「バリ島・バイク旅2013年秋⑤」
2013-10-25 更新
Bukit二日目の朝も、Diegoと海へ。出発前、Diegoに「短めの僕のボードではダメだ」と言われ、6‘8の彼のボードを渡された。
この日バイクに乗って僕と勇介君が案内されたのは、パダンパダンとインポッシブルが見渡せる高台。
左に見えるパダンパダンでは、ローカル達と世界中から集まった強者たちが6-8ftのグリグリなチューブにチャレンジしており、見ているだけで興奮した。
レフトブレイクのパダンパダンのエンドセクションの右側には大きなチャンネルがあり、チャンネルを渡ったところがインポッシブルだ。
ここも大きな波が炸裂していた。
後から聞いた話だが、ここに入っていたDiegoの友人は午前中だけでボードを2本も折ってしまったらしい...。
その時はデカ波好きのDiegoに何度も行こうと促されたが、僕らは「Noと言える日本人」を主張。
少しサイズの小さいビンギンに行こうと提案すると、Diegoもうなずいてくれた。
ビンギンも昨日より大きいセットが入るようになり、相変わらず15人ほどのサーファーで賑わっている。
この日も来る波すべてがグリグリのチューブ。パダンパダン同様、ここに入っているサーファーのスキルも凄かった。
レイルグラブでチューブを抜けると、今度は深いボトムターンからギリギリのラインでとんでもない強烈なリッピング。
そしてまたリラックススタイルで今度はノーグラブでチューブの中にスッポリと包まれるという光景だった。
改めてバリを始めとするインドネシア人サーファーのレベルの高さを知った。
この日はサイズが上がった分、パワーも強烈でボードやフィンを折る人。巻かれてラッシュガードが脱げているサーファーもいた。
僕と勇介君は比較的やさしそうな波を選んで自分なりの限界に挑んだ。
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2時間ほどで海から上がり、Diegoは仕事へ。僕らはDiegoの家でリラックスした。
Diegoの家は居心地も最高なのだが、今回の旅は7日間と短いので、僕らは次なる目的地へ移動することにした。
移動先はバランガンというポイント。
ポイントの目の前の丘に建つ『ココナッツハミングバード』という宿を目指した。
宿を経営するタクローさんも、Diegoと同様に根っからの旅人サーファー。15年ほど前まで世界中を旅していた。
そして、旅中に巡り合ったバランガンに魅了されて宿を経営し始めたそうだ。
彼の旅話はとにかく引き出しが多い。文章を書くのも上手で、彼のエッセイやコラムは読んでいるとすぐにタクローワールドに引き込まれてしまうほどだ。
10数年前に彼のコラムを読みあさっていた僕は、5年ほど前に妻とバリに来た時にクタから日帰りで遊びに来たことがあった。
インドネシア人の奥さんと僕の娘と同じ歳位の女の子の3人で暮らし。初めて会った僕らに付き合って一緒に海に入ってくれたり、楽しい話をたくさん聞かせてくれた。
さらに彼の作ったゲストルームには、ガラスやエアコンと言ったものがない。
丘の上を抜ける自然の風や、スダレを巻きあげると南国の自然光が部屋を照らす最高に心地よい空間だった。
家具や作りもアートと呼ぶにふさわしい。その時、「次にバリに来る機会があったらここに泊まろうね」と妻と話していた。
Nusaショップに寄ってDiegoにお礼をいうと、僕らはバイクに跨りバランガンに向けて走り出した...。
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ハルさんの旅もいよいよ終盤へ突入。
次回はバランガンで宿を営むタクローさんが登場します。
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