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『Rip Curl Pro Portugal』終了!注目のタイトル争いは?

2012-10-20 更新
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現地時間10月19日、ASPワールドツアー第8戦『Rip Curl Pro Portugal』が終了!
舞台となったポルトガル・ペニチェ「Supertubos」は前日同様に難しいコンディションでしたが、セミファイナルではジュリアン・ウィルソン(AUS)が今イベントのハイエストヒートスコア19.27をマークするなど、たまにハイクオリティな波も入り、天候も回復して鮮やかな虹も見られたファイナルデイでした。

ファイナリストに選ばれたのはジュリアンとこのブレイクを遊園地で遊ぶ子供のように楽しんでいたガブリエル・メディナ(BRA)の二人。
序盤は両者共に7ポイント台をベースにヒートが進行。僅かにバックアップスコアが上回っていたガブリエルがリードを保ち、後半は6.77、7.47を重ねてジュリアンをジリジリと引き離していきます。
ラスト数分でジュリアンが逆転に必要なスコアは7.55。必死にチューブ、エアリアルにトライするものの、メイクは出来ず...。
残り30秒。ライトの波をキャッチしたジュリアンはテイクオフ直後にバレルに包まれ、ガブリエルがラインナップで見守る中、出口を見つけてフィニッシュまでキッチリと決めて逆転を確信したかのようなアピール。
そのままビーチに上がり、ジャッジの答えを待ちます。
両者共に心ここに在らずといった状況でコールされたスコアは8.43!
ジュリアン(写真最上部・下)がワールドツアー初優勝を決め、仲間達に担がれて表彰台に向かいました。

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「まだ勝利の実感が沸かないよ。昨年のフランス戦のファイナルでは土壇場でガブリエリに逆転されたんだ。それのお返しが出来た気分はどう説明して良いのかな?彼は最後までリードを保とうとしていた。相手を意識し過ぎていたその姿は昨年のフランス戦でのオレみたいだったね。終了間際に波が来てスコアを上げたのさ。もう、言葉にならない。ハッピーとしか言いようがないよ」とジュリアン。さらに「逆転可能なスコアは出たと感じたけど、やけにギャラリーが静かになっていたし、多くのサポーターはポルトガル寄り(同じポルトガル語を母国語にするガブリエルのこと)だったと思い、海から上がってビーチを歩いていた段階で自信を失ってしまったんだ。オレの後ろにいたウィルコ(マット・ウィルキンソン)も100パーセントとは思わなかったみたい。だから、スコアが読み上げられた時は凄い嬉しかったよ」とファイナル直後、興奮気味に話していました。

8月にカリフォルニア・ハンティントンビーチで開催された『Nike US Open of Surfing』で優勝したジュリアンでしたが、プライムとツアーの優勝には明確な差があったようです。
インタビューでは、「今年一番の目標はツアーでの1勝だった。ハンティントンでの優勝は確かにデカかったけど、ツアーとは違う。今回優勝を成し遂げることが出来て信じ難い気持ちだよ」とコメント。

ジュリアンの強さの秘密はサーフィンの技術はもちろん、精神的な強さだと感じます。
オーウェン・ライト(AUS)とのQFでも終了直前に逆転をして勝ち上がり、ファイナルでの更なる逆転劇。
’最後まで絶対に諦めない’という勝負の世界では一番大切なマインドをギャラリーやライブ中継を通して世界中のファンに伝えていました。

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昨年はルーキーにして2勝を上げ、瞬く間にスターの座を手に入れたガブリエル(写真上)
今シーズンは優勝こそ無いものの、フィジー戦で2位に入り、トータル8位とツアー2年目にしては素晴らしいシーズンを送っています。
「ジュリアンとのヒートは厳しかったね。残念ながら最後の波で彼はスコアを出してしまった。でも、イベントを通して見ると楽しかったし、波は本当に良かったよ」とコメント。

表彰台では勝負に負けた悔しさと色々な思いが湧き出て涙を流す姿も。更に自分のインタビューが終わると最後のシャンペンファイトも待たずに早々と退散...。
18歳のガブリエルにとって今後の課題は精神的な部分なのかもしれません。
逆にそれさえ克服出来れば他の選手にとってモンスターのような存在になる可能性を秘めているのでは?

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昨年、この場所でケリー・スレーター(USA)とファイナルを戦って見事に頂点に立ったエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA・写真上)
若い選手が大半のブラジリアンの中で兄貴的存在となって自らもコンスタントな成績を重ねています。
今回の結果によってランキングも5位にアップさせ、サンタクルーズ、パイプラインの残り2戦に挑みます。

「気分は悪くないね。3位は立派な成績だし、このイベントでトップ3に入れたんだ。凄い嬉しいよ。それにブラジルを代表してメディナがファイナルを戦う姿を見れて本当にハッピーさ。オレの国全体が彼を誇りにしていると確信している。ブラジリアン同士のファイナルが実現すれば素晴らしかったけどね...。ジュリアンのことはリスペクトしているさ。彼のサーフィンは驚くべきものだし、セミファイナルでも凄い良かった」とエイドリアーノ。さらに「この2週間は全て同じ流れの中にあった。フランスでは良い結果を残せず、今イベントのディフェンディングチャンプとしてプレッシャーを抱えながらここにやってきたんだ。プレッシャーは大きかったよ...。今年の目標は5位以内だから、今回の3位は良い結果と言える。ポルトガルとブラジルアは友好国だし、強い繋がりがある。食べ物もそうだし、多くのことがとても似ているんだ。まるでセカンドホームのようさ」と他のブラジリアンのお手本になるようなしっかりとしたコメントを残していました。

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タイトル争いではカレントリーダーのパーコことジョエル・パーキンソン(AUS・写真上)が3位。2位のケリーが13位。3位のミックが9位という結果となり、ランキングは変わらないものの、パーコとケリーのポイント差が750ポイントから5500ポイントに一気に広がってケリーとミックの差が2450ポイントから200ポイントに縮まっています。

10戦中、上位8戦のポイントで争われる今シーズンのワールドツアー。ケリーとミックが13位を2回。ケリーは欠場が一回に対し、パーコは最低が9位と次が5位。残り2戦の内、1戦でミスを犯しても1戦で上位に入れば初のワールドタイトル獲得の確率は非常に高いと言えるでしょう。

「コンディションは悪かった。リップの下を抜けるだけで精一杯だったよ。早い時間帯はバレルもあったけど、あくまで過去形。オレ達のヒートの時には潮が動いて悪くなってしまったのさ。残念だけど、こんなことは良くあるし、与えられた条件でやるしかないんだよ。3位という結果は良いんじゃない。楽しんでやっているよ。6週間前、トラッセルズで3回目の2位を手に入れた。現在も最低は9位。この結果を持ってサンタクルーズに乗り込むだけさ」とパーコは自らの最終ヒート、タイトル争いの話をしていました。

次のASPワールドツアー第9戦はカリフォルニアのサンタクルーズに舞台を移動して11月1日〜11日に行なわれる『O’Neill Coldwater Classic Santa Cruz』
プライムから格上げとなった今イベント。冷たい海水と強豪ローカルがトップ34を待ち受けています。

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ASPワールドツアー第8戦
『Rip Curl Pro Portugal』結果
1位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
5位 ジョシュ・カー(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、オーウェン・ライト(AUS)、ジェレミー・フローレス(FRA)

2012年ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro Portugal』終了後のランキング
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 52,700pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 47,200pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 47,000pt
4位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 44,350pt
5位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 37,650pt

『Rip Curl Pro Portugal』公式サイト
http://live.ripcurl.com/?portugal2012(PC用)

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photo: ASP Covered Images

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