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『Rip Curl Pro Portugal』終了!タイトル争いは最終戦のハワイ持ち越し!

2013-10-18 更新
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今シーズン、SF以上を5回もメイクしてフランス戦での優勝でリーチをかけたミック・ファニング(AUS)とケリー・スレーター(USA)、ジョーディ・スミス(ZAF)、タジ・バロウ(AUS)、ジョエル・パーキンソン(AUS)の計5名での熾烈なワールドタイトル争いが注目を集めていたヨーロッパレッグのセカンドイベント、『Rip Curl Pro Portugal』が現地時間10月17日に終了。

R2敗退の25位と早々と姿を消したケリーに対し、ミック、ジョーディ、タジ、ジョエルの4名はファイナルデイへ。
ミック以外はここで優勝するのがタイトルの最低条件でしたが、まずはタジがR5で敗退して脱落。
QFではジョーディの他にミックも敗れ、この時点でジョーディ脱落と同時にタイトル争いは最終戦のハワイに持ち越しが決定。
SFまで勝ち上がったジョエルも、カイ・オットン(AUS)に抑えられてタジ、ジョーディと共に道は閉ざされてしまいました。

QFで敗退したミック(写真下)は、「ん〜悔しいね。もっとサーフィンしたかったけど、残念ながら願いは叶わなかった。ポイントを稼げたことに関しては嬉しいよ。これで次のパイプラインがベターなポジションになったし、ハワイに行くのが楽しみになった。トリプルクラウンも狙いにいくぜ!今年はスローヒートが多く、派手な勝ち方ではなかった。でも、こんなやり方もあるし、多分、重要だったのかもしれないね」とコメント。

フランス戦終了後の6000ポイント差から7200ポイントにケリーとの差を広げたミック。
これでミックとケリーの一騎打ちとなり、最終戦のハワイ・パイプラインでケリーが優勝してもミックが3位以上ならばタイトルはミックの手に。ケリー優勝でミックが5位以下ならケリーが逆転することになります。

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イベント自体に話しを戻すと会場のポルトガル・ペニチェ「Supertubos」は公式3-5ftレンジと前日よりも多少サイズダウン。潮回りや風でヒートによってコンディションは異なったものの、基本的にはバレルあり、アクションありの見応えあるファイナルデイでした。

ファイナルはミック、ジョエルを下したカイ・オットン(AUS・写真下)とルーキーイヤーながら2度目のファイナル進出を果たしたナット・ヤング(USA)のグーフィーフッター同士のカード。
序盤はミドルスコアのスロースタートとなり、僅かにカイがリード。ナットが逆転する場面もありましたが、6.33をベースに5.90を重ねたカイがトップを奪い返し、ナットがニード6.63のまま後半に突入。ナットはレフトの波で小さめのバレルをメイクするものの、5.43とスコアは伸びず...。
カイが逃げ切る形でワールドツアー初優勝を決めました!

高々と手を上げてウィニングライドを決めてビーチに上がった後は沢山の人にもみくちゃにされ、表彰台までの花道を叫び、泣き、喜びながら担がれて進んだカイ。

「こんな変な気持ちになったのは初めてだよ。なんだろう。今は理解出来ないね。今回の優勝は祖父に捧げる。彼はオレがクオリファイした年に亡くなったから、ツアーで戦う姿を見ていないんだ。このイベントは接戦だった。潮の動きでヒート毎に波が変わり、何が起こるか分からないような展開だったよね」と2007年から7年目にしてやっと手に入れたワールドツアーでの勝利者インタビューに答えていたカイ。
祖父への思いを語る時、天を指差して言葉に詰まる場面も...。

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NSW南部の小さな海沿いの町、タズラ出身で現在はシドニー近郊のマンリー・クイーンクリフを拠点とするカイ。
2007年のルーキーイヤーの12位を最高位に成績は伸び悩んでいましたが、人生の転機と共に勝利の女神が微笑んでくれたようです。

「今年はガールフレンドが妊娠するという大きなニュースがあった。これには本当にエキサイトしてるし、素晴らしいことさ。人生の次のステップが楽しみで仕方ないよ。ホームタウンの’タズラ’のみんなを始め、母や父がオレのキャリアを大きくサポートしてくれている。この優勝はそのキャリアの頂点みたいなものさ」とコメント。

ミックやケリーのように常にタイトル争いをしている選手がいる一方、カイのように地道にツアーでの道を歩み、キャリアで数回訪れるかどうかのチャンスを狙っている選手もいます。
それも世界中のサーファーが憧れる夢の舞台、ドリームツアーの一面ですし、今回のカイの優勝は多くの人を感動させたと思います。

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第2戦のベルズに続き、2度目のファイナルの切符を手にしたナット(写真上・下)は、「良い波が掴めず、ファイナル中は凄いイライラしていたよ。波を探しまくって仕舞には疲れてしまったんだ。でも、良い日だったかな。2度目のファイナルも惜しい結果となり、胸が張り裂けるような気持ちだけど、素晴らしい結果だし、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲れたのは本当に嬉しいよ」とコメント。

2013年のルーキー、17歳のフィリッペ・トレド(BRA)、セバスチャン・ズィーツ(HAW)と比べると注目度は低かったナットでしたが、サンタクルーズのスティーマーレーンで鍛えたバックハンドはすでにツアーでもトップクラスの切れ味。
現在のトータル9位というランキングも、成績の波を克服すれば更に上位を狙えそうです。

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なお、今回のポルトガル戦はアゾレス諸島のサンミゲル島でのプライムと10月21日からカーカヴェロスで開幕するもう一つのプライム『Cascais Pro』の3つのイベントで構成される「Portuguese Waves series」で、総合で優勝した選手には50,000USドルのボーナスが贈られます。

いよいよ今シーズンのワールドツアーは12月8日〜20日にハワイ・オアフ島のパイプラインで開催される最終戦『Billabong Pipe Masters』のみとなりました。
ポイント的に有利なミックが3度目のワールドタイトルを獲得するのか?
年齢的にそろそろ引退も見えてきたケリーが12度目のタイトルを手に入れるのか?

トリプルクラウンの前哨戦4スター『HIC Pro』が10月末に始まり、トリプルクラウンの初戦『Reef Hawaiian Pro』は11月12日からスタート。11月末にはセカンドイベントの『Vans World Cup』とあっと言う間の約2ヶ月となりそうです。

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ASPワールドツアー第9戦
『Rip Curl Pro Portugal』結果
1位 カイ・オットン(AUS)
2位 ナット・ヤング(USA)
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、ジョシュ・カー(AUS)
5位 ジュリアン・ウィルソン(AUS)、ミック・ファニング(AUS)、ョーディ・スミス(ZAF)、C.J・ホブグッド(USA)

2013年ASPワールドツアー
『Rip Curl Pro Portugal』終了後のランキング
1位 ミック・ファニング(AUS) 53,100pt
2位 ケリー・スレーター(USA) 45,900pt
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS) 43,700pt
4位 ジョーディ・スミス(ZAF) 43,150pt
5位 タジ・バロウ(AUS) 42,900pt

『Rip Curl Pro Portugal』公式サイト
http://www.live.ripcurl.com/portugal-home-2013.html(PC用)

photo: ASP Covered Images

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