『Rip Curl Pro Portugal』初日は波乱含みの展開!
2013-10-10 更新

現地時間10月9日、ヨーロッパレッグのセカンドイベント『Rip Curl Pro Portugal』がポルトガル・ペニチェ「Supertubos」で開幕。
公式3-5ftレンジのクリーンなコンディションを舞台に早くも波乱含みの展開に...。
今イベントの一番の注目はフランス戦で優勝してリーチをかけたミック・ファニング(AUS)が最終戦を待たずにワールドタイトルを確定出来るか?でしょう。
その条件を簡単におさらいすると、もしミックが優勝した場合、ケリー・スレーター(USA)が5位以下。ミックが2位か3位になった場合、ケリーが13位以下ならミックのタイトルが決まります。
詳しくは→「ミック・ファニング3Xのシナリオ」
そのミックとケリーですが、両者共にR1でまさかの敗退となり、敗者復活戦のR2行きを強いられています。
ミックを倒したのは、同じ「Rip Curl」のチームメイト、ウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS・写真最上部・下)でした。
ローカルワイルドカードのフランシスコ・アルヴェス(PRT)を含めたこのヒート。ミックとウィルコのクロスゲームでしたが、後半に7.60をスコアしてトップに立ったウィルコは終了間際にフロントサイドでディープなバレルをメイク。9.77のハイスコアをマークして最後はミックをコンビネーションに追い込んで圧勝。

「コンディションが変わらないことを祈っていたよ。オレが波待ちしていた場所は間違いなかったけどね。最初はまあまあの波を掴んだ。オレが最後の波を乗る前、スコア的にどちらが勝っているか知らない状態でミックが乗るのを見た時は怖かったよ。最後の波は深い位置からのテイクオフ。何としてでもメイクしたかったから、出来る限りのスピードを出した。あれにはストークしたさ」と快勝を収めたR1を振り返ったウィルコ。
上位22名だけがリクオリファイ可能なワールドツアーで現在のランキングは24位。このままだと脱落する可能性があるウィルコにとって1ヒート毎が生活をかけた戦い。
その件については、「今回は上手く戦えるような気がする。ツアーに残るために勝ち進みたいね。ここの波は大好きさ。バレルだけどボトムは砂だから、安心して楽しめるでしょ。それに世界でも最高の場所だと思うよ。今年はライトよりもレフトの方が良い地形だね。これもフロントサイドになるオレにとっては嬉しいさ。ビーチを歩いているだけで多くのサポートを感じる。確かではないけど、オレがこの場所を好きなように、彼らもそうなんじゃないかなってね」とウィルコらしいポジティブなコメントを残していました。
ちなみに毎回奇抜なウェットスーツで楽しませてくれるウィルコの今回のデザインは「フィッシャーマン(写真下)」
「ripcurl_europe」のインスタグラムを検索すると過去数イベントのデザインもチェック可能です。


2010年に今イベントを制し、その他にもヨーロッパレッグで数々の栄光を勝ち取ってきたケリーにとって、コロヘ・アンディーノ(USA)とトライアルで優勝してワイルドカードを得たジェイコブ・ウィルコック(AUS・写真上・下)とのR1はウォーミングアップ程度のヒートでしたが、波運に完全に見離された形。
最後までスコアを伸ばせず、レフトの波でバレルをメイクして8.00をスコアしたジェイコブに抑えられてしまいました。
「良い波に何本か乗れたし、かなり面白かったね。トライアルで勝って、こんな選手達と戦える機会を得たことにストークしている。更に彼らに勝てたなんて本当に嬉しいよ。WCTで戦うのは2度目だったから冷静になれた。昨日もここで波に乗って地形のことも知ってたし、それらが良い方向に導いたんだと思うよ」とジェイコブ。
勝負の鍵となったレフトについては、「ケリーが優先権を持っていて、オレは少しだけビーチよりで波を待っていたんだ。あのレフトでプルインして、良いスコアを手に入れた。結局、あの波がヒートの決め手になり、他にもいくつかの波に乗ってバックアップを重ねることが出来たんだ」と話していました。
ベルズでの第2戦『Rip Curl Pro』にワイルドカードとして僅か15歳で参加していたジェイコブ。
その時もR1でケリーと対戦して3位敗退を喫していましたが、16歳の今、見事にリベンジを果たしました。

今イベントのディフェンディングチャンピオン、ジュリアン・ウィルソン(AUS)はR1のファーストヒートに登場。
ウィルコ、ジェイコブ同様に決め手となったのはレフトのバレル。一本目で7.17をスコアし、そのままリードを保ってフレッド・パターチア(HAW)とヤディン・ニコル(AUS)を下してR3へ。
ヒート終了後のインタビューでは、「スタート前は良さそうな波だったけどね。今は潮が上げ過ぎなんじゃないかな。でも、今日はベストデイになると思うよ。もっとスコアを上げられると考えていたけど、結局最初の波がベストになってしまったのさ」とコメント。さらに「良い結果を残せると思っているよ。過去の経験からボード選びはバッチリだし、何よりここの波を楽しんでいるのさ。昨年優勝した経験を活かし、ポジティブな気持ちで一本一本波に乗る。ここに来てバレルに入ることを本当に楽しんでいるよ。この調子で勝ち進み、タイトルを防衛出来れば良いけどね」と今イベントに対する意気込みを語っていました。
その他にR1を1位通過してR3行きを決めたのは、ジョエル・パーキンソン(AUS)、タジ・バロウ(AUS)、ジョーディ・スミス(AUS)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)、ジョシュ・カー(AUS)、フィリッペ・トレド(BRA)、カイ・オットン(AUS)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ナット・ヤング(USA)です。
ネクストコールは現地時間10月10日の朝7時45分(日本時間の同日午後3時45分)で、条件が揃えば15分後にR2のH1、ミック・ファニング(AUS) vs フランシスコ・アルヴェス(PRT)から再開します。

『Rip Curl Pro Portugal』公式サイト
http://www.live.ripcurl.com/portugal-home-2013.html(PC用)
photo: ASP Covered Images
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