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『Volcom Fiji Pro』は素晴らしいファイナルデイ!

2013-06-12 更新
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昨年から「Volcom」がメインスポンサーになって復活したフィジー・タバルア島でのイベント。
この時期の南太平洋は南からのウネリがコンスタントに入るビッグウェーバー達が待ち望むシーズン。
アーリーシーズンのタヒチ、5月中旬からのオアフ島・タウン周辺は歴史に残るような波となり、サーファー達の興奮がインターネットを通して世界中に発信されていました。

今回の舞台となったタバルア島でもコンスタントにウネリが入り、イベント期間中はレイデイの日でも十分サーファブルなコンディション。コンテストディレクターがゴーサインを出さなかったのは、決して妥協を許さず、予報をチェックしながら2週間の間でベストな4日間を選び抜いた結果なのです。
その証拠にコンテストが行なわれた日は全て最高の波で、パーフェクト10がトータル7本。8〜9ポイント台がアベレージスコアとなるようなある意味異常な勝負となり、ファイナルデイとなった現地時間6月12日も世界最高峰のサーフィンレースにふさわしい波に恵まれていました。

ファイナルデイはQFからスタート。ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が9ポイント台を2本。ケリーが10ポイントを2つのパーフェクトヒートをメイクするなど朝からエキサイティングな展開。
気持ち良い青空の下、ボートの上から観戦するギャラリーの中にはVQSに参加していたジュニア世代のサーファーの姿も含まれ、数年後に演技しているかもしれない舞台を憧れの眼差しで見ていました。

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ファイナルはケリー・スレーター(USA) vs ミック・ファニング(AUS)のカード。
両者共に序盤からチャージしてミックが9.20をスコア。その後ろからはケリーが’ジーザス・クライスト’のように両手を広げて(写真上)バレルイン。出口を見つけることは出来なかったものの、イベントを心から楽しんでいる感じがライブ中継を通して十分に伝わり、多くのファン達はこの時点でケリーの優勝を確信したのでは?
ケリー優勢の空気のまま突入した後半、セットを掴んだケリーは大きなバレルに包まれ、9.80をマーク。さらにディープかつ長いバレルで今イベント4度目の10ポイントを叩き出し、トータル19.80。
ミックをコンビネーションスコアに追い込んでフィジーで4度目の頂点に立ったのでした。

ボートに戻り、彼女のカラニと熱いハグを交わした後、シバッツことジェイソン・シバタからマイクを向けられたケリー。
「なんて日なんだ!本当にヤバかったよ。ファイナルのスタートはミックが良い波を得て、オレのチューブは深過ぎた。でも、次のは凄い波だった。今回の優勝は弟と彼の妻、そして誕生したばかりの子供’Van’に捧げたい。彼は息子の誕生を見逃しても、オレが優勝してトロフィーを届けてくれた方が良いって言ってくれたんだ。フロリダのホームにいる家族達、見ているかな。タバルアのみんなにも感謝したいよ」と興奮気味にコメント。

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弟のステファンの妻の出産に立ち会うためにギリギリまでフロリダに残り、R1に間に合わなかったケリー(VanCarterSlaterの誕生は6月10日だったので、結局立ち会うことが出来ず)でしたが、R2からのリバカリーは完璧。
前日のR4で10ポイント、ファイナルデイはQFでシーバスことセバスチャン・ズィーツ(HAW)を相手に10ポイントを2つスコア。通算4つの10ポイントをスコアしたまさにパーフェクトなケリーが出たイベントでした。

「今日の中でも最高の波だったよ。あの波が入った時は信じられない気持ちだった。ミスした1本も凄かったさ。2本目の10ポイントはシーバスでも行けそうだったけど、彼の位置からは少し深かったかな。インサイドのバレルを駆け抜けている時、昨日上手く抜けられなかった波を思い出したんだ。昨日のような失敗はしないように前を見てただ走り続けたよ。こんなに波が良いと計算して戦うことは出来ないね。波が来たら乗るだけさ。理論的に見ても昨日から3本の10ポイントを出せたほど波が良かった。10ポイントは特別なこと。本当にストークしているよ」と2005年のタヒチ以来、自身2度目のパーフェクトヒートをメイクした感想を話していたケリー。

SFでも勢いは止まらず、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を相手にバレル無しのターンオンリーで9.40。後半には8.77のバックアップを重ね、トータル18.17でジョン・ジョンの追い上げをかわしてファイナルに進んでいました。

今シーズン2度目の優勝を飾ったケリーは前戦で4位まで下げたランクを再びトップまで押し上げ、12度目のワールドタイトルに向けて力強い一歩を踏み出しました。

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QF、SF共に終了間際で逆転して今シーズン初のファイナル進出を果たしたミック(写真上)。ファイナルも決して悪い内容では無かったものの、ケリーの超人的なサーフィンには太刀打ち出来ませんでした。

「スタートは9.20を得たけど、その後ろからはケリーがまるで’ジーザス・クライスト’のように波に乗っていたのさ。それが10ポイントでは無かったと知った時はまだ勝てると思っていた。でも、すぐに彼はオレを封じ込めた。総合的に見ればハッピーだよ。イベント前半は良いスタートとは言えなかったのに、最後はここまで来れたからね」とミックはコメント。

明日6月13日はミックの32回目のバースデー(ケリーは41歳)。タイトル争いでは3位から2位にランクアップしてカレントリーダーのケリーとの差も僅か。メディアの注目はケリーの12Xに集まる傾向ですが、現在のトップ34でケリーの次にタイトルを獲っているのはミック。第4戦を終了した時点で一番コンスタントな成績を残しているのもミックですし、ケリーも最も怖い存在と感じていることでしょう。

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次の第5戦は6月18日〜29日にバリ島で開催される『Oakley Pro Bali』
過去に『rip curl search』のインドネシアのどこかという触れ込みで開催されたことはありますが、ハッキリと場所が示されたイベントでは初となるバリ島。
会場のクラマス(サブ会場はチャングー)は毎年JPSAも開催されるライトのポイントブレイク。
トップ34のメンバーもシーズンオフには良く訪れる馴染みある波でどんなパフォーマンスを披露してくれるのか?
BCMでもフォローしていくので、お楽しみに!

ASPワールドツアー第4戦
『Volcom Fiji Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ミック・ファニング(AUS)
3位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、C.J・ホブグッド(USA)
5位 ジョーディ・スミス(ZAF)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、ジョシュ・カー(AUS)、ジョエル・パーキンソン(AUS)

2013年ASPワールドツアー
『Volcom Fiji Pro』終了後のランキング
1位 ケリー・スレーター(USA) 26,950pt
2位 ミック・ファニング(AUS) 26,200pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 23,450pt
4位 タジ・バロウ(AUS) 19,700pt
5位 エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA) 19,000pt

『Volcom Fiji Pro』公式サイト
http://www.volcomfijipro.com/(PC用)

photo: ASP Covered Images

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