『Vans US Open of Surfing』終了!
2013-07-29 更新

カリフォルニア・ハンティントンビーチで開催されていた真夏の祭典、ASPプライム『Vans US Open of Surfing』が現地時間7月28日に終了。
公式1-3ftレンジのクリーンなコンディションでQFからスタートしたファイナルデイ。
マット・バンティング(AUS)以外は全てトップ34のメンバーというゴージャスなバトルを観戦するためにスタンド席〜ビーチ、沖へと続く長いピアの上まで驚くような数のギャラリーが集まっていました。
総勢124名のエントリーから最終的に二人に選ばれたファイナリストは、サウスカリフォルニア出身の選手として唯一勝ち上がってきたコロヘ・アンディーノ(USA)とアレホ・ムニーツ(BRA)の二人のレギュラーフッター。
35分ヒートのファイナル。序盤はコロヘがライトの波で2つのビッグターンとフィニッシュにエアーリバースをメイクして7.77をスコア。
一方のアレホは確実なレールワークで立て続けに8.43、7.80を重ね、早くもトータル16.23とアウェイでの勝負とは思えないハイペースでヒートを組み立てていきます。
コロヘが逆転に必要なスコアは8.46。波次第では不可能な数字ではありませんでしたが、中盤〜後半はセットが途切れてしまい、残念ながらチャンスは訪れず...。
アレホ(写真最上部・下)が逃げ切る形で優勝を決め、6500ポイントと賞金の100,000USドル、日本円で1000万近くのビッグマネーを手に入れました。

大勢のブラジリアンサポーターに囲まれて盛大なビーチ凱旋をしたアレホは、「超ハッピー!そして信じられない気持ちさ。今日は祖父が亡くなってから4年目。彼にこの優勝を捧げるよ。オレのキャリアの中で一番の成績だし、こんな沢山のギャラリーの前でサーフィンしたのは初めてさ。ハイタイドと共に波数が減るのは分かっていたから、早めにスコアを出そうと考えていた。今日は海がオレの良い味方になってくれたね」と嬉しさの余り泣きそうな表情でコメント。
ワールドツアーではR3止まりでトータル31位と低迷している今シーズンのアレホ。WQSを含めたワールドランキングの方では今回得た6500ポイントのおかげで15位までランクを上げ、リクオリファイに向けて大きな前進。
「このイベントで良い結果を残したことが無かったので、今回はかなり集中していたよ。自分の全てを出し、それが報われた形だね。対戦相手のスコアよりも、自らのことを考えて戦ってきた。良いスコアを出してもヒートに負けることはある。もっと内面的なことが大切なのさ。良い波を掴み、どうやってサーフィンするか。今週は考えていたことが上手く運び、スマートにサーフィン出来た。そのことにストークしているし、アメージングな1週間だったよ」と話していたアレホ。
トップ34の内、8人を占めるブラジリアン。23歳。ツアー3年目のアレホはまだまだ成長段階にあります。
今イベントでの優勝をきっかけにワールドツアーの舞台でも活躍を期待しましょう。

QFでエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)、SFではビード・ダービッジ(AUS)とツアーの先輩を倒し、サウスカリフォルニア代表として多くのギャラリーを味方につけて挑んだファイナル。まだ19歳のコロヘ(写真上)にとって人生で最も大きな舞台だったと思います。
「おめでとうアレホ!今週の彼はアメージングなサーフィンをしていたよ。オレが優勝出来たら良かったけど、2本目を決められなかった。でも、ファイナルまで進めてハッピーさ」と控えめなコメントを残したコロヘ。
以前は父であるディノ・アンディーノの息子として紹介されることが多かったコロヘですが、180センチ、74キロの恵まれた体格を活かし、今では立派なワールドツアーの一員として世界を代表するサーファーに成長しています。

同時開催のウィメンズワールドツアー第6戦はカレントリーダーのカリッサ・ムーア(HAW)とローカルヒーローのコートニー・コンローグ(USA)が対戦。
ライトの波に狙いを定めたカリッサが開始直後に8.17、すぐに7.83を重ね、10分も経たない内にトータル16.00でコートニーをコンビネーションに追い込みます。
カリッサとは対照的にレフトの波を狙っていたコートニーはスコアを伸ばせず、6.10止まり。
後半、コートニーは多くのギャラリーが見守る中、アグレッシブなサーフィンを披露して7.50をスコア。ニード8.50まで追い上げ、終了間際に再び良い波を掴みますが、7.77と逆転には及ばす...。
トータル16.00 vs 15.27でカリッサ(写真上・下)が今シーズン3勝目を上げました。

「最後の波に乗ったコートニーに対してのギャラリーの反応を見て彼女が逆転したと思ったの。だから、今は勝てたことに少しショックを受けているわ。私が優先権を持ちながら、彼女に波を譲ってしまったのは悪い判断だったけど、私にとって良い結果になってストークしている。コートニーとタイトルを争えてハッピーだったし、楽しかったわね。ヒートの後半はナーバスになった。こんな大観衆の前でこのイベントを制することが出来たこと。光栄だし、アメージングな気持ちよ」とファイナル終了後のインタビューに答えていたカリッサ。
6戦中、3勝。3位が2回と素晴らしい成績でカレントリーダーの座をキープしている今シーズンのカリッサ。今回SFで敗れたランキング2位のタイラー・ライト(AUS)とのポイント差は1700とまだ油断は出来ませんが、有利な立場にいることは間違いありません。

コロヘと同じくサウスカリフォルニア出身の選手として大きな期待を背負っていたコートニー(写真上)。SFではタイラーを大差で敗り、ファイナルでも敗退はしたものの、カリフォルニア最大のイベントを大いに盛り上げていました。
「確かにアメージングなヒートだったし、カリッサのサーフィンは本当に凄かった。私の勝利を願う皆の声援がピアの上から聞こえてきたの。とにかく攻め続け、自分のベストなサーフィンを出そうとトライしたわ」とコートニー。
ランキングでは4位から3位にアップし、僅かながらワールドタイトルの可能性も見えてきました。
「2位でもとても良い気分だし、早くヨーロッパに戻りたいわ。ここで良い結果を残し、ハセゴーに向かう。エキサイティングになるだろうし、今から楽しみね」と話していたコートニー。
7月のフランス・ビアリッツでのイベントがコンディション不良のために9月に延期され、場所もハセゴーに変更。
トップ17のメンバーは約2ヶ月の休暇の後、再びフランスに戻ることになります。
メンズの方は8月15日〜26日に開催されるワールドツアー第6戦『Billabong Pro Teahupoo』まで束の間の休み。
プライムに関しては9月にポルトガルで『Azores SATA Airlines Pro 2013』が開催されます。

プライム『Vans US Open of Surfing』結果
1位 アレホ・ムニーツ(BRA)
2位 コロヘ・アンディーノ(USA)
3位 ビード・ダービッジ(AUS)、マット・バンティング(AUS)
ウィメンズワールドツアー第6戦
『Vans US Open of Surfing』結果
1位 カリッサ・ムーア(HAW)
2位 コートニー・コンローグ(USA)
3位 タイラー・ライト(AUS)、ポーリン・アドゥ(FRA)
2012年ASPウィメンズワールドツアー
第6戦『Vans US Open of Surfing』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 48,200pt
2位 タイラー・ライト(AUS) 46,500pt
3位 コートニー・コンローグ(USA) 40,100pt
4位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 39,400pt
5位 ステファニー・ギルモア(AUS) 30,450pt
『Vans US Open of Surfing』公式サイト
http://www.usopenofsurfing.com(PC用)
photo: ASP Covered Images
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