ニューキャッスルはクイーンズランドの選手が制した!
2013-02-24 更新

ASPワールドツアー開幕戦『Quiksilver Pro』&『Roxy Pro』の前に行なわれる最後のイベント、『Burton Toyota Pro』&『Hunter Ports Womens Classic』(共に6スター)がオーストラリア・ニューキャッスルで開催され、現地時間2月24日に終了。
ハーバー内からメイン会場の「Merewether」に戻り、Round of 12からファイナル、ウィメンズはファイナルのみが行なわれました。
開幕戦が行なわれるゴールドコーストからは距離があるものの、最終調整のために多くのトップ34、ウィメンズのトップ17が参加してハイレベルな戦いが繰り広げられていた今イベント。
ファイナルデイは前日までの大雨が嘘のように晴天に恵まれ、ギャラリーはレインウェアから真夏の軽装に着替えて会場を埋め尽くしていました。
「Merewether」のコンディションはヒートが進む毎に風の影響が大きくなり、一言で言えば、ジャンク。ジェットスキーのサポート無しではゲットも厳しく、アウトでのポジション、波選びが重要な鍵を握る展開でした。
そんな中でもトップ34の選手は強く、ファイナリストの2つの席はパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)とアレホ・ムニーツ(BRA)が獲得。


ファイナルは序盤に8.93と6.50をスコアしたパーコがアレホをコンビネーションスコアに追い込み、進行。後半には7.33を返してコンビネーションは抜け出したものの、逆転には8.11が必要なシチュエーション。
悪化傾向のコンディションで8ポイント台を出すのは難しく、そのまま終了のホーンが鳴ってパーコ(写真上)の勝利が確定しました。
「ワールドチャンピンになって初のイベントで勝てるなんて最高だね。昨年のシーズン後半はオレにとって素晴らしかった。このイベントにも大きな自信を持って乗り込めたよ。ウォームアップのためのイベントだったけど、予想以上に良い舞台だったし、みんなの勝利に対する気持ちは強かった。このイベントの優勝を誇りにして来週の戦いに挑むよ」と優勝の喜びを語っていたパーコ。
昨年念願のワールドタイトルを手に入れ、今年は守る立場にいるパーコですが、普段は出場しない6スターイベントにも顔を出して早くも結果を出せたのは、技術の他に精神的な部分が大きかったのかもしれません。
開幕戦は地元での開催のため、ローカルナレッジが活かされる一方、プレッシャーもかかります。
更にワールドチャンピオンの肩書きがプラスされた今年、どんな戦いを見せてくれるのか楽しみにしておきましょう!


ウィメンズはサリー・フィッツギボンズ(AUS)とクイーズンランド・サンシャインコースト出身の21歳、ディミティー・ストイル(AUS)が対決。
サリーが序盤にスコアした7.67をベースにリードを握るものの、ディミティーが角度のあるリップアクションをメイクして8.67をスコア。更に中盤にはインサイドまでキッチリとまとめて6.00を重ね、サリーを逆転します。
後半は両者共に波選びに苦戦してロースコア止まり。ディミティー(写真上)が逃げ切る形で優勝を決めました。
「私が勝ったなんて信じられないわ!アウトではスコアが聞こえなくて、サリーが教えてくれるまで私が優勝したのか分からなかったの。彼女に担いでもらってビーチ凱旋した気分は最高!とても良い親友だし、尊敬しているサーファーでもあるのよ」と興奮気味に話していたディミティー。
まだジュニア枠の彼女ですが、6スターでの優勝で大きなポイントを稼ぎ、エリートツアーの仲間入りに一歩前進。
メンズを含めて見ても今イベントはオージーの層の厚さを改めて感じさせた1戦。
優勝したパーコ、ディミティー共にクイーンズランド出身というのも特筆すべきことだと思います。

先日行なわれた今シーズン最初の6スターイベント『Breaka Burleigh Pro』で優勝したサリー(写真上)。今回は優勝こそ逃したものの、女王・ステファニー・ギルモア(AUS)が早々と敗退する中、コンスタントにスコアを重ねて勝ち進み、昨日のSFではシャローなリーフブレイクで見事なチャージを披露。9.93のハイエストスコアを含む、19.43のハイエストヒートスコアを叩き出して圧倒的な強さを見せつけていました。
「このイベントはとても調子が良かったし、前回の優勝に今回は2位と来週の’Roxy Pro’に向けて万全の構えね。特に昨日のチャレンジングな波でのパーフェクトに近いヒートスコアは大きな自信になったわ。いつでもかかってこい!って感じよ(笑)」とチャームポイントでもある’サリースマイル’を振りまきながらコメント。
ワールドツアーでは2010年から3年連続で2位のサリー。今年こそは頂点に立って欲しいと多くのファンが願っていることでしょう。
さて、『Breaka Burleigh Pro』に『Burton Toyota Pro』&『Hunter Ports Womens Classic』と開幕戦前のオーストラリアレッグが終わり、世界のトップはゴールドコーストの戦いに向かいます。
最新の情報だとスナッパーロックスよりも、グリーンマウント〜キラ方面のサンドバーが決まっているため、会場が移動する可能性もありそうです。
ワイルドカードの一枠(もう一枠はデーン・レイノルズが獲得)を決めるトライアルには日本から林健太が挑戦。
ミッチ・クルーズ、マット・バンティング、ネイザン・ヘッジなどの強豪オージーが中心の厳しい戦いになりそうですが、奮闘に期待しましょう!
トライアルには他にもアメリカ国籍ながら日本人の両親を持つ五十嵐カノアが最年少で出場権を得て、ウィメンズの『Roxy Pro』には大村奈央がクレジットされています。
6スター『Burton Toyota Pro』結果
1位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
2位 アレホ・ムニーツ(BRA)
3位 キアヌ・アシング(HAW)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)
6スター『Hunter Ports Womens Classic』結果
1位 ディミティー・ストイル(AUS)
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
3位 コートニー・コンローグ(USA)、ビアンカ・ビテンタグ(ZAF)
『Burton Toyota Pro』公式サイト
http://surfest.prosurfinglive.com/(PC用)
photo: ASP Covered Images
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