『Rip Curl Pro』はブラジリアンが制した!
2013-04-02 更新

例年になく豊富なスウェルに恵まれた今シーズンのベルズビーチでの戦い。
現地時間4月2日もファイナルデイ、並びにオーストラリアレッグを締めくくるのにふさわしい波に恵まれ、メンズ第2戦の勝者が決定しました。
ファイナルはSFでタジ・バロウ(AUS)を敗ったルーキーのナット・ヤング(USA)とジョーディ・スミス(ZAF)とのクロスゲームを制したエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)のカード。
公式3-5レンジのベルズ・ボウルズは雨雲と共に吹いてきた風の影響が入りながらもコンテストには十分なコンディション。
序盤はエイドリアーノがビッグターンを重ね、7.00をスコア。更に7.23を重ね、主導権を握ります。
初の大舞台で緊張を隠せないナットは最初の数本こそリズムに乗れなかったものの、このイベントで武器になったシャープなバックハンドリップを披露して7.50をマーク。
中盤、優先権を持つエイドリアーノはナットがテイクオフした波をドロップインする形で奪い取り、8.83をマークしてトータルスコアを上げていきます。
後半はナットがバッハンドでコブがあるフェイスを切り刻み、8.33を重ねて追い上げますが、エイドリアーノも深いボトムターンから目の覚めるようなリップを叩き込み、インサイドまでまとめて7.43。再びナットを引き離します。
終了間際には二人が待つ遥かアウトからクローズアウトセットが入り、それをかわすのにロスタイムが生まれ、そのままファイナルが終了。
優勝を確実にした後、エイドリアーノ(写真最上部・下)は抑えていた感情を一気に爆発させ、ビーチに上がってからは今イベントを大いに盛り上げてくれたブラジリアンクルーに担がれ、表彰台へ。

「オレにとってツアーで一番重要なイベントなんだ。アンディ・アイアンズ、ケリー・スレーターのような選手からオレのヒーローであるミック・ファニングまで、みんなベルを鳴らしている。何度もこの場所を訪れているけど、本当に大好きな場所さ。最近は大変な時間を過ごしていて、2013年はメインスポンサー無しでシーズンをスタートしていた。自らを信じ、やっと一つの会社を見つけることが出来た。オレを信じてくれた’Pena(ブラジルのクロージングブランド)’には感謝しているよ。他にも支えてくれた沢山の人に感謝したい。そして今、オレがやりたいのはベルを鳴らすことさ!」とエイドリアーノ。
表彰台でのスピーチではプロ選手らしい抑え気味の口調だったエイドリアーノでしたが、トロフィーのベルを鳴らす場面ではブラジリアンらしい熱いパフォーマンス。そして、余りの激しさにトロフィーを壊してしまう珍場面も...。
ちなみにASP発足前、1962年からの古い歴史を持つベルズでのイベントでブラジリアンを含めた南米の選手が優勝するのは初めて。
次のイベントは彼のホームであり、2011年に勝利を収めたブラジルでの戦い。
その件については、「次はオレのホーム、ブラジルだね。ホームでの戦いはやりがいがある一方で大きなプレッシャーになる。楽しんで勝てれば一番なんだけどね。それまでは充電してこの調子をキープしたいよ」と話していました。

スティーマーレーンを代表としたライトのポイントブレイクに気候までベルズに似ているサンタクルーズ出身のナット(写真上)
バックハンドには難しいとされるこのブレイクを見事に手なずけ、ルーキーとして2戦目で早くもファイナル進出を決めました。
「オレにとって大きなイベントになったよ。この夢の舞台でずっと憧れてきたサーファー達と戦えたんだ。正直、古い歴史があるこのイベントに参加しているだけでエキサイトしていたよ。更にファイナルまで進めたなんて言葉が出ないさ。もちろん、最後は勝ってみんなが望むベルを鳴らしたかったけどね。今年は無理だったけど、オレにとって2位でも凄い結果。次も上を目指すよ!」とファイナル終了後のインタビューに堂々と答えていたナット。
ベルズでバックハンドと言えば今イベントのMCも務めたオッキーことマーク・オキルーポが一番に思い浮かびます。
今シーズンのトップ34のメンバーはナットを始め、良いグーフィーフッターが揃っていますが、スタイルだけで見ればベルズでオッキーを越えるサーファーはまだ現れていないのでは...。

最後にタイトル争いの話をすると開幕戦を制したケリー・スレーター(USA)がカレントリーダーをキープしていますが、ジョエル・パーキンソン(AUS)を含め、今イベントでの13位が後になって響いてくる可能性が十分にありそうです。
まだまだ混戦の2013年ワールドツアー。トップ34のメンバーは束の間のブレイクの後、プライムを含む南米レッグへ。
5月8日〜19日にはブラジル・リオで第3戦(ウィメンズ併催)『Billabong Rio Pro』が開催されます。
なお、ウィメンズはニュージーランドでの第4戦『TSB Bank NZ Surf Festival featuring the Dow AgroSciences Pro』が4月3日〜7日に開催されます。
ASPワールドツアー第2戦
『Rip Curl Pro』結果
1位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)
2位 ナット・ヤング(USA)
3位 タジ・バロウ(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)
5位 カイ・オットン(AUS)、ウィリアン・カルドソ(BRA)、ミック・ファニング(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)
2013年ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 11,750pt
2位 ミック・ファニング(AUS) 11,700pt
2位 タジ・バロウ(AUS) 11,700pt
4位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 10,500pt
5位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 9,750pt
5位 ナット・ヤング(USA) 9.750pt
『Rip Curl Pro』公式サイト
http://live.ripcurl.com/bells-beach-home-2013.html(PC用)
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photo: ASP Covered Images
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