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『Quiksilver Pro』キラで最高のファイナルデイを迎えた!

2013-03-13 更新
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世界のトップ34が全10戦を争う2013年のASPワールドツアー。開幕戦がオーストラリア・ゴールドコーストで開催され、現地時間3月13日に終了!

トロピカルサイクロン「サンドラ」の接近によって前日からサイズアップ傾向となった東よりのウネリを考慮してコンテストディレクターの元ツアー選手、ジェイク・パターソンはスナッパーロックスからキラへ舞台を移動。
一足先に終了した『Roxy Pro』の時はすぐに波が悪化してしまい、決断ミスとも言われていましたが、今回はその名誉挽回に十分なコンディションに恵まれ、素晴らしいファイナルデイになりました。

ファイナルデイに残ったのはケリー・スレーター(USA)、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ミシェル・ボウレズ(PYF)、ミック・ファニング(AUS)の4人。
ジョエルがミシェルを完璧に抑え、ケリーがパーフェクト10を叩き出し、ミックを逆転してファイナルへ。

「ケリー vs ジョエル」
昨年のワールドチャンピオンと2位が最後の勝負に辿り着きました。

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40分のファイナル序盤は激しいバレル合戦。キラでスコアを伸ばすにはバレルを抜けるのが大前提で、いかに厚いリップを持つ波を選ぶか、いかに深い位置に身を置くかがポイント。
前半はパーコがやや優勢という形でしたが、中盤に差しかかる頃にケリーがバックドアカインドのバレルをメイク。更にフィニッシュにパワフルなカービングレイバックまで披露して9.83をスコア。
トップに立つと同時に9.89が必要なシチュエーションまでパーコを追い込みます。
ラスト10分。パーコは抜ければ10ポイントが出そうなバレルに入りますが、優先権を持っていたケリーがそれを阻止するために強引にドロップイン。背後ではパーコが中指(写真上)を立てて潰される場面も...。
これもコンテストの世界では当たり前の行為で、勝つためには必要な手段。ケリーでさえここまでしないと一瞬でひっくり返される可能性があるのです。
結局、この1本が最後のチャンスとなり、ケリー(写真最上部・下)がパーコを抑えて優勝を手にしました。

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「楽しい一日だったよ。先日、キラが凄い良かったって聞いてたから、是非ここでやりたかったんだ。ウネリの向きが東に傾き過ぎと思ったけど、今日は本当に良い波でジョエルとのファイナルが最高のものになった。彼はベストなサーファーさ。二人で楽しんじゃったよ」と表彰台でのインタビューに答えていたケリー。

ワールドツアー52回目の優勝を決めたケリーの今シーズンの目標はワールドタイトルのみ。いつもは開幕戦の直前までツアーを戦うか気持ちは半分半分なのに対し、今年は最初から準備万端でタイトルのことを考えていたそうです。

「結果はもちろん、最高のスタートになった。オレとパーコとミック、3人のトップシードが3位以内に入り、ミシェルにとっても素晴らしいイベントになったね。その年によって運気が変わり、沢山の出来事があるけど、今年の選手、残された9イベント共に多分今までで最高なんじゃない?今シーズンはやる気満々だよ。さあ、次に行こうぜ!」と笑顔で話していました。

6月にはバリ島・クラマスが初の開催地に選ばれ、その前後にはフィジー、タヒチとまさにドリームツアーの今シーズン。
41歳のケリーが最高の波でどんなパフォーマンスを魅せてくれるか、楽しみにしておきましょう!

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前日のスナッパーロックスでのQFに続き、ミシェルとのSFでは1本目でダブルバレルに包まれて今イベント2回目の10ポイントを叩き出したジョエル。
ヒート途中には調子が良いサーフボードを折らないように他のボードにチェンジしてファイナルに備える余裕まで見せていました。

2009年にモンスタースウェルがヒットしたキラの戦いでもまるでフリーサーフィンのように笑顔で楽しみ、10ポイントを出して優勝。その年以来のキラでの開催となった今回も、たった二人でラインナップを独占、更にジェットスキーのアシスタント付きという夢のようなシチュエーションを楽しみ、座る余地がないくらいギャラリーが集まったオールスタンディングのステージで主役を演じていました。

「キラでのイベントは楽しみ過ぎちゃって戦っている感じがしないんだ。今日は最高の波だったしね。全てのローカルのサポートに感謝するよ。2位という良いスタートを切れた。次はベルを鳴らしたいね」とジョエル。

ちなみにジョエルの自宅はキラから歩いても行ける至近距離。まさに裏庭での戦いだったのです。

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ジョエルと同じくローカルのミック(写真上)
2009年の時はSFでジョエルと対決し、そのヒートでもジョエルは10ポイントを出してミックを封じ込めたのでした。
今回も多くのギャラリーが「ジョエル vs ミック」の再対戦を望んでいたでしょうが、本気で勝ちにきていたケリーに敗退...。

ケリーとのSFの後でミックは、「難しいけど、あのようなヒートで焦ってはいけないんだよね。スタートはハイスコアを出して凄い良かった。でも、ケリーが彼流の見事な仕事をして10ポイント。あれで完全にひっくり返ったのさ。残念ながらジョエルとファイナルは戦えなかったけど、とりあえず良いスタートを切れた。すぐにベルズ戦に頭を切り替えるよ」とコメントを残していました。

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恐らく、キラでの経験がほとんど無いであろうミシェル(写真上)
前日までのスナッパーロックスでのマニューバー勝負からバレル勝負になり、なおかつクセのあるキラの波、川のようなカレントに翻弄されてしまい、ジョエルとのSFでは僅か2本しか乗れず...。

「ローカルのパーコとのヒートは本当にハードだったよ。彼は一本目で10を出し、オレは長い間波を待ち過ぎた。ジョエルは他にも沢山の波に乗っていたのにね。でも、大丈夫。今イベントでベストな結果だし、気分は良いさ。サーフボードの調子も良いし、ベルズが待ち切れないよ」と話していたミシェル。

ミシェルの地元タヒチはもちろん、大柄な体格を活かしたパワーサーフィンを発揮出来る波であれば、再び上位に食い込んでくる可能性も十分にありそうです。

ツアー一行はゴールドコーストから一気に南下したビクトリア州のトーキーに移動。ベルズに舞台を移動して3月27日〜4月7日のイースターの時期に第2戦『Rip Curl Pro presented by Ford Ranger』が開催されます。
なお、ウィメンズはベルズの前にマーガレットリバーでの『Drug Aware Margaret River Pro』が3月16日〜24日に行なわれます。

ASPワールドツアー第1戦
『Quiksilver Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 ミシェル・ボウレズ(PYF)、ミック・ファニング(AUS)
5位 タジ・バロウ(AUS)、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ビード・ダービッジ(AUS)、マット・ウィルキンソン(AUS)



クイックシルバー・プロ・ゴールドコースト2013
日本語ライブ中継サイト
http://quiksilverlive.com/progoldcoast/2013/


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photo: ASP Covered Images

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