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『Billabong Pipe Masters』は感動的なラストに!

2012-12-15 更新
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ASPワールドツアー&トリプルクラウンの最終戦『Billabong Pipe Masters』が現地時間12月14日に終了し、パーコことジョエル・パーキンソン(AUS)がファイナルでジョシュ・カー(AUS)を抑えて優勝!
ケリーとの熾烈なタイトル争いにも決着がつき、初のワールドタイトルを手に入れました!

「パイプマスター、ワールドタイトルが同時に手に入ったなんて夢のようさ。何年も前から経験している大きなプレッシャーに支配されると考えていた。自分がやるべきことは分かっていたよ。彼に左右されるべきでは無いってこともね。ケリーはシェーン(ドリアン)との対戦がピークになると思った。彼は強敵だからね。それにカー(ジョシュ)はケリーにとって苦手な相手なのも知っていたさ。カーがケリーに勝った時、一気に吹っ切れた感じだった。もう、感情も抑えられなかったね」と初のタイトルの喜びを語っていたパーコ。

さらに「コンスタントな成績が最後に身を結んだね。オレは今、一年の終わりに一番立っていたい場所にいる。これがオレの人生を捧げたことさ。この気持ちを言葉で表すことは出来ないよ。今までは2位止まりだったり、アップダウンを繰り返していた。ドン底まで落ちて、そこから戻ってきたから、なおさら嬉しいのかもね。ハワイ、オーストラリア、そして世界中からの愛を受け取った。オレには十分過ぎるほどのサポートに感謝しているよ」と話していました。

海から上がり、親友のミック・ファニング(AUS)と熱いハグを交わし、ミックとマクア・ロスマン(HAW)に担がれて最高の気分でビーチ凱旋を味わったパーコ。
その頃、ノースショアにはダブルレインボーが姿を現したとか...。

表彰台ではトロフィーに加え、1972年、73年のパイプマスター、ジェリー・ロペスから本人が制作したスペシャルサーフボード型トロフィー(アンディがパドルアウトしている絵が描かれている)を贈呈され、高々と持ち上げていました。

2001年にツアーの仲間入りを果たし、2002年には早くも2位という驚異的な成績を残していたパーコ。
2011年までに通算4回の2位、怪我をしたシーズン以外はほぼ毎年のようにタイトル争いに絡んでいましたが、ケリーやミック、今は亡きアンディ・アイアンズ(HAW)などの強豪なライバルに阻まれ、ワールドタイトルには手が届きませんでした。
10年以上も争い、もがいてきたこの舞台でようやく手に入れた栄冠は本人以外には理解出来ない喜びだと思います。

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今シーズンは7月末のツアーの合間にモロカイとオアフの約51kmをパドルボードで渡る『Molokai 2 Oahu Paddleboard Race』に参加したパーコ。
あくまでリフレッシュのために参加したこのイベントでしたが、違う舞台でチャレンジした経験が初のワールドタイトル獲得にプラスになったとも言えるでしょう。

表彰台では2010年に突然この世を去った親友のアンディのことも訪ねられ、彼との思い出を語り、最後には天国のアンディに挨拶をしたパーコ。
サングラス越しにも涙をこらえているのが分かる感動的な場面でした。

パーコのスピーチが終わり、表彰台にはケリーが登場。
「アンディのエネルギーを感じたし、またアンディーにやられたよ」と笑いながら話し、昨年のワールドチャンピオンから今年のワールドチャンピオンにトロフィーが渡され、素晴らしいイベントのセレモニーが終了しました。

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ミゲル・プーボ(BRA)とのR5ではトレードウィンドが強めに吹き続くトリッキーで難しいコンディションを逆に楽しむかのように激しいチャージを魅せて9ポイント台を2本まとめて圧勝。
シェーン・ドリアン(HAW)とのQFではデットヒートの末にパーフェクト10を叩き出してSF進出を決めたケリー(写真上)でしたが、このヒートがピークとなり、初戦ゴールドコーストのQFでも敗れているジョシュ・カー(AUS)に大差で敗退...。
この時点で失ったタイトルの権利の悔しさのためかヒート終了後も海からなかなか上がらず、母なる海と対話をしているかのように佇んでいました。

「ブラジル(不参加)をミスったのが始まりだった。その前に踵を切ってしまい、思うようなターンが出来なかった。しばらく休んで集中し直そうとしたんだけど、チョープー(タヒチ)では最悪の結果。2度、3度と続けてミスをしてしまい、対戦相手のリカルド(ドス・サントス)にラスト7秒で9.8をスコアされて逆転されたのさ。ここ数ヶ月は不運が重なり、フランス(優勝)の後はポルトガル、サンタククルーズと不安定になった。まあ、どんな理由があっても流れはパーコにあったね。今回の戦いはクールだったし、もしもファイナルで対戦出来たらもっと良かった。ジョエルはツアーに入った当初からタイトルを狙える位置にいて10年も11年も狙っていたんだ。彼は素晴らしいサーファー。難しいことを最も簡単に見せることが出来るし、どんな時でも勝利を呼び寄せることが出来る奴さ」と今シーズンを振り返り、ライバルのパーコを称えたケリー。

まだ確かではありませんが、誰よりも負けん気が強いケリーが目の前まで迫っていたタイトルを奪われたままツアーを去ることは考えにくく、来年は更にパワーアップして12度目のチャンピオンを狙ってくると思います。
ケリーがいないワールドツアーなんて想像もつかないですし...。

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同郷のタイトルを自分のことのように喜んでいたジョシュ(写真上)はこの日一番チャージしていた一人と言えるでしょう。
ファーストヒートとなったR4ではハードなワイプアウトをしてしばらく波打ち際で動けなかったほど...。
序盤に稼いだポイントで1位通過を果たしたものの、改めてノースショアの波の威力を見せつけられた一幕でした。

次のQFではパーフェクト10を出したヤディン・ニコル(AUS)に対して8.00と7.00を返し、トータルスコアで上回ってSFへ。
ケリーとのSFはヒート開始直後にバックドアのディープなバレルに包まれて9.20をマーク。このヒートは波数が少なく、この1本が決め手となってワールドツアー初のファイナル進出を決めていました。

「忙しい一日だったよ。最初のヒートでひどいワイプアウト。あれで首を強く打って左半身が麻痺状態さ、レントゲン撮影をしてから次のヒートに戻り、ファイナルまで進むことが出来た。’おめでとう!パーコ’。来年もこの場所に戻り、今度は優勝を狙うよ」とジョシュ。

ワールドツアー初優勝は逃したものの、2011年と同じランキング8位でトップシードをキープしています。

ワイメアでの『THE EDDIE』とマウイ島・ジョーズでの『Red Bull Jaws Paddle at Peahi』を除くと2012年のコンテストはこれで終了。

2013年のワールドツアーは3月初旬のゴールドコーストからスタートですが、1月下旬にはパイプラインで5スター『Volcom Pipe Pro』が開催されます。
この素晴らしい舞台で再びどんなドラマが繰り広げられるのか?

BCMでもフォローしていくので、お楽しみに!

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(パーコ&ミック)


ASPワールドツアー第10戦
『Billabong Pipe Masters』結果
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
2位 ジョシュ・カー(AUS)
3位 ダミアン・ホブグッド(USA)、ケリー・スレーター(USA)
5位 セバスチャン・ズィーツ(HAW)、CJ・ホブグッド(USA)、ヤディン・ニコル(AUS)、シェーン・ドリアン(HAW)

2012年ASPワールドツアー最終ランキング
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 58,700pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 55,450pt
3位 ミック・ファニング(AUS) 47,000pt
4位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 44,350pt
5位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 42,350pt

『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト
http://vanstriplecrownofsurfing.com/(PC用)

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photo: ASP Covered Images

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