『Van’s World Cup』 3日目はビッグマニューバー勝負!
2012-12-04 更新

オアフ島・ノースショアのサンセットビーチで開催中のプライム『Van’s World Cup』は贅沢なまでの波に恵まれ、現地時間12月3日にRound of 64の全てのヒートが終了。
総勢128人のアスリートが32人まで絞られ、後はファイナルデイを残すのみとなりました。
この日のサンセットビーチは公式6-8ftレンジの北北西ウネリがヒット。インサイドボウルが炸裂したRound of 96よりも西混じりのウネリだったため、アウトの広大なオープンフェイスでのビッグマニューバー勝負が中心。
クセのある波質からローカルが有利とされるこの舞台。ビリー・ケンパーが今イベント初のパーフェクト10をスコアしたのを始め、パンチョ・サリヴァン、サニー・ガルシアなどが素晴らしいパフォーマンスを披露してラウンドアップ。
その他にも『Reef Hawaiian Pro』で優勝したシーバスことセバスチャン・ズィーツ、2年連続のトリプルクラウンを狙うジョン・ジョン・フローレンス(写真最上部)、ジェイミー・オブライエンなどの若手ハワイアンの強さも際立っていました。

特に注目を集めていたヒートはビリーとジョン・ジョンがラウンドアップを決めたH9。
このヒートにはジョン・ジョンの弟、ネイザン・フローレンスと『Reef Hawaiian Pro』で3位に食い込んだフレッド・パターチアも加わり、Round of 64では唯一ハワイアン、それもノースショアローカルオンリーのカードになっていました。
今イベントのディフェンディングチャンピオンでもあるジョン・ジョンは、「ヒートの組み合わせを見た時、一番に弟のことを考えて待ち切れないほど興奮したよ。彼とのサーフィンは楽しかったし、二人でヒートを通過出来れば良いなと期待していたけど、上手くはいかなかったね。難しい波になってしまって、ビリーが序盤に10ポイントを出したのが大きかったかな。サンセットを手なずけるのは不可能に近い。変化が激しいからね。ヒートでは出来るだけ沢山の波に乗ろうと考えていたよ。思ったよりも波はデカくて想像していた波質とも違かったけど、ここでは良くあることさ。特に西風が吹いた時、ここの波は難しくなるんだ」とヒートを振り返っていました。

ちなみにビリー(写真上)が10ポイントを出したライディングは、まさに究極のパワーサーフィン。
ジョン・ジョンの弟、ネイザンはスタイルこそ兄に似ているものの、通常よりも幅が広いボードをチョイスした影響か、スコアを伸ばせませんでした。
その模様は公式サイトの「HEAT ANALYZER」でチェックしてみましょう。


久々にトリプルクラウン獲得を狙っているケリー・スレーター(USA・写真上)はH8に登場。
いつも通りの短いボードで大きなターンを重ね、器用にインサイドボウルでのバレルまで手に入れて8.67を含むトータル17.04でRound of 32進出を決めています。
「トリッキーな波だね。ワールドタイトルに関係無いこともあり、普段からサンセットでサーフィンすることは少ないんだ。重要なのはポジショニングや波の選び方、ウネリの向き。言い訳はしないけど、サンセットで多くを過ごしたことは無いし、大好きな波とも言えない。でも、チャレンジングだし、サニー、ジョン・ジョン、パンチョみたいにここを得意とする素晴らしいサーファーもいるのは確かさ」とサンセットについて語っていました。
パイプラインでは5度の優勝経験があるケリーですが、意外なことにサンセットの優勝経験は無し。
トリプルクラウン自体に取り組んだ時期も少なかったため、サンセットでサーフィンするケリーを見るのは貴重と言えるでしょう。
その他にRound of 32進出を決めたのはジュリアン・ウィルソン(AUS)、キーレン・ペロー(AUS)、トラビス・ロジー(ZAF)、クリス・ワード(USA)、ジェレミー・フローレス(FRA)、グレン・ホール(IRL)、テイラー・ノックス(USA)、エイドリアン・バッカン(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ジェシー・メンデス(BRA)、ダミアン・ホブグッド(USA)、ジェイ・トンプソン(AUS)、リンコン・テイラー(AUS)、パース・スタンドリック(AUS)、ブレット・シンプソン(USA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、ナット・ヤング(USA)、CJ・ホブグッド(USA)、リカルド・ドス・サントス(BRA)、マーク・ラコマー(FRA)、アダム・メリング(AUS)、アレホ・ムニーツ(BRA)、ターナー・グダスカス(USA)、カイ・オットン(AUS)、ネイザン・ヨーマンズ(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)
ネクストコールは現地時間12月4日の早朝(日本時間5日の早朝)です。
北北西ウネリは続く予報なので、ファイナルデイとなる可能性が高いでしょう。
なお、パイプラインで開催される最終戦『Billabong Pipe Masters』は今年も日本語でのライブ中継が配信されます。
今年のMCは6年連続『THE EDDIE』に招待された脇田貴之と西湘出身の関本海渡。
ASP JAPANゼネラルマネージャーの近江俊哉や、他にもゲスト解説者を招き、分かりやすくイベントをフォローしてくれる予定です。
『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
http://vanstriplecrownofsurfing.com/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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