『Rip Curl Pro Portugal』R2でケリーがまさかの敗退
2013-10-15 更新

現地時間10月9日に開幕したASPワールドツアー第9戦『Rip Curl Pro Portugal』
R1ではカレントリーダーのミック・ファニング(AUS・写真最上部)と2位のケリー・スレーター(USA)が敗退。
少しでも早く敗者復活戦のR2でこの穴を埋めたい両者の気持ちとは裏腹に会場のポルトガル・ペニチェ「Supertubos」は4日間も穏やかな波が続き、毎朝レイデイがコール。
やっと新しいウネリが入った現地時間10月14日も公式2-3ftレンジと「Supertubos」にしてはスモールで、更に風の影響も入ったトリッキーなコンディション。
コンテストディレクターのダミアン・ハードマンはゴーサインを出しましたが、僅か4ヒートでストップをかけることに...。
ワイルドカードのフランシスコ・アルヴェス(PRT)と共にファーストヒートにクジレットされていたミックは、レイデイがコールされていた前日も早朝から会場に足を運び、どんな条件でも対応出来るように調整。
これが功を奏したのか、ハイスコアが出にくかった難しい波でミドルスコアを手堅くまとめ、序場から主導権を握ったままトータル13.00でR3へ。
「毎朝早起きして大変だったね。今朝はちょっと小さめの波だけどコンディションが上向き、潮の上げ始めと同時に再開。ヒートを通過して発進出来たことにストークしているよ。ワイルドカードと対戦する時、多くの人達は彼らの活躍を期待する。特にポルトガルのファンは熱狂的だったよ。でも、それを見るのもクールなことさ。それにフランシスコは凄い良いサーフィンをしていたぜ」とミックは朝一番のヒートに勝利して安心した様子。

そのミックを横目にパドルアウトしたケリー(写真上・下)の対戦相手もワイルドカード。
序盤こそ快調にスコアを重ねていたケリーでしたが、地元の声援をバックに力強いアクションを連発していたフレデリコ・モライス(PRT)がリードを握るとケリーのリズムが崩れてしまい、フレデリコのペースに。更にフレデリコは後半にグラブレール・エアーリバースを綺麗にメイクして6.67をスコア。徐々に追い上げてきたケリーもこの1本で集中力が切れてしまい、早くも姿を消すことに...。
「フィデリコはベターな波を乗っていたし、それが決め手になったんだと思う。彼はいくつかの大きなライディングをしていたしね。あとはミック次第だけど、タイトル争いはハワイのファイナルまで持ち越しになればと期待しているよ。それまでの約2ヶ月間、リハビリをするつもり。体調と心を整えて挑むよ。もし、今週ミックがタイトルを決めてしまった場合は、彼を称えるしかないさ。シーズンを通して偉大なパフォーマーだったし、成績も素晴らしかった。彼みたいな相手を倒すのは難しいね」と表情を曇らせながらインタビューに答えていたケリー。
ケリーがR2で敗退するのは本当に珍しいことで、今シーズンは初。弱点らしい弱点がないケリーが唯一苦手とするワイルドカードとの対戦が一番大切な試合で仇になることに...。
ちなみにケリー敗退の瞬間、執拗にカメラがミックを追い、嬉しそうな表情を捕らえていました。

これでケリーの13位以下が決定。イベント前に発表されたポルトガルでの「ミック3Xのシナリオ」によると、ミックは3位以上。つまり、SFに進出した時点でワールドタイトルが確定。
但し、ジョーディ・スミス(ZAF)、タジ・バロウ(AUS)、ジョエル・パーキンソン(AUS)が優勝すればタイトルレースは最終戦のハワイに持ち越しになります。
詳しくは→「ミック・ファニング3Xのシナリオ」

ミックのコメント通り、ポルトガルのファンは熱狂的。朝早くからビーチには沢山のギャラリーが集まり、世界のトップとポルトガルを代表する選手の戦いを食い入るように観戦していました。
その中でキング・ケリーを倒したフレデリコ(写真上・下)の快挙は何年経っても忘れられることはないでしょう。
「オレが勝ったなんて信じられないね。ケリーとのヒートは厳しいと分かっていたし、彼はどんな状況でもスコアを出してくるからね。ケリーとの対戦に安心は禁物。でも、自分の仕事に専念して得た2つ目の良いスコアで彼を倒すことが出来たんだ」とフレデリコ。
ワールドランキング96位。まだ21歳のフレデリコにとって11度もワールドタイトルを獲得しているケリーとの対戦は勝っても負けても貴重な経験。
ティアゴ・ピレスを代表とするポルトガルサーファーのポテンシャルの高さも証明した勝負でした。

その他行なわれた2ヒートでは、ミシェル・ボウレズ(PYF)とエイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)が勝ち上がり、R3へ。
ネクストコールは現地時間10月15日の朝7時45分(日本時間の同日午後3時45分)で、条件が揃えば15分後にR2のH5、C.J・ホブグッド(USA) vs ヤディン・ニコル(AUS)のカードから再開します。
『Rip Curl Pro Portugal』公式サイト
http://www.live.ripcurl.com/portugal-home-2013.html(PC用)
photo: ASP Covered Images
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