『Quiksilver Pro France』 ケリー vs デーンの結果は?
2012-10-06 更新

今シーズンのASPワールドツアーはタイトル争いが白熱しており、ローワー・トラッセルズでの第6戦でケリー・スレーター(USA)が2勝目を上げたことによって更に面白くなっています。
ミック・ファニング(AUS)、パーコことジョエル・パーキンソン(AUS)、ケリー。少し離れて4位につけているジョン・ジョン・フローレンス(HAW)までが射程内。
そんな状況で始まったヨーロッパレッグのファーストイベント、第7戦『Quiksilver Pro France』ではカレントリーダーのミックがR3で早々と敗退し、パーコ、ケリー、ジョン・ジョンがSFに進出。
ミックにとっては悪夢のような展開でしたが、ASPファンにとっては感動的なドラマの最終回に向けてこれ以上無いようなストーリーに...。
ファイナルデイとなった現地時間10月5日はSFの2ヒートとファイナルの計3ヒートのみ。
舞台のフランス南西部・ホセゴー「LA GRAVIERE」は数え切れない程のサーフボードを餌食にしたイベント前半のワイルドな姿から大人しくなり、ファーストヒートとなったジョン・ジョン vs ワイルドカードのデーン・レイノルズ(USA)のカードは美しい朝焼けのビーチに沢山のギャラリーが集まってスタート。
デーンはR3でスコアしたパーフェクト10に近いバレルをメイクし、9.00。ジョン・ジョンも7ポイント台を2本重ねますが、6.70のバックアップスコアを手に入れたデーンが僅か0.1ポイント差でファイナルへ。
続くケリー vs パーコの対戦はバレルの出口が少なくなり、ミドルスコア勝負。
後半に5.67、6.60をまとめたケリーが2イベント連続のファイナル進出を決めます。

40分のファイナルは序盤からバレル合戦。まずは両者共にライトの波をくぐり抜け、デーンが6.50、ケリーが7.93を手に入れます。
慎重に波を選ぶデーンに対し、ケリーはライト、レフト共にテイクオフを繰り返し、綺麗な出口を見つけて9.33をスコア。
早くもデーンをコンビネーションスコアに追い込みます。
中盤、デーンは優先権を利用してライトの波にテイクオフ。バレルインの後に試みたフィニッシュのエアリアルはメイク出来なかったものの、7.50を重ねてコンビネーションを脱出。
この時点でデーンが逆転に必要なスコアは9.76。つまり、パーフェクトに近いバレルを探し当てることが求められていました。
ラスト数分、デーンは小さなバレルをメイクしますが、4.77止まり...。
トータル17.26 vs 14.00でケリーがこの勝負を制し、今シーズン3勝目!

「ここで再び優勝するのに20年もかかったよ!20年振りなんてクレイジーさ。もちろん、勝ちを狙っていたけど、デーンが最後に10ポイントを出して試合をひっくり返すなんて凄いシナリオでもストークしていたかな(笑)」とケリー。
今回の優勝がワールドツアー通算51勝目となったケリーですが、意外なことにフランスでの優勝は僅か2度目ということです。
表彰台では5Xのステファニー・ギルモア(AUS)からトロフィーを贈呈され、フランス語でのスピーチも披露。
タイトル争いでは3位から2位にアップし、12回目のワールドタイトル獲得も現実的になってきました。
「計算するとオレの最悪の成績は欠場と13位。それに対してパーコは5位と9位。今日パーコに負けていたら、プレッシャーがかかったけど、それは無くなった。このイベントではパーコとジョン・ジョンが上位に入ったこともあり、ミックが一番プレッシャーを感じているんじゃないのかな」と前戦の優勝後のインタビューよりも自信に満ちた表情でタイトルレースについて話していたケリー。
ちなみに今イベントでもケリーが使用していたボードはクワッド(4フィン)で、パーコやミック、デーンなどもヒートによってクワッドを使用。
今回のような掘れた波質には特に有効的ということです。


かつては「表彰台の一番上で自分がはしゃいでいる姿が想像出来ない」とコメントしたこともあるデーン(写真上)にとって、2位という成績は自らが望む最高順位なのかもしれません。
実力だけならケリーと同等という声も多いデーンに勝利に対する貪欲さがプラスされれば現役時代にワールドタイトルを獲得することも難しいことではなかったはず...。
そもそも’勝利に対する貪欲さ’をデーンに求めるのは間違っていますが、それだけデーンのサーフィンは高く評価されるべきだと思います。
ツアーを離れても、これだけ注目されてテイクオフ毎にワクワクさせてくれるサーファーが他にいるでしょうか?
「面白かったよ〜。こんな感じの波は大好きだし、オレにはヒートに勝つプレッシャーもないからね。自分のサーフィンに対してプレッシャーはかけているけど...。昨日と一昨日は強烈な波でチャレンジングだったけど、今日は最高に楽しかった。まさに’遊べる波’で、これ以上求められないくらいさ」とデーン。さらに「オレが現役だった時、毎年20イベントはこなしていたね。今年は10イベントの予定と他にもやることがある。忙しさで言えばまだ現役みたいなものだけど、ワールドタイトルレースには関係ないよ。コンテストに打ち込んでいた時は技に磨きをかけることに集中していた。でも、今年はそれよりも新しい方向性を探している感じかな。ジョン・ジョンとのパーフェクトな6フィートの波でのヒートがフランス戦でのベスト。とにかく、素晴らしいイベントだったね」と話していました。

昨年はツアーの仲間入りを果たしたばかりでフランスではR2敗退に終わっていたジョン・ジョン(写真上)でしたが、フル出場している今年は完璧にこの波を手なずけて、まるでホームのパイプライン/バックドアのバレルを楽しむようにリラックスしたスタイルを披露。
ブラジルでの第3戦の優勝後、全てQFかSFまで進出しているコンスタントさも特筆すべきことでしょう。
「もちろん、ファイナルには進みたかったさ。0.1ポイント差なんて凄い惜しいよね。逆に大差で負けた方が諦めがついたよ。なんだかカットバックしちゃった感じ...。でも、セミファイナルまで進めてハッピーさ。毎日が楽しい’クレイジーなショアブレイクバレル’だったね」とジョン・ジョン。さらに「早くポルトガルで戦いたい。波は基本的に同じようだけど、もっとコンパクトな感じなのかな。待ち遠しいね。今回の結果は良いけど、タイトルレースからは遠ざかってしまったみたい」とコメント。
昨年のポルトガル戦はR5まで進み、僅差でビード・ダービッジ(AUS)に抑えられていたジョン・ジョン。
ポルトガルのパイプラインと呼ばれる「Supertubos」を始め、極上の波が点在している次のペニチェでのイベントでの戦い振りも注目です。

今シーズン、まだ優勝こそ無いものの、9位が一番悪い成績で、3度のファイナル進出、2度のSF進出を果たしているパーコ(写真上)はブラジル戦終了後以来のカレントリーダーの座に立ち、残り3戦に挑みます。
「後半戦で主導権を握るのは嬉しいよ。次も同じような波に恵まれれば最高のイベントになると思う」と話していたパーコですが、2位のケリーとの差は僅か750ポイントしかなく、3位のミックでさえ3200ポイントとまだクロスゲームと言えます。
カレントリーダーと言っても手放しでは喜べない状況なのは、パーコ自身が一番理解していることでしょう。
次の第8戦は10月10日〜21日にポルトガル・ペニチェで開催される『Rip Curl Pro Portugal』です。
ASPワールドツアー第7戦
『Quiksilver Pro France』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 デーン・レイノルズ(USA)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジョエル・パーキンソン(AUS)
5位 ミゲル・プーボ(BRA)、コロヘ・アンディーノ(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)、キーレン・ペロー(AUS)
2012年ASPワールドツアー
『Quiksilver Pro France』終了後のランキング
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 46,200pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 45,450pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 43,000pt
4位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 39,150pt
5位 タジ・バロウ(AUS) 31,900pt
『Quiksilver Pro France』公式サイト
http://quiksilverlive.com/profrance/2012/(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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