『Hurley Pro』は素晴らしいファイナルデイ!
2013-09-19 更新

今シーズン移籍したジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を始め、ジュリアン・ウィルソン(AUS)、アレホ・ムニーツ(BRA)、ミゲル・プーポ(BRA)、コロヘ・アンディーノ(USA)、ナット・ヤング(USA)、フィリッペ・トレド(BRA)の若手、タヒチで優勝したエイドリアン・バッカン(AUS)、ブレット・シンプソン(USA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)の中堅などトップ34の約3分の1の選手をファミリーとしてサポートする「Hurley」主催のASPワールドツアー第7戦『Hurley Pro』が現地時間9月18日に終了。
会場のローワー・トラッセルズは、イベント初日からファイナルデイまでの4日間、ほぼ同じようなコンディション。それも波はパーフェクト。さすがカリフォルニアを代表するブレイクとしか言いようがないクオリティの高さで、最後まで最高の戦いが繰り広げられていました!
ファイナルはジュリアン・ウィルソン vs タジ・バロウのオージー対決。
まずは試合開始のホーンと共にテイクオフしたジュリアンがレフトの波をバックハンドで切り刻み、6.67のグッドスタート。続いてエアーリバースを含めたラインディングで6.00。早くもトータル12.67をまとめて主導権を握ります。
一方のタジは、ライブ中継を通してでも音が聞こえてきそうなパワフルなバックハンドリップを繰り返し、8.67をスコア。
しかし、優先権を利用してライトの波にテイクオフしたジュリアンはエアリアルを混ぜたパワフルなマニューバーで8.27を重ね、トータルスコアを上げていきます。
中盤、大きめのレフトを掴んだタジは、再び素晴らしいバックハンドリップを披露。7.33をスコアし、トータル16.00でジュリアンを逆転!
これでリズムに乗ったタジは後半にジュリアンがミスしたライトの波を上手く利用。ビッグターンを重ね、8.40。ジュリアンとの差を広げます。
ラスト5分を切ってジュリアンはニード8.80。今イベントでハイスコアを量産してきたジュリアンにとって決して不可能な数字では無く、最後のホーンが鳴るまで波を追い続けていましたが、残念ながら7.70止まり。
トータル17.07 vs 15.97でタジ(写真下)が今シーズン初優勝!
中盤から追い上げてきたタジはベテランらしい駆け引きでジュリアンのリズムを狂わせ、それが勝負の決め手となった印象でした。

「最高に嬉しいよ。このイベントには本当に力を注いでいたし、勝ち上がるにつれて気持ちが高ぶってきたんだ。良い波があっちからやってきた感じがしたよ。こんな上手く進み、ベストなサーフィンが出来たと思ったことは初めて。ヒートを勝ち進む毎にオレとサーフボードとの相性が良くなり、最後には素晴らしい感覚を得ることが出来た。ピークが上手く最後に重なったことがイベントの勝利に繋がったのさ。ジュリアンとの対戦は厳しいと思っていたよ。オレが優先権を持っていた時は、波が良くても悪くて彼に波は譲らなかった。彼はどんな波でもスコアを出すから、出来る限り頭を使ってサーフィンしたんだ。最初にいくつかミスをしたけど、最後には帳消しになったよ」とファイナルを振り返ったタジ。
トラッセルズでは過去に2回ファイナルをメイクしたことがあるタジでしたが、優勝は初めて。3度目の正直で勝利を得たタジは、「優勝のリストにこの場所が加わったことは嬉しいね。他のどの場所よりも欲しかった勝利さ。過去に2位が2度あって、その1度はケリーに土壇場で逆転されたんだ。あの時の悔しさを長い間引きずっていたんだよ。だから今日の優勝は格別なんだ」とコメント。
ワールドツアーでだけでも年間約10のイベントをこなし、その間に何十ヒートも戦う彼らですが、特に負けたヒートはリベンジするまで何年でも覚えていることが多く、インタビュー中でもしばしば話題に出てきます。
この執念深さが勝負の世界では重要だとも言えるでしょう。
2012年の『O’Neill Coldwater Classic Santa Cruz』以来の優勝を決めたタジはランキングを5位から4位にアップさせています。

シーズン後半、まるで別人のようにツアーで目立つ存在になっているジュリアン(写真上)
今イベントでもR4でパーフェクトに近い9.87をマーク。エアリアルにビッグスコアを出し渋っていた今回のジャッジ陣も、ジュリアンが披露した大きなフロントサイド・フルローテーションエアーには高い評価を与えていました。
「もう一つ上が欲しかったけど、これでも素晴らしい結果だよ。最後は難しい展開で、沢山のミスを犯してしまったし、リズムにも乗れなかった。戦略が重要だった一方、パーフェクトな波じゃなくても大きな技が必要だったし、出来ると思っていたんだ。全体に見ると良い結果、それに良い一日だったさ。この勢いを維持して次は勝ちたいね」とファイナル終了後のインタビューに答えていたジュリアン。
ヨーロッパレッグでは2011年のフランスで2位。2012年のポルトガルで優勝と相性が良いジュリアン。
今イベント終了後のランキング7位を更にアップさせる可能性もありそうです。

タイトル争いに絡んでいる選手では、ジョーディ・スミス(ZAF・写真上)が3位で最高位。ミック・ファニング(AUS)が9位、ケリー・スレーター(USA)とジョエル・パーキンソン(AUS)は13位でフィニッシュ。
この結果でミックがカレントリーダーとなり、ケリーが2位に転落。ジョーディ、タジが共に1ランクアップの3位と4位。ジョエルは3位から5位にダウンしています。
ポイント差ではミックとケリーの差は僅か1200ptですが、ケリーは13位が2度あり、ミックは最低が9位。
今シーズンは10戦中、上位8戦のポイントで決まるため、最後に調整されることを考慮するとミックがポイント差以上に有利と言えます。
トップ34のメンバーはこれからフランス、ポルトガルと続くヨーロッパレッグへ。
ファーストイベントとなる第8戦『Quiksilver Pro France』は9月26日から開幕。
ウィメンズの第7戦『Roxy Pro』(9月24日〜)も併催され、華やかな舞台が期待出来そうです。
ちなみに来シーズンはローワー・トラッセルズでウィメンズイベントも併催されるとASPが発表。
更にパワーアップしたイベントを楽しみにしておきましょう!

ASPワールドツアー第7戦『Hurley Pro』結果
1位 タジ・バロウ(AUS)
2位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
3位 ジョーディ・スミス(ZAF)、ミシェル・ボウレズ(PYF)
5位 カイ・オットン(AUS)、パトリック・グダスカス(USA)、トラビス・ロギー(ZAF)、ジョシュ・カー(AUS)
2013年ASPワールドツアー
『Hurley Pro』終了後のランキング
1位 ミック・ファニング(AUS) 41,900pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 40,700pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 35,700pt
4位 タジ・バロウ(AUS) 35,400pt
5位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 32,450pt
『Hurley Pro』公式サイト
http://www.thehurleypro.com/ (PC用)
photo: Hurley
⇒「コンテストリポート」一覧へ
Hurley Japan
tel 03-5412-1781
web http://www.hurley.jp/
facebook http://www.facebook.com/HurleyJapan
