「南スマトラ2012年夏⑤」
2012-09-28 更新
「Cimaja」では、Agusの友人のParumanの管理する宿に世話になることになった。
この宿は日本人の人が建てたようだ。
Parumanは「Cimaja」のローカルで、ポイントではいつも切れたライディングをする寡黙な男。日本語も話すので、日本人サーファーにも人気だ。
宿は丘の上にあり、2階の部屋からは「Cimaja」と「Indicater」の2か所のポイントが見渡せる。
久しぶりにParumanと再会してすっかり話し込んでしまったので、翌朝は8時頃まで寝てしまった...。
起床後、用意してもらったバイクに跨り、ポイントへ。
波はオーバーヘッドで、かなり良い波。ポイントにはすでに1ラウンドを終え、海から上がってきた顔なじみのローカル達とこの土地出身のインドネシアのサーフヒーローDede Sriyanaがいた。
Agusもすでに海から上がり、海は空いていた。今日は週末なのにどういう訳かジャカルタからのサーファーも少ない...。
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僕と遠藤は、人が増える前にとラインナップに急いだ。
南スマトラ同様に少し水が冷たいが、陽が上がっていたのでラッシュガードと海パンで入ることが出来た。
「Cimaja」のポイントもピークにポジションしていないとなかなか自分の番が回ってこない。
先に入っていたサーファー達に交じり、ラインナップの奥でじっと自分の番を待つ。
5本ほど見送ると、僕のところに形の良いオーバーヘッドのセットが入ってきた。波のピークの切れ目からテイクオフすると、この上ない気持ち良さ。
ここの波はクセが強く、掘れると予想しても急にショルダーが厚くなったり、たるいセクションから急に掘れあがってクローズしてしまったりとブレイクが読みにくい。
動体視力とこの波に慣れていないとタイミングを失ってカットバックのみになってしまう...。
1本乗るとまたラインナップに戻り、同じことを繰り返す。僕の番が回ってくると「Go!Go!」と掛け声してくれる優しいローカル達。
遠藤(写真下)もようやく慣れてきたようで、今日はテイクオフを繰り返している。
「天気が良く、人も少なくて、Cimaja最高!」と僕は心の中で叫んでいた。
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Dedeも充電を終えて再び海に入ってきた。
彼のサーフィンは他の誰よりもスムースで無駄な動きがなく、クローズのセクションも難なくクリアーしたと思ったら、フィニッシュに特大のエアーを披露するといった感じ。
もう1人目立っていたのはParuman。ここではチューブマスターだ。普通は見落としてしまうセクションでも柔軟に体を波の形に合わせてチューブをメイクしてしまう。
チューブから出てくれば垂直なリッピングを繰り返しながらインサイドまで繋いでくる。
他にもAspecやDedeの兄弟とローカルのセッションもレベルが高くて見ていて飽きない。
こういったローカル達がラインナップに並んでいても、ここのポイントは威圧感をあまり感じない。挨拶や秩序を守っていればビジターを受け入れる心を皆持っているようだ。
今回のセッションはクローズアウトする波が少なく、サイズも最大で頭半位。僕が今まで入った「Cimaja」で間違いなく1番良い波だった...。
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「Cimaja」に着いていきなり最高のコンディションを堪能したハルさん。
次はいよいよ最終回。
思わぬ結末が待っていたとか!?
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