特にパーコ、ジョン・ジョンの調子が良く、パーコは9.93のハイエストスコア。ジョン・ジョンは18.57のハイエストヒートスコアを塗り替えていました。
「波は良い感じだったよ。パーフェクトなロワーズさ。最初の波は特に良かった。ターンした時からこれはいけるなと確信したね。アウトではテイラーから得るものもあったよ。彼は素晴らしいベテランだし、経験も豊富。みんなに慕われているんだ」とテイラー・ノックス(USA)とのヒート後に話していたパーコ。
カレントリーダーのミック・ファニング(AUS)、今イベントのタイトルホルダー、ケリーがR5の敗者復活戦行きとなり、僅かにアドバンテージを得たタイトル争いについては、「今はミックについていかないとね。彼のさっきのパフォーマンスを見たけど、ベストでは無いものの、確実な強さを感じた。彼は’モーメンタム・ビルダー’さ。つまり、イベントを建築に置き換えると、徐々に組み立てて最後に自分の形にしてしまう。それにケリー、タジのことも侮れないよ」とコメント。
ファイナルデイにはタイトル争いをしている全ての選手が残っており、優勝した者がフランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグの主導権を握ることが考えられます。

ミック(写真上)、パーコ、ケリーに比べるとタイトル争いにシリアスになっていない19歳のジョン・ジョンは逆に怖い存在と言えるでしょう。
R3では初日に活躍していたヤディン・ニコル(AUS)を大差で下し、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、ジョーディ・スミス(ZAF)とのR4ではエアーとマニューバーを融合したバリエーション豊かなライディングで中盤から追い上げて快勝!
「ヤディンとのヒートはスローだったけど、良い感じでスコアを伸ばせた。波も良かったよね。自分のせいか、波のせいかは分からなかったけど、何故か後半にスコアが出たのさ。ラウンド4ではボードを変えてフレッシュな気分で挑んだよ。おかげで楽しめた。ストレートでQFに進めて嬉しい。ラウンド5は難しいヒートになることが多いからね」とジョン・ジョン。
2011年の後半からツアーの仲間入りをしてから破竹の勢いで成長して結果も残しているジョン・ジョン。
今イベント、R3でオーウェン・ライト(AUS)に抑えられた昨年も、スコアだけ見れば肉薄しており、勝てるチャンスは十分にありました。あれから1年間の経験によって強くなったジョン・ジョンの戦い振りは要注目です。

冒頭でもお伝えした通り、インターフェアを犯して敗者復活戦のR5行きを強いられたケリー(写真上)ですが、サーフィン自体は決してぶれてなく、昨年に続いて今イベントを制する可能性は十分にありそう。
ローワー・トラッセルズでのイベント12年の歴史で7度のファイナル進出、5回の優勝経験を持つケリー。
ワールドツアーのトータル優勝回数は、すでにプロフィール欄に収められない状況ですが、今回優勝すれば通算50勝目となるそうです。
「ロワーズは大好きさ。小さい頃から常に1番と言えるくらいだね。ここで初めてサーフィンしたのは1984年かな。カリフォルニアに初めて来て、ここでサーフィンした時は興奮したよ。プロになって初優勝もここ。何かの縁があるんだと思うよ。オレの憧れトム・カレンも初優勝はここだったみたい。それにも特別なものを感じるよね」とロワーズへの思いを語っていたケリー。
ジョン・ジョンが生まれた1992年よりも8年も前にローワー・トラッセルズでサーフィンをしていたケリー。
特別な場所での記念すべき優勝が実現すればタイトル争い的にも面白くなってくるでしょう。
「正直、タイトルレースに戻るには壁があるね。後半戦は全てのヒートが重要になる。欠場したブラジル戦、リカルドとの対戦でバカなミスをしたタヒチ戦を捨て試合(ワールドツアーでは10戦中、上位8戦のポイントが有効になる)にするともう残りは無いんだ。良い方向に考えると、これは残りの試合に集中する助けにもなる。誰かが一気にタイトルを決めず、オレが良い結果を重ねられるように願っているよ」とケリーは最後に話していました。

ネクストコールは現地時間9月20日の朝7時30分(日本時間同日夜11時30分)で、30分後にスタート予定。
順調に進行すればファイナルデイとなるので、お見逃し無いように!
『Hurley Pro』公式サイト
http://www.hurley.com/hurleypro/(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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