『Rip Curl Pro』タイラー vs カリッサの対決は?そして、ケリー&パーコが...。
2013-04-01 更新

全7戦で争われる2013年ASPウィメンズワールドツアー。すでに終了した第1戦はタイラー・ライト(AUS)、第2戦はカリッサ・ムーア(HAW)が制し、カレントリーダーはタイラー。カリッサがそれを追う形で突入した第3戦『Rip Curl Pro』が現地時間4月1日に終了。
2日前に決定したファイナリストはタイラーとカリッサ。共に1勝を上げた同士の戦いは今シーズンのタイトル争いにも大きな影響を与える注目の対決。
公式3-5レンジのベルズ・ボウルズを舞台にした35分のファイナルで最初にパフォーマンスを披露したのはカリッサ。
R1でパーフェクト10を叩き出しているカリッサは、ハワイアンらしい大きなラインを描き、早くも1本目で9.57をスコア。
タイラーに対してアドバンテージを握ります。
中盤は非常に波数が少なく、両者共にラインナップに佇むばかり...。
後半に入ったセットで少しでもスコアを伸ばしたいタイラー(写真下)はファーストターンからビッグスナップ!しかし、後が続かずに4.33止まり。
一方のカリッサは小振りなサイズながらインサイドまでキッチリとつないで5.83を重ね、トータル15.40。
タイラーをコンビネーションに追い込み、大差で優勝を決めました!

「ベルズで優勝するのは夢だったの。子供の頃からいつも楽しみにして見ていたし、雑誌を読み漁っていたわ。レジェンド達がこの場所で勝ち歩んできた歴史に敬意を払うと同時に私も勝利を得ることが出来た。本当にスペシャルなことね」と優勝の喜びを語っていたカリッサ。
2011年にはワールドチャンピオンに輝いたカリッサでしたが、ベルズでの優勝は初めて。ハワイアンがベルズを制するのは2000年のメーガン・アブボ以来になります。
オーストラリアサーフィンの聖地とも言えるこの場所では、歴代のウィナーを振り返ってもオージーが多く、ハワイアンがこのブレイクを制するのは貴重なこと。
表彰台ではお決まりのベルを高らかに鳴らし、勝利の喜びを身体全体で表現していました。

タイラーとのファイナルについては、「決して簡単なヒートでは無かったわね。幸運にもスタートで良いスコアを出すことが出来たの。タイラーは凄いパワフルだし、強いコンペティターだから、波次第ではもっと厳しかったと思うわ。ヒートでは長い間波を待ち、最後にちょっとだけ波が入ったのよね」と振り返っていました。
今回の優勝で今シーズン2勝目。開幕戦での3位を含めたポイントでタイラーを上回り、カレントリーダーの座を手に入れたカリッサ。
「今年は再びワールドタイトルレースに絡むことが出来て最高よ。昨年の私はとても良いとは言えず、ワールドタイトルを守ることにとらわれてしまった。沢山のことを学び、今年は素晴らしい仲間達と共に勝利に集中し、カムバックすることが出来たの。まだシーズンは序盤。次のイベントに集中するわ」と話していました。

前日の3月31日に19歳の誕生日を迎え、ライブ中継を通してバースデーケーキをほおばる姿を見せたタイラー。
ファイナルでは波に見離された形で勝利を逃したものの、開幕戦での優勝に2位が2回とトータルで考えれば素晴らしい結果を残していると言えます。
「本当に残念ね。サーフィンの調子はずっと良かったし、心の底からベルを鳴らしたかったのに、波が来なかったの...。カリッサのことは祝福する。彼女は素晴らしかったわ。ニュージーランドでは優勝を狙うわよ」と悔しそうな表情でコメント。
カリッサ20歳。タイラー19歳。その他にも同年代の選手が活躍しているウィメンズワールドツアー。
シーズン毎にレベルが上がっている彼女達のサーフィンはベルズのようなパーフェクトなポイントブレイクを舞台にすると更に際立ち、プロのショーとして面白さも格段と増していました。
世界のトップウィメンズ17名は休む暇も無く、次の舞台ニュージーランドへ移動。
第4戦『TSB Bank NZ Surf Festival featuring the Dow AgroSciences Pro』が4月3日〜7日に開催されます。

なお、メンズの第2戦はR3のH4から再開し、R5の全てのヒートが終了。
早くもQFを戦う8人のメンバーが決定しました。
R3は波数の少なさに番狂わせが多く、まずはケリー・スレーター(USA)がまさかの敗退...。
ケリーは1本目で小さいながらバレルをメイクするものの、6.93とスコアは延びず。この数年、ケリーのスコアは抑えられる傾向にあり、これが後々まで尾を引くことに...。
一方、対戦相手のウィリアン・カルドソ(BRA・写真上)はビッグマニューバーで8.10、8.43をまとめ、後半はセットが止んで時間だけが過ぎていきます。
ラスト数分に入ったセットも優先権を持つウィリアンが乗ってしまい、終了間際に入った波でケリーが必要なスコアは8.50。再びバレルインをしたケリーですが、出口を見つけられず、タイムアウト。
開幕戦で優勝を果たし、ワールドタイトルを狙うと意欲を示したケリーですが、思わぬ伏兵に道を阻まれた形となりました。
次のヒートのためにラインナップに待機していたラオニ・モンテイロ(BRA)とハグを交わしたウィリアン。
他の国の選手よりも結束が固いブラジリアンは、このウィリアンの大金星をきっかけにして完全に流れを掴みます。

まずはラオニ(写真上)がパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)がパーフェクト10を出したのにも関わらず、9.57と9.60という驚異的なスコアをまとめて僅差でラウンドアップ!
ブラジリアンのリーダー的存在、エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)もコロヘ・アンディーノ(USA)をねじ伏せて続きます。
H10ではガブリエル・メディナとルーキーのフィリッペ・トレド。19歳と17歳のヤングブラジリアンの最高のショー(フィリッペが勝利)まで披露してくれ、メンズの方は’ブラジリアンデー’となりました。
敗者無しの3人ヒート、R4ではケリーを倒したウィリアンを始め、エイドリアーノ、カイ・オットン(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)が1位通過でQFへ。
R4で2位と3位になった選手が戦うR5では、クロスゲームが中心となり、タジ・バロウ(AUS)、ナット・ヤング(USA)、ミック・ファニング(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)がQF進出を決めました。
ネクストコールは現地時間4月2日の朝7時30分(日本時間の同日5時30分)で、30分後にスタート予定。
ASPウィメンズワールドツアー第3戦
『Rip Curl Pro』結果
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 コートニー・コンローグ(USA)、レイキー・ピーターソン(USA)
5位 ペイジ・ハレブ(NZ)、ステファニー・ギルモア(AUS)、シルヴァナ・リマ(BRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2013年ASPウィメンズワールドツアー
『Rip Curl Pro』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 26,500pt
2位 タイラー・ライト(AUS) 26,000pt
3位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 19,700pt
4位 ステファニー・ギルモア(AUS) 18,200pt
5位 コートニー・コンローグ(USA) 16,900pt
『Rip Curl Pro』公式サイト
http://live.ripcurl.com/bells-beach-home-2013.html(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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